日弁連広報誌「自由と正義」弁護士懲戒処分の要旨 2021年上半期厳選集ベスト10
2021年上半期、いろいろな懲戒処分がございました。弁護士会は不祥事に反省も無く対策も無く、甘い処分を出すだけです。東京弁護士会・第二東京弁護士会は懲戒処分件数を減らそうと個人を特定するもの、懲戒書を5部(東弁)を提出しなければ懲戒を受け付けないという「弁護士自治」を自分たちの都合の良いように好き勝手に運用を変えています。元々毎年申立ての約3%しか処分はありません。なんとか処分までなった中の上半期ベスト懲戒処分要旨を厳選しました。
① 1月号 セクハラは元大分県弁護士会長
弁護士法人の代表弁護士が事務員にセクハラし業務停止6月、セクハラ弁護士はすぐに登録抹消し処分できなかった。仕方なく法人を処分、気の毒にセクハラ弁護士の娘さん弁護士が代表で処分を受けた。元弁護士会長、報道時には元弁護士、大分県弁護士会としては最善の策?

報道がありました。

元弁護士がセクハラ 中津市の事務所6カ月業務停止

2020/09/19
県弁護士会は18日、清源(きよもと)法律事務所(中津市中殿町)の代表だった清源善二郎氏(66)が職員にセクハラを繰り返していたとして、同事務所を17日から業務停止6カ月の懲戒処分にしたと発表した。・・・

懲 戒 処 分 の 公 告 2021年 1月号

1 処分を受けた弁護士法人名称 弁護士法人清源法律事務所 届出番号 298 所属弁護士会  大分県弁護士会 所在場所 大分県宇佐市上田1001-10 

2 処分の内容 業務停止6月

3 処分の理由の要旨

被懲戒弁護士法人は当時被懲戒弁護士法人の代表社員であったA弁護士が2015年3月頃から2018年8月頃までの間、被懲戒弁護士法人の事務所に勤務していたBに対し、その職務上の地位を利用し、Bの意に反して複数回セクシュアルハラスメント行為を行ったがセクシュアルハラスメント被害の予防について適切な措置を採るべき義務があったにもかかわらず、これを漫然と怠りA弁護士がBに対して上記セクシャルハラスメント行為に及ぶことを看過した。4 処分が効力を生じた年月日 2020年9月17日 

② 1月号 児童をAV出演させた。戒告から業務停止1月 第二東京弁護士会

(報 道)

「戒告軽すぎる」AV出演助長の弁護士に業務停止処分 日弁連 
2020年11月16日 産経

日弁連は16日、アダルトビデオ(AV)制作業の男がAV撮影目的で女性を募集していると知りながら、やめさせなかったとして、第二東京弁護士会から戒告の懲戒処分を受けた菅谷幸彦弁護士の処分を、より重い業務停止1カ月に変更したと明らかにした。 日弁連は、職業安定法が禁じる「有害業務に就かせる目的での募集」に加担し、助長していたと認定。「若い女性の被害を生じさせており、戒告は軽すぎる」とした。

 日弁連によると、菅谷弁護士は平成24年、児童買春・ポルノ禁止法違反事件で弁護人を務めたのをきっかけに男と顧問契約を結んだ。男が未成年を含む女性をAVに出演させていたと認識しながら、やめるよう助言しなかったほか、出演を強要されたと主張した女性と男のトラブル処理にも従事した。 第二東京弁護士会が今年1月に戒告とし、懲戒請求者が異議を申し出ていた。引用産経 https://www.sankei.com/affairs/news/201116/afr2011160036-n1.html

 

懲 戒 処 分 の 公 告 2021年1月号

第二東京弁護士会が2020年1月20日付けでなし、2020年1月22日に効力を生じた被懲戒者に対する戒告の懲戒処分について、懲戒請求者から異議の申出があった。本会は、上記懲戒処分を変更して、以下のとおり懲戒の処分をしたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第6号の規定により公告する。

