弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2019年9月号に公告として掲載された弁護士懲戒処分の要旨・京都弁護士会・福岡壮一弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・職務を行い得ない事件の受任

弁護士職務基本規程(職務を行い得ない事件)
第二十七条 弁護士は、次の各号のいずれかに該当する事件については、その職務を行ってはならない。ただし、第三号に 掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
一 相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
二 相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの三 受任している事件の相手方からの依頼による他の事件
四 公務員として職務上取り扱った事件
五 仲裁、調停、和解斡旋その他の裁判外紛争解決手続機関の手続実施者として取り扱った事件
(職務を行い得ない事件)
第五十七条 所属弁護士は、他の所属弁護士(所属弁護士であった場合を含む)が、第二十七条又は第二十八条の規定により職務を行い 得ない事件については、職務を行ってはならない。ただし、職務の公正を保ち得る事由があるときは、この限りでない。

文中の所属する法律事務所の所長のF弁護士も同時に戒告処分されています。

(南聡弁護士 24271 京都 南法律事務所  戒告)

 

懲 戒 処 分 の 公 告

京都弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公告に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

                  記

1 処分を受けた弁護士    

氏 名 福岡壮一

登録番号 39125

事 務 所 
京都市中京区柳馬場通錦小路下ル瀬戸屋町463-2
南法律事務所     

2 処分の内容 戒 告

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、2015年2月6日、A会社の代表取締役であるBからA社のC会社に対する売掛債権の保全の方法に関する法律相談を受け、同月10日、BからA社を債権者、C社を債務者、C社の代表取締役である懲戒請求者Dを連帯保証人とする債務弁済契約書を送付されて、その内容につき問題がないかどうかの検討をし、その後、上記契約書に懲戒請求者Dの妻である懲戒請求者Eを連帯保証人にする項を付加した契約書案を作成し、これを公正証書の草案として同月23日付けでBに送付したにもかかわらず、C社らの代理人として同年3月20日、上記草案とほぼ同じ内容の公正証書の作成を公証人に委嘱した。
(2) 被懲戒者はC社の代理人として上記(1)の委嘱をしたにもかかわらず、A社の代理人として、被懲戒者の法律事務所の所長であるF弁護士を含む上記法律事務所所属の弁護士3名と共に2015年5月1日から同年6月8日にかけて、上記(1)の公正証書を債務名義としてC社の売掛債権4件について債権差押命令の申立をするなどし、またF弁護士と共に同年10月16日、上記(1)の公正証書に基づく保証債務履行請求権の債権者として懲戒請求者Fの破産手続開始決定の申立てをするなどした。
(3)被懲戒者の上記(1)及び(2)の各行為は弁護士法第27条第1号に、上記(3)の行為は同規程第22条に違反し、いずれも同法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分が効力を生じた日 2019年4月10日
2019年9月1日 日本弁護士連合会