「今だけ無料」処分…アディーレ法律事務所、代表弁護士ら「懲戒審査相当」 東京弁護士会などの綱紀委議決
 過払い金返還訴訟を数多く手掛ける弁護士法人大手「アディーレ法律事務所」(本店・東京)が不適切な宣伝を理由に消費者庁から行政処分を受けた問題で、東京弁護士会など複数の弁護士会の綱紀委員会が、法人としてのアディーレと代表の石丸幸人弁護士(44)、複数の所属弁護士について、「懲戒審査が相当」とする議決をしていたことが2日、関係者への取材で分かった。今後、各弁護士会の懲戒委員会が、懲戒の是非や懲戒内容を検討する。
 弁護士懲戒は、(1)懲戒請求者からなされた懲戒請求を各弁護士会の綱紀委が審査(2)綱紀委が「懲戒処分の可能性が高い」と判断した場合、各弁護士会の懲戒委員会に審査を付す(3)懲戒委が懲戒するかどうかや処分の重さを判断する-という流れ。綱紀委から懲戒委に審査が付される割合は5%前後で、そのうち懲戒委の審査で実際に懲戒処分が下るのは6割前後とされる。
 アディーレは「過払い金返還請求の着手金を今から1カ月間、無料にする」などと期間限定キャンペーンのように宣伝しながら、実際は計5年近く継続的に実施。消費者庁は昨年2月、こうした宣伝手法は情報の受け手に有利さを錯覚させる景品表示法違反(有利誤認)に当たるとして、同様の宣伝をしないようアディーレに措置命令を出した。
この措置命令を受け、複数の懲戒請求者が、アディーレ本店や石丸弁護士、全国のアディーレの事業所で勤務する弁護士らを対象とする懲戒を請求していた。
 その結果、東京弁護士会が法人としてのアディーレと石丸弁護士を懲戒審査に付すことを決定。また、札幌弁護士会や神奈川県弁護士会もアディーレに所属する5人の弁護士(1人は既に退職)らについて「宣伝手法の違法性を指摘・是正させる弁護士としての職務を怠った」などとして、懲戒審査に付す決定をした。決定はいずれも昨年12月~今年2月になされた。
 アディーレは取材に「措置命令は遺憾で、大変申し訳なく思っている。東京弁護士会の懲戒委に当事務所と石丸の(懲戒処分は不適当とする)主張を斟酌(しんしゃく)していただきたい」と回答。一方、所属弁護士らについては「本店が行った宣伝について所属弁護士に責任はない。同様の懲戒請求がなされた30以上の弁護士会の綱紀委は『懲戒しない』との判断をしており、札幌・神奈川弁護士会の懲戒委でも同様の判断がなされると確信している」とした。
アディーレは全国に約80の事業所を展開し、所属弁護士は180人を超える。経営破綻した旅行会社「てるみくらぶ」の内定を取り消された新卒者を選考なしで採用すると表明したことでも話題を呼んだ。
 
引用
 
   産経新聞 4月3日 朝刊

 

 
 

 

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弁護士自治を考える会
サンケイ新聞のスクープです。
大手法律事務所第6位(所属弁護士数)にランキングされるアデーレ法律事務所、テレビCMなどでもお馴染みですが、品位を欠く広告であると東京弁護士会綱紀委員会他3つが懲戒相当と議決しました。
他にも札幌、神奈川、兵庫の弁護士会綱紀委員会が「懲戒相当」と議決しました。神奈川は法人も懲戒相当が出ました。全国の支店とアデーレ法律事務所の所属弁護士に懲戒請求を申し立てた懲戒請求者の方、ほんとうに、ご苦労様でした。
 
 
【昨年の報道】

 

アディーレ法律事務所に措置命令=着手金めぐり不当表示―消費者庁
時事通信 2月16日(火)15時5分配信

 

 消費者金融への過払い金返還請求などを全国で手掛ける弁護士法人「アディーレ法律事務所」(石丸幸人代表、東京都豊島区)が、着手金無料のキャンペーンを「1カ月限定」などと広告表示しながら、実際は5年近くにわたり続けていたとして、消費者庁は16日、景品表示法違反(有利誤認)で、同法人に再発防止を求める措置命令を出した。
消費者庁によると、同法人は完済している消費者金融業者への過払い金返還請求について、4万円の着手金を「1カ月限定で無料」などとホームページ上に掲載。実際には2010年10月~15年8月の約4年10カ月にわたり、同様の表示を続けていた。同年9月からは「期間限定」をやめ、恒常的な制度として表示している。
同庁の調査に対し、同法人は「1カ月ごとに(キャンペーン)継続の判断をしていたので、問題とは認識していなかった」と説明したという。
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        (画像はネットに公開されていましたのでお借りしました)
 
消費者庁ホームページ
 
過去に懲戒処分があります。
アデーレ法律事務所 懲戒処分の要旨
石丸幸人弁護士(東京)懲戒処分の要旨