東京弁護士会会報リブラに公表された弁護士の懲戒処分

東京弁護士会の会員が業務停止以上の懲戒処分を下された時に会報に公表されます。
後日、日弁連広報誌「自由と正義」に処分の要旨が公告として掲載されます。

 

懲 戒 処 分 の 公 表

本会は下記会員に対して弁護士法第57条に定める懲戒処分をしたのでお知らせします。

        記

被懲戒者    吉 原 紀 子

(登録番号39378)
登録上の事務所  

東京都目黒区洗足2-7-9

吉原法律事務所

懲戒の種類  業 務 停 止 3 月
効力の生じた日  2019年5月23日

       

 懲 戒 理 由 の 要 旨

被懲戒者は、懲戒請求者を原告とするA社に対する損害賠償請求事件を平成25年4月に受任し、平成26年4月に同請求訴訟を提起したが

1  平成26年7月から平成27年10月までの間の同訴訟事件における合計12回の弁論及び弁論準備手続期日のうち、7回の弁論準備手続期日に複代理人を選任することもなく出頭せず、また、裁判所から指示された書面を提出せず、これにより著しい裁判手続の遅延を招き、
2  依頼者である懲戒請求者へ事前に伝えることなく平成27年10月に、同訴訟事件の係属する裁判所に訴訟代理権消滅通知書を提出し、
3  同訴訟事件の受任後、懲戒請求者から従業員の横領事案の相談を受けたことから、平成25年5月に同訴訟事件の着手金を含むものとして懲戒請求者との間で月額顧問料を20万円とする顧問契約を締結し、平成25年4月から平成27年3月までの約2年間に、同訴訟事件の着手金等及び顧問料として総額300万円を受領したが、同訴訟事件における損害賠償請求額は976万3711円であるものの勝訴の見込みが84万0688円に過ぎず、また従業員の横領については簡易な告訴状の作成及び警察への付き添いをしたに過ぎず、懲戒請求者の事業規模、売上げ、被懲戒者が携わった業務内容に比して高額の顧問料等の報酬を請求し受領したものである。
これらの被懲戒者の行為は、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に当たる。

                      2019年5月24日

                     東京弁護士会会長 篠塚 力