【弁護士自治を考える会】
弁護士による横領被害者に給付金(見舞金)出すという日弁連の案に反対を唱えている自由法曹団の弁護士たち、弁護士が非行増えたがのは弁護士人口が増大したことが原因であると主張しているが、それでは自由法曹団は過去どのような意見を述べてきたのか検証をしてみる。
弁護士横領被害に弁護士会費は使うなという弁護士たちが全国の弁護士に送ったビラ

あなた達は今まで何を言ってきたのか(2)






法曹養成制度の在り方についての提言

自由法曹団 東京支部  萩 尾 健 太    2016年
一 法曹養成制度改革の問題の顕在化
 昨年は、法科大学院制度を柱とする法曹養成制度改革の問題点が顕在化した。
 法科大学院と司法試験
 昨年九月、法科大学院卒業生が受験した新司法試験の合格発表がなされた。合格者一〇〇九名、受験したのは「既習コース」卒業生のみで、合格率四八%、法科大学院発足前に喧伝されていた七割合格には遠く及ばない。今年は今回の不合格者と未習コース卒業生も受験するが、合格者数は二二〇〇名程度とされている。その後は、合格者数は微増とされているので来年以降は合格率の激減は避けられない。


 少なくない法科大学院で、クリニック(臨床教育)や公益弁護活動の講座を通じて、小額事件や人権活動に取り組む庶民の立場に立った法曹教育実践が為されているが、現状でも院生はカリキュラム過密にあえいでいる。今後合格率が低下すれば、院生の側は一層「それどころではない」という状態になる。


 新六〇期に対して昨年一二月に開催された導入修習では、新六〇期は旧司法試験組と比べて起案の出来にばらつきが多いとの声もある。法科大学院は幅広い法的素養を身につけさせるべく多くの科目を教授しているが、むしろ基本的な法的思考が身に着けられる教育の充実が求められる。


 二〇〇七年合格の新六一期からは、この導入修習も廃止される予定である。現状の倍の二〇〇〇名に増え、未習コース卒業も含まれる新六一期をいきなり実務修習に就けて一年で法曹資格を与えても、その資格に見合う能力があるか、自分の経験からも疑問である。


 他方、一一月発表の旧六一期の司法試験は、合格者五四九名、合格率は一・八一%と、前年の旧六〇期の合格者一四六四名、合格率三・七一%から激減している。新司法試験組と比べて試験の難易度は不公平である。


 司法修習と二回試験に関する問題


 昨年九月、五九期司法修習生が受験した二回試験の結果発表がなされ、合格留保九七名、不合格一〇名とかつてない数に上った。さらに、一〇月、最高裁の「司法修習生考試委員会」が、二回試験の合格留保者を対象に行ってきた三ヵ月後の追試を今年から廃止すると決め、二回試験不合格者は全員翌年の試験で全科目を受験し合格しなければ法曹資格を得られないこととなった。これらの措置は、法曹の質を確保すべく資格付与を厳格化するためとされているが、到底適切とは思えない。


 五九期修習生は約一二名が修習中にリタイアした。精神を病む者、自殺者も含まれる。これは、人数増と修習期間短縮による人間関係形成難、修習の詰め込み化、二回試験不合格への不安の影響が少なくない。


 修習期間が一年四ヶ月に短縮され二回試験追試廃止が決定された旧六〇期ではその不安はさらに増大する。まして修習期間が一年しかない新六〇期に始まる法科大学院卒には深刻な事態となる。その下では、修習生の自主的活動は困難となる。


 修習期間を短縮して必要な技能を修得するのを妨げながら「質が低くなった」などとして追試の機会まで奪うのは、修習生から見れば横暴である。


 就職難と法曹人口問題


 さらに、法曹資格取得後も問題である。今年は旧六〇期と新六〇期の合計約二五〇〇人が一気に法律実務家となり、その大多数が弁護士登録するが、すでに東京では就職難が言われている。二〇〇八年以降も三〇〇〇人体制に向けて法曹資格取得者数が漸増していくので、問題は引き続く。


