札幌タクシー「大暴れ男」 30代弁護士の“エリート”素性と軽すぎる処分

 

 

11/13() 14:15配信

 

 
 

 

「このハゲーッ!」のインパクトには及ばずとも、「なめんなよ、くォらァ!」とタクシー車内で大暴れした半グレ兄ちゃんが、弁護士だったとは。ましてや書類送検で終わりとは――。

 
 * * *

 

 地元記者も呆れて言う。

116日夜11時半頃、札幌の繁華街ススキノからタクシーに乗った若い男と運転手が道順を巡ってトラブルとなりました。ドラブレコーダーには男が怒鳴りつけながら防犯ボードを蹴破り、料金も払わずタクシーを降りてからも、車に向かってものを投げつける様子なども残っていたんです。どこの半グレ男かと思ったんですが、まさか弁護士とは……」

テレビでも報じられた、その動画をご記憶の方も多いだろう。

「北3条東……」といってタクシーに乗り込む男。「北27ですね」と確認する運転手に、男は返事もせずにスマホを弄る。その後、「北3条東5丁目だけど」と言い始める男。「すいません」と謝って方向を変える運転手に、突然キレて――。

「東7丁目だって、こんな所通らないですよっ! おい! なにやってんだ! おいっ!」

助手席のシートを蹴りながら、声がせり上がっていく。

「なめんなよ! くォらァ! やんのか、てめえ!」

 男の脚は運転席のシートへと移り、防犯ボードを蹴り始め、ついに蹴破った。とても一般市民のやることじゃない。挙げ句、

「こんなカスに、金ないわ」

 と、990円の乗車運賃も払わずに去って行く――と、今度は車に向けてスマホを投げつけたのだった。お前の方がカスだろうと言いたくもなるが、これが弁護士であり、地元では結構なヤリ手として知られるセンセイだったというのだ。

 

 
 
社長弁護士

 

「道内屈指の伝統ある高校を卒業し、国立大学に。22歳で司法試験に合格し、大学院卒業後に東京の法律事務所で5年近く務めて、札幌に戻ります。半年ほど市内の法律事務所に勤めて独立。札幌弁護士会では役職も歴任しています。さらに民間企業の顧問弁護士ではなく、取締役などに立て続けに就任。自身もベンチャー企業を設立し、地域応援型のクラウドファンディングの社長になるなど、実業家として名を挙げていました」(地元記者)

 せっかく合格した司法試験もこれで水の泡――ザマアミロと言いたくなる方も多かろうが、ドッコイそうはいかない。現在、北海道警は器物損壊などの疑いで、本人から事情を聞いているが、共同通信は近く書類送検する方針だと報じた。

『弁護士自治を考える会』の市井信彦氏はあきれ顔で言う。

「警察では多少は絞られるかもしれませんけど、弁護士ですからね。書類送検されても、タクシー会社にはお金で解決。弁護士業務の方は、札幌弁護士会から言い渡されるのは23か月の業務停止、長くても1年でしょう」

札幌弁護士会は以下のような声明を会長名で発信している。

〈当会の会員が、タクシー乗車中、車内の器物を損壊する等に及んだことが報道されております。事実であれば、断じてあってはならないことであり、極めて遺憾というほかありません。当会としても、必要な情報収集を行い,会員の非違行為が確認できた場合には,厳正に対応する所存です〉

前出・市井氏は厳正な処分などないという。

「これまでだってもっと酷い弁護士がいましたが資格剥奪なんてのは稀ですからね」

 

 

 

悪徳弁護士列伝

 

 

 例えば、弁護士事務所を訪ねた営業マンに対し、
「バカヤロー! 本当にお前は無能だ! 商品の説明が出来ないヤツは失格だ!」
 と怒鳴りつけ、営業マンの胸ぐらを掴み、頭部、左ほほを殴るなどして、全治4週間の怪我を負わせた弁護士センセイの場合――
業務停止2カ月。

 酒に酔い、地下鉄ホームで駅員をいきなり殴った弁護士センセイ――業務停止1カ月。

 酔って警官に暴行、公務執行妨害で逮捕された弁護士センセイに至っては――処分なし。

 今回、札幌の半グレセンセイの場合、弁護士事務所のホームページやFacebookなどはすでに消されてしまっている。我々一般の会社員
ならば、とっくにクビだが、業務停止2カ月程度なら、人の噂も――って感覚かも。こんな男に弁護士の資格なし。

週刊新潮WEB取材班

 
資料 弁護士「暴行」懲戒処分例
 
札幌弁護士会会長声明