県弁護士会に賠償命令 個人情報、不当漏えい地裁

7/20(金)横浜地裁

 神奈川県弁護士会が弁護士法に基づく照会を行った際、照会先に個人情報を不当に漏らされたとして、川崎市高津区の女性(52)が同弁護士会に140万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、横浜地裁であった。石橋俊一裁判長は同弁護士会の違法なプライバシー侵害を認め、10万円の支払いを命じた。

 判決によると、同弁護士会は2016年5月、会員弁護士の申し出を受け、横浜市の造園業者に女性側との取引の有無などを照会。その際、女性と家族の戸籍謄本を添付して造園業者に文書を送付した。

 女性側は、今回の照会で戸籍謄本を添付する必要性はなく、家族が複雑な養子縁組をしている事実が漏れ伝わったと主張。同弁護士会側は、照会目的が相続事案の調査だったため、相続関係を明らかにする資料の提示が欠かせない、などと反論していた。
一部 引用

神奈川新聞
弁護士自治を考える会
弁護士会 照会制度  日弁連ホームページより
弁護士会照会制度(弁護士会照会制度委員会)活動の概要

日弁連では、弁護士会照会制度委員会を設置して、弁護士会照会制度の充実・定着に取り組んでいます。

弁護士会照会とは、弁護士が依頼を受けた事件について、証拠や資料を収集し、事実を調査するなど、その職務活動を円滑に行うために設けられた法律上の制度(弁護士法第23条の2)です。個々の弁護士が行うものではなく、弁護士会がその必要性と相当性について審査を行った上で照会を行う仕組みになっています。

この制度によって得られた情報・証拠によって、事実に基づいた解決ができることになり、民事司法制度を支える重要な制度として機能しています。

弁護士会照会の受付件数は、2010年には、全国で年間10万件を超えるに至っております。

 弁護士会照会制度委員会では、このような重要な意義を有する弁護士会照会が適正に行われるように、制度の運用について研究を深めるとともに、不当な回答拒否が起きないように照会先の理解を得るように努めたり、また現行制度の問題点を検討し、「弁護士法23条の2」改正運動に取り組んでいます。

弁護士法第23条の2
第二三条の二 弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることを申し出ることができる。申出があつた場合において、当該弁護士会は、その申出が適当でないと認めるときは、これを拒絶することができる。
 弁護士会は、前項の規定による申出に基き、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
今回の判決によれば、不適切な照会、戸籍の取り寄せがあったとされ原告の請求の一部が認められました。弁護士会照会と職務上請求については、弁護士と弁護士会に運用が委ねられています。
弁護士がやることだから間違いないということはいえないということです。