                   記
1 処分を受けた弁護士氏名 菅谷幸彦 登録番号 24173 事務所東京都港区赤坂2-2-21 永田町法曹ビル406 菅谷・来司法律事務所
2 処分の内容 業務停止1月
3 処分の理由の要旨 
(1)被懲戒者は2012年にAの児童ポルノ禁止法違反等の刑事事件の弁護人になった後、同年3月にAとの間で法律顧問契約を締結したが、同契約締結当初から、Aが成人男性向けのDVDに出演させるという本当の目的を隠し、コスプレモデル募集等の虚偽のウエブサイトを開設して、18歳、19歳等を含む女性を反復継続して募集していたこと、応募してきた女性に性交あるいは性交類似行為を伴うアダルトDVDに出演させていたことを認識していたにもかかわらず、顧問弁護士として職業安定法による規制について必要な調査を行わず、またこのような違法又は不正な募集行為をやめるようAに助言等することなく、法律顧問契約を維持し、Aが当該DVDに出演した女性の間で、強要されたという主張がなされてトラブルになった際には顧問弁護士としてその処理に当たるつもりでいたのであり、実際にもその処理に従事した。
(2)被懲戒者が職業安定法第63条第2号の規定を知らなかったとしても、Aの違法又は不正な募集行為に加担し、それを助長していたと認められ、被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規程第37条第1項に違反するのみならず、同規程第14条にも違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
被懲戒者の上記行為は、Aの違法行為に加担し助長して若年女性の被害を生じさせたものであり、また弁護士一般の社会的信用を著しく棄損する行為であり、戒告の懲戒処分は軽きに過ぎて不当であり、業務停止1月の懲戒処分に変更した。
日弁連懲戒委員会 処分変更 議決書(一部)

《異議申出の理由》異議申出人の本件異議申立理由は要するに対象弁護士の行為は、弁護士職務基本規程第37条のほかにも、同規程第14条に違反し対象弁護士は○○の違法行為を止めることもせず、結果的に被害を多数発生させたのであり、処分が不当に軽いということにある。弁護士職務基本規程 第14条(違法行為の助長)弁護士は、詐欺的取引、暴力その他違法若しくは不正な行為を助長し、又はこ(品位を損なう事業への参加)これらの行為を利用してはならない

《当委員会が認定した事実》1当委員会が審査したところ、下記の事実が認められる。

(1)対象弁護士は平成24年に〇〇の児童ポルノ禁止法違反の刑事事件の弁護人になった後、同年3月29日付けで、〇〇との間で法律顧問契約を締結したが、同契約締結当初から、〇〇が(ア)成人男性向けのDVDに出演させるという本当の目的を隠し、コスプレモデル募集等の虚偽のウエブサイトを開設して18才19才を含む若年女性を反復継続して募集していたこと(イ)応募してきた女性に、性交あるいは性交類似行為を伴うアダルトDVDに出演させていたことを認識していた。

(2)それにもかかわらず、対象弁護士は、〇〇の顧問弁護士として上記(ア)のような違法又は不正な募集行為を止めるよう〇〇に助言せず、その結果、〇〇は判断能力が十分とはいえない18歳等の未成年者をターゲットにして採用して、中には意に反してアダルトDVDに出演させられたという被害を訴える未成年者の被害者を生じさせた。

2 原弁護士会の多数意見では対象弁護士は〇〇が職業安定法第63条第2項に該当する違法行為である『公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者の募集を行っていた』という外形的事実を認識していたのであるから、〇〇の顧問弁護士として、同法による規制について必要な調査を行うべきであったにもかかわらず、これを行わず、○○に対して違法行為を止めることを助言しなかったことは、弁護士職務基本規程第37条第1項に反し、品位を失うべき非行に該当するが、職業安定法第63条第2項の規定を知らなかったので〇〇の行為が違法であるという認識を欠いていたと判断し対象弁護士を戒告処分とした。

3 しかしながら、対象弁護士は上記第3の1(1)(ア)の事実を知りながら〇〇に対しこのような違法行為又は不正な行為を止めるよう助言等することなく、平成24年3月に締結した法律顧問契約を維持し、また〇〇が当該DVDに出演した女性の間で強要されたという主張がなされてトラブルになった際には顧問弁護士としてその処理に当たるつもりでいたのであり、実際にもその処理に従事した。

したがって対象弁護士は職業安定法第63条第2号の規定を知らなかったとしても、○○の行っていた上記第3の1(ア)の違法行為は不正な募集行為に加担し、それを助長していたと認められ、対象弁護士の行為は、弁護士職務基本規程第14条に違反するものである。

《結 論》対象弁護士の行為は、〇〇の違法行為に加担し助長して若年女性の被害を生じさせたものであり、また弁護士一般の社会的信用を著しく棄損する行為であり、戒告の処分は軽きに過ぎて不当であり、変更せざるを得ないものがある。業務停止1月とするのが相当である。

③ 1月号 ついに派閥の金を横領した弁護士 大阪

ついに派閥の預り金を横領した弁護士現る。依頼者の預り金も当然横領して逮捕され有罪判決、派閥には一番に全額返済した。見舞金制度で賠償したと思われますが、派閥の預り金の返還を後回しにすればどうだったのでしょうか

