大阪弁護士会会員 白出博之会員
1 はじめに
2 中国法整備支援の実施状況
2019年9月30日、中国政府友誼賞をいただいた。「友誼賞」(Friendship Award)は、中国政府が中国の現代化建設と改革開放事業において突出した貢献をした外国専門家を表彰するために設けらた国家レベルの最高の栄誉賞であると説明されている。
その歴史的経緯は1950年代、新中国の建設に貢献した旧ソ連や東欧諸国からの専門家を激励するために設けられた賞項目として、周恩来首相等が10月1日国慶節の前夜に、特に貢献のあった外国専門家に対し感謝状を授与したのが前身であり、さらに1978年の改革開放以後における外国専門家の登用に伴い表彰活動が新たに展開され、1991年には国家外国専門家局が現行「友誼賞」を設置し、以後、毎年約50名の外国専門家が選ばれており、その専門分野は工業、農業、資源環境保護、教育科学技術、医療衛生、文化体育など多岐にわたる。
今回は世界31か国の外国専門家100名(日本人13名)に対して国務院、劉鶴副総理から友誼賞の記念メダルと賞状が授与され、その後に国務院、李国強総理との会見・講和等の記念式典が行われた。
例年に比し受賞者が多いのは、ちょうど建国70周年であり同時に改革開放40周年の筋目の年であることが関係する。日本人受賞者が比較的多いことは、日中関係改善の反映だけでなく、改革開放支援として開始された我が国の対中ODAに対する評価と感謝が看取できる。
私の場合、法整備支援プロジェクトの相手方機関である全国人大法工委からの推薦によるものだが対中ODA終了後の新時代における日中関係にふさわしい、法律分野における新たな交流・協力関係の構築に対する期待が込められたものと受け止めている。
日弁連及び各弁護士会の関係委員会はじめこれまで対中法整備支援にご協力ご尽力いただいた全ての皆さまに対して感謝を申し上げたい。
白出 博之 (しらで ひろゆき) | 弁護士法人なにわ共同法律事務所 | |||||||||||||
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