 就職難のみならず、既に東京では、一般の弁護士の間では弁護士人口増による経営難が言われている。これは、法律家としての技能・人権擁護の精神とともに、層としての弁護士の質にかかわる問題である。


二 今後検討されるべき方策


(1) 前述の法曹人口増については、その解決を市場にゆだね、経営が破綻した者が弁護士を廃業することで需給バランスを図るという新自由主義的発想は、依頼中の弁護士が廃業したり事件処理が手抜きになるなどで依頼者層に被害をもたらすので許されない。現在のような法曹人口激増ではなく調和の取れた漸増をし「血を流す」者が出ないようにすべきである。


 現実には不払い残業の横行など、被害を我慢している人、泣き寝入りしている人は多い。権利意識を社会に広げ、事件を掘り起こして「需要増」を図る必要がある。弁護士が増える反面、平均収入源が予想されるので弁護士会費減額も必要である。また、判事補増と弁護士任官増を併せた裁判官抜本増員、本来の法と正義の実現の見地に立った検察官の増員が求められる。


(2) 新司法試験については、今年度二〇〇〇名、二〇一〇年三〇〇〇名弱への増員にこだわらず、従来の司法試験合格者と能力にさほど不均衡がない人数に限定すると言う能力試験的運用をなすべきである。


 この点について、日弁連は、本年一月に発表された規制改革・民間開放推進会議第三次答申に関するコメントの中で、法曹増員の「安易な前倒しには、新たに生み出される法曹の質の確保に配慮したしっかりした法曹養成を行うという観点から、反対である。」と述べ、自民党司法制度調査会の「法曹養成・法曹教育・資格試験小委員会」は一二月一三日、司法試験合格者三〇〇〇名を越える増員に消極的な見解の報告書をまとめた。


(3) 法科大学院の当初の宣伝に反する低い合格率と二回試験不合格の脅しによる院生・修習生の萎縮と管理・統制強化は、高い技能とともに豊かな人権感覚を持つ法曹を養成する上で重大な障害となる。その改善ために、法科大学院については、本来の少人数による充実した教育との理念に沿った各大学院定員の削減を、余力のある大規模大学院こそなすべきである。他方、自民党の主張する「淘汰論」や落第措置は、統制強化に繋がるので反対である。


(4) 修習段階では、修習生に十分な能力習得の機会を与えるべく、新司法試験組の導入修習、二回試験の追試復活を求める。


 その際、司法研修所現在の容量を超える点が問題となる。現在の新自由主義的改革の流れの下では、司法研修所を無くし、法科大学院を卒業して新司法試験に合格した者に法曹資格を与えるという司法研修所廃止論は俎上にのぼるだろう。しかし、現状よりも法曹養成教育の期間が短くなっては、到底法曹としての質が確保できないことは明らかなので、司法研修所の増員・増設が必要である。数十億円くらいかかると思われるが、トヨタが一日で稼ぐ額であり、国家予算からすれば微々たるものである。


(5) 司法修習・法科大学院と通算すれば長期の教育期間となる以上、庶民のための職業人の教育としての特殊性からも、国費助成による法科大学院の学費の抜本的減、修習生の給与制継続や返還免除の奨学金の充実を求める必要がある。昨年の私立法科大学院への経常費補助は四八億円だが、今年の私立大学への経常費補助は三二億円削減される見込みであり、学生支援機構の奨学金は殆ど貸与制である。また、貧しい者が法律家になれるよう、旧司法試験・予備試験コースも数百名程度は確保すべきである。


 以上のような「司法改革」の見直しが今日求められているのである。

弁護士の人口が増えたから仕事が減って非行が増えたという弁護士の皆さん!
それでは、実態はどうなのでしょうか
競争などせず収入は確保したい。仕事は向こうから頭下げてくるもんだと考えてはいないでしょうか
そんな弁護士に仕事は依頼しません。

そして、横領、着服、事件放置、暴言、これらの非行はベテランしかありません。弁護士人口が増えたからベテランが横領する。そのような業界があるでしょうか