弁護士自治を考える会
弁護士の懲戒処分を公開しています。
日弁連広報誌「自由と正義」2017年11月号に掲載された弁護士の懲戒処分の要旨・処分変更の公告
第二東京弁護士会の伊東章弁護士が2017年5月25日に受けた業務停止3月が2017年8月23日に業務停止2月に変更になった要旨です。
既に業務停止3月の処分は終了しましたから。今になって停止期間が1月短くなりましたと言われても、あまり変わりがないのですが、審査請求とは所属弁護士会から業務停止を受けた弁護士が処分は不当であると日弁連に審査請求を求めて変更されたもの
処分変更の理由は
しかし、当委員会が審査した結果、原弁護士会の認定と判断に誤りはないが、対象弁護士の過失の程度等を考慮すると業務停止3月の処分は重きに失し、業務停止2月の処分を相当とする
詳しい理由が何も書いてありません。これでは、どの処分にもあてはまります。3月から2月に変更したのは、日弁連懲戒委員会の気分次第ということでしょうか?
弁護士(第二東京)業務停止3月 読売新聞都内版
第二東京弁護士会は25日、同会所属の伊東章弁護士(74)を業務止3か月の懲戒処分にした。発表によると、伊東弁護士は、会社
経営者の男性が病気で一時意識不明になっている間、会社を破産させて取引先を奪おうと計画した男性の仕事上のパートナーから
依頼を受け、債権者に「破産手続きの開始を申し立てるしかない」などとする通知を送ったとしている。同会は、伊東弁護士は積極的には計画に加担していないが、計画に気付かなかった重過失があると判断した。伊東弁護士は取材に対し、「重過失があったとの判断は不当で、すぐに異議を申し立てる」と話した
(変更前の懲戒処分の要旨)
懲 戒 処 分 の 公 告
東京弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1の規定により公告する
1 懲戒を受けた弁護士氏名 伊東 章
登録番号 12657
事務所 東京都豊島区西池袋1-29 伊東章法律事務所
2 処分の内容 業務停止3月
(平成29年8月25日 業務停止2月に変更)
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、長年、共同経営者として懲戒請求者と一緒に仕事をしてきたという間柄にあったAの言に従い、懲戒請求者の意思を確認することなく、Aが作成したものと知りながら、懲戒請求者、同人が代表理事を務めるB協同組合及び同人が代表取締役を務める株式会社Cの各委任状を取得し、2014年2月3日懲戒請求者らの債権者に対し懲戒請求者らの破産手続開始の申立を準備中である等の旨の介入通知書を発送した。
(2)被懲戒者はAらが懲戒請求者が心臓発作で倒れたことを契機として、懲戒請求者に無断で上記介入通知書を送付させ、その結果、B協同組合の従業員とC社所有の建物をそのまま引き継いで、上記介入通知書の発送時にAが代表取締役を務めていた株式会社DがB協同組合及びC社の業務を全て継承することを計画していたことについて、僅かな注意を払えば知り得たはずであったのにその注意を怠って認識せず、懲戒請求者の意思を何ら確認することあく上記経過の実現に結果的に寄与した。
(3)被懲戒者の上記(1)の行為は、弁護士職務基本規定第5条、第22条第1項及び第29条第1項並びに債務整理事件の規律を定める規程第3条第1項に違反し、上記各行為はいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。4 処分が効力を生じた年月日
20175月25日 2017年9月1日 日本弁護士連合会
裁 決 の 公 告 処分の変更
第二東京弁護士会が2017年5月25日に告知した同会所属弁護士 伊東章会員(登録番号12657)に対する懲戒処分(業務停止3月)について同人から行政不服審査法の規程による審査請求があり本会は2017年8月23日弁護士法第59条の規程により、懲戒委員会の議決に基づいて、以下のとおり裁決したので懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第3号の規程により公告する。
記
1 採決の内容
(1)審査請求人に対する懲戒処分(業務停止3月)を変更する。
(2)審査請求人の業務を2月停止する。
2 採決の理由の要旨
(1)審査請求人にかかる本件懲戒請求事件につき第二東京弁護士会は(以下「原弁護士会」という)は、審査請求人が①法律上有効とはいえない委任状を取得した上で、依頼者本人の意向を確認せず、代理人として依頼者の債権者に対し破産手続開始の申立を準備中である等の旨の介入通知書を発送したこと②依頼者と対立する者らの不正な計画を認識し得る立場にありながら、これを重大な過失により認識せず、依頼者の意思を何ら確認することなく同計画の実現に結果的に寄与したこと、がいずれも弁護士の品位を失うべき非行に該当するとし、業務停止3月の処分とした。
(2)しかし、当委員会が審査した結果、原弁護士会の認定と判断に誤りはないが、対象弁護士の過失の程度等を考慮すると業務停止3月の処分は重きに失し、業務停止2月の処分を相当とする。
3 採決が効力を生じた年月日 2017年8月25日 2017年11月1日 日本弁護士連合会