東弁会報リブラhttps://www.toben.or.jp/message/libra/
東京弁護士会の会報リブラに公表された弁護士懲戒処分の要旨、業務停止以上の処分を受けたときに公表されます。この後日弁連広報誌「自由と正義」にも処分要旨が掲載されます。3月号は3名の弁護士の処分が公表されています。
市川達也弁護士の懲戒処分の公表

処分理由・遺言執行事件の預り金の処理が不適切、東弁の調査に協力をしなかった。

懲 戒 処 分 の 公 表
本会は下記会員に対して弁護士法第57条に定める懲戒処分をしたので、お知らせします。

              記

被懲戒者 市川達也(登録番号26130)

登録上の事務所  東京都中央区銀座1-13-1ヒューリック銀座一丁目ビル4階  

市川法律事務所

懲戒の種類 業務停止1月

効力の生じた日 2021年1月17日

懲戒理由の要旨

被懲戒者は、2014年頃、遺言執行者代理人として受任した事件について2017年中には遺産の換価を終了したにもかかわらず、配分をおこなわないとして2019年6月7日、本会市民窓口に苦情の申立がなされたことを端緒に、同年7月10日本会から預り金等の取扱いに関する会規第9条に基づき、預り金及び預り預貯金の保管状況全般について照会を受け、回答を求められた。

にもかかわらず期限までにこれを全く回答せず、本会の調査に協力をしない。

被懲戒者の行為は同会規第9条及び第10条第1項に違反し、弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

本件は本会からの照会及び調査を全面拒否した事案であり、被懲戒者の対応は制度の全面否定に等しく、虚偽の回答をした場合に比べても、調査の端緒すら得られないという点で、同じ程度に悪質である。また預り金の保管という弁護士の信用の根幹に関わる業務について2013年5月に新たに本会規が制定された趣旨を没却するもので、弁護士として特に遵守しなければならない重要な会規違反として、業務停止とすることもやむ得ないと判断する。

2021年1月20日 東京弁護士会会長 冨田 秀実