弁護士の懲戒処分を公開しています、日弁連広報誌「自由と正義」2017年1月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・第二東京弁護士会の小澤彰弁護士の懲戒処分の要旨
ベテラン弁護士が陥る遺言執行事件の利益相反行為、双方代理
懲 戒 処 分 の 公 告

第二東京弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下の通り通知を受けたので懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する

1処分を受けた弁護士
氏 名         小澤 彰
登録番号        12898
事務所         東京都中央区銀座8
             小澤法律事務所
2 処分の内容     戒 告
3 処分の理由
被懲戒者は2012年7月には亡Aの遺言執行者に就任したが、亡Aの遺言は内容自体に相続人間の紛争、利益対立を十分に予想させるものであり、当時者間に深刻な争いがあり話し合いによって解決することが困難な状況であったにもかかわらず、遺産分割調停申立事件において亡Aの相続人Bの代理人に就任し、懲戒請求者C及び懲戒請求者Dを含む他の相続人を相手方として行動した、被懲戒者は亡Aから株式会社Eの全株式の遺贈を受けたF代理人として懲戒請求者C及び懲戒請求者Dが取締役を務めるE社取締役会宛てに株主総会招集の請求の通知書を発送し、FがE社の代表取締役に就任した後である2013年5月7日にE社の代表取締役Fの代理人として懲戒請求者Cの代理人弁護士に対し部屋の明渡し等に関する通知書を発送し、法律的な主張を含む交渉を行った。
また、被懲戒者は亡Aの遺言執行者でありながらBの代理人として亡Aが所有していた不動産の地代等の清算に係る懲戒請求者Dを被告とする2件の訴訟事件に於いて訴訟活動を行った。
被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規定第5条及び第6条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分が効力を生じた年月日 2016年9月2日 201711日 日本弁護士連合会