弁護士の懲戒処分を公開しています。「日弁連広報誌・自由と正義」2019年10月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・福岡県弁護士会・真尾亮弁護士の懲戒処分の要旨
処分理由・預り金を返還しなかった。非弁提携
3回目の懲戒処分で退会命令となりました。3回目で退会命令は早いと思われる方もいますが、しかし2回目で退会命令を出しておけば被害者が増えなかったはずです。遅きに失したと言わざるを得ません。
2014年3月24日 業務停止1年
2018年2月13日 業務停止1年
2019年6月5日 退会命令
福岡県弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 処分を受けた弁護士 氏 名 真尾 亮 登録番号 18136
事務所 福岡県福岡市博多区中洲3-6-15會楽園ビル605号
中洲法律事務所
2 処分の内容 退会命令
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は懲戒請求者A及び懲戒請求者Bからそれぞれ受任した過払金返還請求事件に係る預金を懲戒請求者A及びBに返還しなかった。
(2)被懲戒者は、懲戒請求者Cから過払金返還請求事件を受任したが事件処理に直接関与することなく、非弁護士に担当させ非弁護士であることが明らかな者と提携した。
(3)被懲戒者の上記行為はいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分が効力を生じた日 2019年6月5日
2019年10月1日 日本弁護士連合会
2019年10月30日付官報 (弁護士登録取消)
9月10日 法17条3号 登録番号18136 所属会 福岡県 氏名 真尾亮
(2回目の処分)
1 処分を受けた弁護士氏 名 真尾 亮 登録番号18136
事務所 福岡県福岡市博多区中洲3-6中洲法律事務所
2 処分の内容 業務停止1年
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者はAに対して1995年から2000年まで4件の受任通知を発したが事件処理を行わなかった。
(2)被懲戒者は2013年8月から2015年11月までの28か月分の会費を滞納した。
(3)被懲戒者は2014年3月24日に所属弁護士会から業務停止1年の懲戒処分を受けたが、その業務停止期間中にBら数名の依頼者の分割弁済等の業務を怠った。
(4)被懲戒者は北九州市内の登録事務所以外に2015年8月頃から同年11月頃まで福岡市内にC法律事務所を開設し、また2016年2月から同年6月1日まで福岡市内にD法律事務所を開設した。
(5)被懲戒者はE株式会社に対して25名分の委任状を提出したが、依頼者の意思確認をしないまま提出した可能性が否定できず、またこれらの者と面談をせず、委任契約書を作成しなかった。
(6)被懲戒者はC法律事務所をFが実質的オーナーである有限会社Cの事務所の一画に開設し、家賃を負担せず、独自に事務員を雇用していなかったところ、「C法律事務所 事務長」なる名刺を所持しG社のホームページに「示談交渉や訴訟の額の助言も徹底サポート」等と掲載していたFに対する監督義務に違反した。
(7)被懲戒者は預り金について記録を一切残しておらず、依頼者に対して預り金の収支を報告しなかった。
(8)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第35条に、上記(2)の行為は所属弁護士会の会則第15条に、上記(4)の行為は弁護士法第20条第3項に上記(5)の行為は同規程第19条に上記(7)の行為は同規程第38条に違反し上記各行為はいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分が効力を生じた年月日 2018年2月13日2018年5月1日 日本弁護士連合会
(1回目の処分)
1 処分を受けた弁護士 氏 名 真尾 亮 登録番号 18136
事務所 九州市小倉北区 真尾法律事務所
2 処分の内容 業務停止1年
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は2010年12月20日Aの相続人であるB及び懲戒請求者か両者が成立させた遺産分割協議書に基づく生命保険金の支払請求、預金の払戻請求等及び懲戒請求者らに対するこれらの金員の分配を受任した。被懲戒者は2011年5月2日までに生命保険金550万円の支払を受け、同年12月6日に預金394万3651円の払戻しを受けた。
被懲戒者は懲戒請求者から分配金の支払を求められたにもかかわらず放置し2012年7月20日に懲戒請求者から分配金の支払請求訴訟を提起され訴訟係属中に合計575万5553円を支払ったがその余の残金を支払わず残金100万円等の支払いを命じる判決が確定した後の2013年6月3日まで支払わなかった。(2)被懲戒者は懲戒請求者と連絡が付かない旨の苦情が2011年4月頃から所属弁護士会に複数寄せられるようになり、所属弁護士会からの連絡にも応じなくなったが2012年8月1日にようやく面談に応じその後所属弁護士会は被懲戒者を支援する弁護士を決め、被懲戒者の受任事件の一部について処理を進めた。しかし2013年1月頃、再び被懲戒者と電話が繋がらない、依頼した事件の処理が手つかずになっているなどの苦情が所属弁護士会に寄せられるようになった。被懲戒者は所属弁護士会からの連絡になかなか応じず面談予定日になって体調が悪いので延期してほしい旨の連絡が被懲戒者の妻からあるなどした後、所属弁護士会が同年3月22日に同月24日までに連絡をすることを要請する文書を送付したにもかかわらず期限までに連絡をせず、その後も連絡をしなかった。(4)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規定第45条に違反し上記各行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。4 処分の効力を生じた年月日
2014年3月24日 2014年7月1日 日本弁護士連合会
非弁提携の研究