弁護士の懲戒処分を公開しています。
日弁連広報誌「自由と正義」に公告として掲載された弁護士の懲戒処分の要旨
第二東京弁護士会・伊達俊二弁護士の処分変更の公告
戒告から『処分なし』へ変更

 

戒告処分を受けて被懲戒者が処分は不服であると日弁連へ審査請求を出し認められたもの、この制度の問題点がひとつあります。
所属弁護士会に出した懲戒請求が綱紀委員会で棄却された場合、懲戒請求者は日弁連に異議申立ができます。(所属弁護士会が懲戒処分をしないのは不当である)
日弁連で懲戒請求者(異議申立者)の異議申立が棄却された場合、綱紀審査会に審査請求を求めることができます。
対象弁護士が、所属弁護士会で懲戒処分を受けた場合は日弁連(懲戒委員会)に審査請求をすることができます。(処分は不当)
日弁連で対象弁護士(審査請求人)からの異議が認められた場合、処分が取り消しになったり業務停止期間が短縮したり、退会命令が業務停止に変更されたりします。
問題は、日弁連の審査請求の審査には懲戒請求者は特別な場合を除き関係しません。
日弁連懲戒委員会で処分が取消になった場合、懲戒請求者は何もできません。
これで終わりです。
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(懲戒取消)
(懲戒処分を受け日弁連に審査請求を申立て処分が変更になるまでの日数)
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【変更される前の処分の要旨】
 

 

 
懲戒処分の公告
第二東京弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下の通り通知を受けたので懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規程により公告する
                記
1 処分を受けた弁護士
 氏名  伊達俊二   登録番号 19021
 事務所  東京都千代田区神田須田町2-6-2
 アップル法律事務所
2 処分の内容    戒告
3 処分の理由の要旨

 


被懲戒者はAから懲戒請求者に対する侵害賠償請求訴訟事件等について受任し20134月上記事件に関し職務上請求により懲戒請求者の戸籍全部事項証明書を取得したがAから知らされていたAらが従前に行った行為から知らされていたAらが従前に行った行為からすればAらがプライバシー侵害行為に及ぶ具体的な予見可能性があり、同年5月頃Aらとの打ち合わせの際に、懲戒請求者のプライバシーに対しより慎重な配 慮が求められていたにもかかわらず、上記戸籍謄本全部事項証明書の記載内容をAらに開示した。
その結果、上記記載事項を利用して懲戒請求者に対し隈怖を与えるメールを複数回にわたって送信するとともに懲戒請求者の母Bの自宅を訪れ、虚偽の事実を申し向けてBを隈怖させる行為に及んだ。
被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に「定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する
2016年5月23日 2016年9月1日日本弁護士連合会
 
平成30年4月13日 日弁連、審査請求で処分取消しとなりました

 

 
それでは、取消しされた処分の理由の要旨

 

裁決の公告(処分取消)
第二東京弁護士会が2016年5月23日に告知した同会所属弁護士伊達俊二
会員(登録番号19021)に対する懲戒処分(戒告)について同人から行政不服審査法の規程による審査請求があり本会は2018年3月13日弁護士法第59条の規程により、懲戒委員会の議決に基づいて、以下のとおり裁決したので懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第3号の規程により公告する。
 
             記
1 採決の内容
(1)審査請求人に対する懲戒処分(戒告)を取り消す。
(2)審査請求人を懲戒しない。

 

2 採決の理由の要旨

 

(1)審査請求人は依頼者Aから勤務先に対する懲戒解雇無効、地位確認請求、懲戒請求者に対する損害賠償、刑事告訴などの事件の依頼を受け、職務上請求により取り寄せた懲戒請求者の戸籍全部事項証明書を机上に置いてA及びB(以下「Aらという」)と打ち合せを行った。その後、Aらは、同証明書に記載された情報を利用して懲戒請求者に嫌がらせメールを送付し、あるいは懲戒請求者の実母を訪問して虚偽の事実を申し向けて懲戒請求者及び同人の実母に恐怖を与える行為に及んだ。
 
(2)第二東京弁護士会(以下「原弁護士会」という)上記設定に基づき、審査請求人にはAらが懲戒請求者らに対し上記行為に及ぶことにつき具体的予見可能性があり、戸籍全部事項証明書の取扱いにより慎重な配慮をすべきであったとして審査請求人を戒告の処分にした。
 
(3)しかし、審査請求人が上記全部事項証明書を利用して打ち合せを行ったことは、受任事件の事実関係の検討に必要な範囲内であり、弁護士として必要な業務を行ったものである。また、審査請求人は同種証明書を机上に置いて打ち合せを行っているが、その方法を不適切であるということはできない。
なお、原弁護士会は、Aらの「それまで行った行為の品性の下劣さを考えるならば、本件のごときプライバシー侵害行為に及ぶ具体的な予見可能性は」あったという。Aらの「それまでに行った行為」とは、Aらが懲戒請求者になりすまして同人の知人らにわいせつメールを送付した行為を指すが、Aらは当該行為等によって勤務先から懲戒解雇され、その解雇無効を主張して復職することを望んでいたところ、かかる者らが懲戒請求者にさらに嫌がらせメールを送付し、あるいは懲戒請求者の実母の自宅を訪問して嫌がらせを主張するAらには不利に働くもので、復帰を希望する者としては通常あり得ない行為であり、そのような行為は予見できなかったというべきである。
弁護士は戸籍全部事項証明書の職務上請求が認められた法の趣旨に鑑み、取り寄せた同証明書については、受任事件の業務に必要な範囲内で利用し、みだりに戸籍に記載された者のプライバシーを侵害することのないよう慎重に取扱うべきことは当然であるが、本件において審査請求人が職務上請求により取り寄せた懲戒請求者の戸籍全部事項証明書を利用して行った打ち合せは弁護士業務に必要な範囲を超えておらず、その利用方法も不適切とはいえない。またAらが懲戒請求者の戸籍の記載情報を利用して非違行為に及ぶとの具体的な予見可能性があったとはいえないことから、審査請求人が戸籍全部事項惣名所を利用して行った依頼者らとの打ち合わせに関し弁護士の品位を失うべき非行があったということはできない。
(4)したがって、審査請求人を戒告処分とした原弁護士会の処分を取り消して審査請求人を懲戒しないこととする。
3 採決が効力を生じた年月日  2018年4月18日
2018年5月1日  日本弁護士連合会