実刑判決確定で弁護士資格失う 

依頼人の現金を着服したとして業務上横領罪にとわれた弁護士楠元和貴被告
(44)に懲役4年6月(求刑6年)を言い渡した横浜地裁判決が29日確定した
楠元被告は弁護士資格を失った。
1審判決によると楠元被告は2012年~2015年成年後見人や遺産分割の交渉代理人などして依頼人から預かった現金を口座から引き出すなどして計約5600万円を着服した。
読売新聞 神奈川版 30日
1審判決言渡し 3月10日

楠元和貴弁護士に懲役4年6月 業務上横領罪で横浜地裁

 複数の依頼人から遺産分割業務などで預かった計約5500万円を着服したとして、業務上横領罪に問われた横浜弁護士会所属の弁護士楠元和貴被告(44)に横浜地裁は10日、懲役4年6月(求刑懲役6年)の判決を言い渡した。
 根本渉裁判長は判決理由で「必要経費をはるかに超える額を、自分の事務所のためなどに使おうと引き出した。社会的地位のある弁護士という立場を悪用して信頼を裏切り、大胆かつ悪質な犯行」と指摘した。
 弁護側は判決言い渡しに先立ち、1日付で楠元被告が一部を弁済したとする証拠を提出。楠元被告は「ご迷惑を掛けて申し訳ない。必ず弁済する」と述べ、あらためて結審した。
 判決によると、2012年1月~昨年1月、遺産分割業務や刑事事件の示談金として預かった金や、成年後見人として管理していた口座の金を不正に引き出すなどし、計約5500万円を着服した。
引用サンケイ

楠元和貴 27984 神奈川県弁護士会
楠元法律事務所  神奈川県横浜市神奈川区浦島町2-8 ハマビル4階

本日まで現役の弁護士でした。
当然、逮捕、起訴、判決と現役弁護士でした。


横浜弁護士会(現神奈川県弁護士会に改名)は会長声明を出しています。

楠元和貴会員が懲戒手続に付されたこと

についての談話  横浜弁護士会

2015年01月30日

横浜弁護士会は、平成27年1月14日付け常議員会議決に基づき、同月15日、当会会員である楠元和貴会員を、懲戒手続に付しました。

 懲戒手続に付した事案は、同会員が、平成21年1月、Aさんらから遺産分割請求等の依頼を受け、平成25年6月ころまでに業務を概ね終了し、遺産等として相手方等から受領した合計金1811万7990円から弁護士費用(当初200万円、後に150万円に減額)を差し引いた残金を、速やかにAさんらに返金すべき義務を負いながら、Aさんらの再三にわたる督促にもかかわらず未だに返金していない、というものです。これは、平成27年1月6日、Aさんから当会の市民窓口へ苦情のお申出があり、発覚したものです。
 そのほか、同会員については、平成26年12月に被害者である依頼人Bさんから申立がなされ、既に当会の懲戒手続に付されている件があります。
 これは、同会員が、平成25年10月、Bさんから遺産分割等請求事件の依頼を受け、平成26年6月遺産分割協議を成立させ、同年7月8日付で同協議に基づき相手方から金2649万9319円を受領したにもかかわらず、Bさんに対して速やかに預り金(現在残金額2349万9319円)を返金しないというものです。
 これらのケースは、いずれも少なくとも弁護士職務規程45条(預り金を遅滞なく返還する義務)に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当します。さらに、このような多額の金員が相当長期間にわたって返金されていないことからすると、同会員が上記預り金を私的に流用した事実を強く疑わせるものと言わざるを得ず、この場合には刑法第253条(業務上横領罪)にも該当する重大な非違行為となります。
 このような事態の重大性及び複数件の問題事案が認められることから、当会は、懲戒事由の存否についての綱紀委員会、懲戒委員会の結論を待たず、事前公表に踏み切ることといたしました。
 当会は、今後もより一層の強い危機感をもって、会員に対する倫理研修などを徹底して行う一方、市民からの弁護士に対する苦情情報を早期に把握して非行の再発防止と非行による被害の拡大防止につとめ、市民の皆様の信頼に応えられるようさらに努力して参る所存です。
2015年(平成27年)1月30日
横浜弁護士会
会長 小野 毅

どうなったのでしょうか?懲戒処分は!?
結局、横弁改めカナ弁は、懲戒処分するぞ!するぞとミエを切りながら、何もせず有罪判決確定で弁護士資格がなくなり登録抹消という方法にしました。
これで、弁護士会としては不名誉な除名処分を出すこともありません。
2015年1月の懲戒請求ですから十分に時間はあったのです。
しかし、今年4月に横浜弁護士会から神奈川県弁護士会に名前も変わって、その一発目に会員の除名処分では恥ずかしくてしょうがないでしょう。
こうやって懲戒処分なしで最後までかばってもらえる業界も他にはないでしょう。