日弁連広報誌〈自由と正義〉2017年3月号に掲載された弁護士懲戒処分の公告
第一東京弁護士会の野嶋慎一郎弁護士の懲戒処分の要旨
 
処分の理由・事件放置
 
【事件放置の研究・処分例】
 
 

懲 戒 処 分 の 公 告
第一東京弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下の通り通知を受けたので懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 処分を受けた弁護士
氏名       野嶋慎一郎
登録番号     22676
事務所 東京都新宿区新宿5    
    野嶋慎一郎法律事務所  
2 処分の内容   戒 告
3 処分の理由
被懲戒者は2008年3月11日、懲戒請求者らから、懲戒請求者、懲戒請求者の夫であるA及び同人経営のB株式会社の債務処理について将来的に自己破産の申し立てを行うことを含めて包括的に受任し、同月17日、Aから50万円を受領し、A所有の不動産の競売手続が終了した後の2010年2月6日、懲戒請求者及びAと協議の上、懲戒請求者らにつき自己破産申立てをすることを決定し、遅くとも同日までには、自己破産申立てに関する委任契約書を作成することが可能であったにもかかわらず、委任契約書を作成しなかった。被懲戒者は、懲戒請求者が同年2月から2013年10月頃までの間に複数回にわたり自己破産申立ての催促をしたのに対し、書類の作成中という趣旨の応答をし、懲戒請求者に対して十分な説明をせず、同年11月19日に懲戒請求者から辞任の要求を受けて辞任するまで長期間にわたり自己破産申立てをしなかった。
被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規定第30条、第35条、第36条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する
4 処分の効力を生じた年月日 2016年12月2日 2017年3月1日   日本弁護士連合会