懲戒処分

不適切な対応で弁護士 奈良弁護士会 /奈良

 奈良弁護士会は19日、依頼人に適切な対応をしなかったなどとして、辻内誠人弁護士(47)を戒告の懲戒処分にしたと発表した。処分は13日付。

 弁護士会によると、辻内氏は依頼を受けて、推定相続人廃除の申し立てを行ったが、委任契約書を作らなかった。2015年5月に審判が出てもそのことを伝えず、依頼者が電話をしても連絡が取れなかった。
 また、別件の刑事告訴と損害賠償請求に関しても、委任契約書を作らず、依頼者に速やかな連絡を取らなかったとしている。
 市民苦情窓口に相談が寄せられたことがきっかけで発覚した。辻内氏は弁護会の事情聴取に応じていない。過去にも戒告の懲戒処分を受けており、今回が3回目の処分。

引用
毎日

『弁護士自治を考える会』
辻内弁護士3回目の戒告処分となりました。
奈良弁護士会は、他の弁護士会とは違い「戒告」処分でも記者発表することになっています。日弁連の懲戒処分の公表制度では、「戒告」の場合は新聞で氏名が公表された場合のみ、懲戒処分の問い合せに答えるようになっています。新聞で氏名が公表されない場合は、日弁連に懲戒処分の有無を聞いても、処分はありませんと答えます。
奈良では過去に大きな事件があったため戒告でも記者発表をすることになっています。
それでも、3回目でも戒告というのはいかがなものでしょうか?

日弁連懲戒処分公開制度 (有料)

(2009年より日弁連が弁護士の懲戒処分を公開しています)
過去3年間のみで、依頼する弁護士に懲戒処分があるかないかの調査です
申請者の情報も調査対象弁護士に伝わります。
懲戒処分があって依頼を断わる場合は理由書が必要
大変便利になりましたので皆様ご利用ください。
(有料1000円と消費税、郵送料 本人確認の印鑑証明等必要です)
申請書は日弁連からダウンロードできます
【必要書類】
1 申請書 住所 氏名 印
2 依頼する弁護士に懲戒処分が過去3年以内にあるかどうかのみ
3 依頼する事件の詳細を文書に書いて出す(離婚・破産など事件内容を詳しく)
4 約定書 懲戒処分があることを他に漏らさないことを約束したもの
5 本人確認書(印鑑証明書・免許証のコピー等)
6 弁護士に申請者から処分の照会があったことを告げる了解書
7 懲戒処分を知って依頼をしなかった場合の理由を文書
8 郵便代  手数料1000円(消費税別)
(注) 懲戒処分があるかどうかを調べるのは弁護士に事件の依頼をするときに限られます
 日弁連の公開システムの詳細(書式等)
https://jlfmt.com/2009/09/18/28288/

辻内弁護士の過去の処分と報道
【2回目の処分時】

着手金受け取りながら依頼人に不適切な対応 経過報告、法的助言怠る 弁護士(奈良)に2度目の懲戒処分

着手金を受け取りながら依頼人への適切な説明を怠ったなどとして、奈良弁護士会は14日、同会に所属する辻内誠人(まさと)弁護士(46)を戒告の懲戒処分にしたと発表した。処分は6日付。

 弁護士会によると、辻内弁護士は平成25年2月頃、遺産分割事件に関する手続き代理の依頼を受け、着手金20万円を受け取った。だが、依頼人への経過報告や審判後の不服申し立て方法についての説明、法的助言などを怠り、委任契約書も作成していなかった。 辻内弁護士は3月にも、依頼を放置したなどとして戒告の懲戒処分を受けている。同会の緒方賢史会長は「誠に遺憾であり、弁護士職務基本規定と弁護士倫理の順守を一層徹底したい」とコメントした。

引用サンケイ
 
【1回目の処分時の報道】

奈良弁護士会、依頼放置の弁護士を戒告処分

着手金を受け取りながら依頼を放置したなどとして奈良弁護士会は27日、同会に所属する辻内誠人弁護士(46)を戒告の懲戒処分にしたと発表した。処分は23日付。

 弁護士会によると、辻内弁護士は平成23年7月に傷害事件に関する損害賠償請求の依頼を受け、着手金70万円を受け取ったが、依頼人に促されるまで4年間放置。25年には、別の依頼人から認知症の母親の成年後見申し立ての依頼を受けたが、約3年間放置した。いずれも、作成するべき委任契約書を作成していなかったという。

引用 サンケイ
 

(1回目の処分の要旨)

懲 戒 処 分 の 公 告
奈良弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 懲戒を受けた弁護士
氏 名          辻内誠人
登録番号         33807
事務所          奈良市橿原市久米町
             橿原法律事務所
2 処分の内容      戒 告  
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は2011710日頃にAから依頼を受けてAが被害を受けた暴行傷害に関する損害賠償請求事件を受任したが委任契約書を作成しなかった。被懲戒者は20121129日、相手方代理人弁護士Bから上記事件についてAが主張する暴行態様を否定する回答が届いていたにもかかわらず、弁護士Bと特段の交渉を行わずAとも十分な協議をせず、また201410月頃、Aから上記事件の損害賠償請求権の消滅時効期間が経過する前に訴えの提起をするよう求められ、訴えを提起することを約束したにもかかわららず、Aの症状固定日である20124133年以上が経過した20151130日まで訴えを提起しなかった。
(2)被懲戒者は20136月頃、CからCの母親に関する成年後見申立事件を受任したが委任契約書を作成しなかった。被懲戒者は上記事件についてCと協議をせず、申し立てをしないでいる理由も説明しないまま、漫然と事件処理を放置した。
(3)被懲戒者は20136月頃、Cから離婚事件を受任したが、委任契約書を作成しなかった。被懲戒者はCとの間において離婚調停の申立てをすることを約束したにもかかわらず、Cと協議をせず、申し立てをしないでいる理由も説明しないまま、漫然と事件処理を放置した。
(4)被懲戒者の上記行為はいずれも弁護士職務基本規程第30条、第35条及び第36条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士として品位を失うべき非行に該当する。 4 処分の効力を生じた年月日 2017324
201771日 日本弁護士連合会
 
 
懲 戒 処 分 の 公 告
奈良弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 懲戒を受けた弁護士
氏 名          辻内誠人
登録番号         33807
事務所          奈良市橿原市久米町
             橿原法律事務所
2 処分の内容      戒 告  

3 処分の理由の要旨  
被懲戒者は2013年2月頃、懲戒請求者から審判手続移行後の遺産分割申立事件を受任したが、委任契約書を作成しなかった。被懲戒者は、上記事件を受任するにあたり、事件の方針や見通し等について懲戒請求者と十分な協議をした形跡がなく、上記事件係属中も経過報告や協議をしなかった。
被懲戒者は、同年9月9日に上記事件の審判が出た後、審判書を懲戒請求者に送付しただけで、上記審判の結果や不服申立方法についての説明をせず、懲戒請求者の意向の確認もしなかった。
また、被懲戒者は上記審判が確定した後も、懲戒請求者に対し、上記審判の結果に関し、懲戒請求者の今後の判断に必要となる法的助言を付した説明をしなかった。被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規程第30条、第36条及び第44条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分が効力を生じた日  2017年12月6日
2018年4月1日 日本弁護士連合会