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東京弁護士会会報【LIBRA】2月号
 
ネットでも東京弁護士会の活動などを見ることができます。
東京弁護士会の会員が懲戒処分を受けた処分内容の公表もありますが、ネットでは公表していません。日弁連広報誌「自由と正義」の懲戒処分の要旨の掲載は、この後、約2月後になります。
懲 戒 処 分 の 公 表
本会は下記会員に対して、弁護士法第57条に定める懲戒処分をしたのでお知らせします。
           記
被 懲 戒 者     田 原 一 成(登録番号41118)
登録上の事務所     東京都中央区新富1-8-2
            東京イースト法律事務所
懲 戒 の 種 類   業務停止6月
効力の生じた日     2017年12月5日
懲戒理由の要旨
1、被懲戒者は、懲戒請求者が代表取締役を務める法人より2012年7月3日に自己破産申立事件を受任し、着手金60万円、実費25万円、合計85万円を受領した。
被懲戒者は、懲戒請求者の事件着手を求める度重なる要請に応じず、2015年11月頃には、連絡を取るのも困難な状況となった、懲戒請求者は
2016年2月27日に本件委任契約を解除し、同年3月9日に被懲戒者に対し支払った費用85万円、慰謝料100万円、弁護士費用10万円、合計195万円の支払いを求める民事訴訟を提起した。
被懲戒者は、請求棄却を求める答弁書を提出したのみで口頭弁論期日には一切出頭せず、2016年6月8日 懲戒請求者の要求とおりの判決が言い渡された。被懲戒者は上記判決を受けた後も現在に至るまで、懲戒請求者に対する返金をしていない。
2 被懲戒者の委任契約締結後、解除されるまでの3年半以上もの期間にわたる事件放置は、弁護士職務基本規程第35条及び第36条に違反する。
被懲戒者の懲戒請求者から本件委任契約を解除され即受領費用など195万円の支払を命ずる判決を受けたにもかかわらず現在に至るまで、懲戒請求者に返金を一切行っていない行為は、弁護士職務基本規程第45条及び預り金等の取扱いに関する会規第2条第2項に違反する。
これらの被懲戒者の行為は、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。              2017年12月26日             東京弁護士会長  渕上玲子
着手金等を受けて事件を放置、それでは依頼人から着手金等返して下さいと求められても返さない。依頼人は仕方なく裁判にしても弁護士は出頭しない。当然返還せよとの判決が下されても、金は返さない。ひどい内容です。
預り金の取扱いに関する会規には、事件毎の口座を開設して管理せよとあるだけです、このような弁護士が現れた場合に被懲戒者に代わって弁護士会が弁済するなどとは規程にありません。弁護士職務基本規程といのは業務の取扱いに関する指針のようなものですが、違反したら罰金であるとか、違反したら業界追放するぞということ罰則規定はありません。一般社会であれば、業界追放となる内容ですが弁護士業界では半年休めば復帰できるのです。すべて「弁護士自治」という名のお仲間の裁量で決められるからです。
弁護士職務基本規程