弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2020年3月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・福岡県弁護士会・後藤景子弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・辞任の時に依頼者への説明、連絡がなかった

弁護士職務基本規程

(信頼関係の喪失)
第四十三条 弁護士は受任した事件について依頼者との間に信頼関係が失われ かつ、その回復が困難なときは、その旨を説明し、辞任その他の事案に応じた適 切な措置をとらなければならない。
第五節 事件の終了時における規律
(処理結果の説明)
第四十四条 弁護士は委任の終了に当たり事件処理の状況又はその結果に関し 必要に応じ法的助言を付して、依頼者に説明しなければならない。

この懲戒は弁護士が依頼者に対しての説明、連絡がなかったとなっていますが、よく見てみますと、パワハラを受けたとする依頼者の希望とおりに裁判が進んでおらず、それに対して懲戒請求がなされたが、その請求についての判断は無く、懲戒が出て辞任した時の対応が悪かったという内容です。辞任の時や事件終了時の説明よりも事件受任時に依頼者にこの事件の、訴訟にした時の賠償額の見込みや見通し等を丁寧に説明しておけば懲戒を2つも出されなかったのではないでしょうか、

 

懲 戒 処 分 の 公 告

 福岡県東京弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士

氏名 後藤景子

登録番号 30734

事務所 福岡県北九州市小倉北区原町21-1-6 リーガルテラス103

弁護士法人女性総合法律事務所ラレーヌビクトリア 

2 懲戒の種別  戒告 

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は、パワーハラスメント等を受けているとする懲戒請求者から勤務先のA社に対する損害賠償事件を受任し、A社を被告として、2015年5月15日、損害賠償請求訴訟を提起したものの、2017年6月21日に懲戒請求者から懲戒請求がなされたため同月27日に裁判所に対し辞任届を提出の上、同日の期日の欠席をしたことから、この訴訟は同年7月27日に訴えが取下げが擬制され終局したが、懲戒請求者に対し、上記辞任届の提出及び期日の欠席を知らせず、また懲戒請求者が上記期日に出頭するかどうかなどの確認や取下げが擬制され、上記訴訟が終局する可能性があること等の説明をしなかった。

被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規程第43条及び第44条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2019年10月30日

 2020年3月1日 日本弁護士連合会