懲 戒 処 分 の 公 告 2021年1月号 大阪弁護士会

1 処分を受けた弁護士氏名 吉村卓輝 登録番号 39169 グリーン法律会計法律事務所 

2 懲戒の種別 退会命令  

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は、所属弁護士会の会派の一つである懲戒請求者の会計担当副幹事長として、懲戒請求者の会員弁護士全員のために、懲戒請求者の預り金を保管していた口座の金銭を業務上預かり保管する立場であったにもかかわらず2017年5月30日から2018年2月14日までの間、上記口座から41回にわたり合計1975万8000円を、自己の使途のために払戻して無断流用した。4処分が効力を生じた日 2020年9月15日 

④ 2月号 詐欺容疑者に親切な弁護士 東京
報道がありました。
詐欺容疑者教示で出資募る、弁護人が接見室からメール

弁護人を務めた詐欺事件の容疑者から指示され、架空会社への出資を募るメールを送信したとして、東京弁護士会は9日、所属する牧野孝二郎弁護士(33)を業務停止2カ月の懲戒処分とした。メールの受信者は容疑者が管理する口座に現金500万円を振り込み、詐取された。 弁護士会によると、牧野弁護士は平成28年5月、警視庁築地署で容疑者と複数回接見。容疑者のパソコンを持ち込み、指示通りに架空の特定目的会社(SPC)への出資を呼び掛けるメールを送信した。指示に従った理由は不明という。 弁護士会は「詐欺行為を知りながら加担したとまでは認められないが、結果は重大」と判断した。牧野弁護士と被害者の間で、既に示談が成立したとしている。引用 産経 https://www.sankei.com/affairs/news/201009/afr2010090024-n1.html

弁護士自治を考える会 2021年2月号

1 処分を受けた弁護士氏名 牧野孝二郎 登録番号 47177 事務所 Kiitos法律事務所 

2 懲戒の種別 業務停止2月 

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は、2016年5月16日、詐欺被疑事件の被疑者Aの私選弁護人に選任されたところ、Aからの逮捕勾留知られたくないとの要望を受けて、Aが逮捕される以前から架空の会社への追加出資として500万円が必要であるとAから伝えられていた懲戒請求者に対し、同月31日までの間、警察署の接見室内にAのパソコンを持ち込み、Aのメールアカウントを使用してAを装ってAの所在について積極的に虚偽の事実を送信し、またAから要望を受けてAに上記架空の会社について支払を求めるメール等を送信し、その結果、懲戒請求者は架空の会社への出資金として500万円をA名義の銀行口座に振り込んだ。4処分が効力を生じた日 2020年10月9日 

⑤ 新興勢力が一人前になるためには一度は・・・業務停止6月はきついけど影響なしだって! 東京

ミライオもアデイーレも新興事務所は処分を受けて大きくなっています。しかし業務停止6月は過去最高だが影響ないと!?・・・

弁護士法人ベリーベスト法律事務所に対する業務停止について  2020.03.12

ベリーベスト法律事務所は通常通り営業をしております。

2020年3月12日に弁護士法人ベリーベスト法律事務所、および弁護士酒井将、弁護士浅野健太郎(いずれもベリーベスト虎ノ門法律事務所所属)が、東京弁護士会から業務停止6カ月の処分を受けました。ベリーベスト法律事務所は、ベリーベスト弁護士法人および弁護士法人VERYBESTによって構成されており、上記の弁護士法人ベリーベスト法律事務所、弁護士酒井、弁護士浅野とは、別の法律事務所です。従って、当事務所(ベリーベスト弁護士法人)とご契約されているお客様の案件については、何の影響もありませんので、ご安心ください。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

懲 戒 処 分 の 公 告 2021年3月号

1 処分を受けた弁護士氏名 酒井 将 登録番号 29986 事務所 ベリーベスト虎ノ門法律事務所 

2 懲戒の種別  業務停止6月  

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は、弁護士法人Aの代表社員として、弁護士法人Aが2014年12月25日から2017年3月31日までの間、報酬を得る目的で業として訴額が140万円を超える過払金返還請求事件を周旋していた司法書士法人Bから継続して上記事件の紹介を受け、少なくともその対価を含むものとして1件当たり19万8000円を支払ったことにつき、その決定をした。4処分が効力を生じた日 2020年3月12日 

東弁会報リブラ2020年4月号 懲戒処分の公表
被懲戒者     酒井 将   (登録番号 29986) 浅野健太郎  (登録番号 30001)
         弁護士法人ベリーベスト法律事務所 (届出番号486)
登録上の事務所  東京都港区虎ノ門5-3-14 日産研会館2階
         ベリーベスト虎ノ門法律事務所
懲戒の種類    上記被懲戒者いずれも業務停止6月
効力の生じた日  2020年3月12日
懲戒理由の要旨

1 被懲戒者弁護士法人ベリーベスト法律事務所(以下「被懲戒法人」という)は、司法書士法人新宿事務所(以下「新宿事務所」という)から2014年12月25日から2017年3月31日までの間、簡易裁判所の事物管轄である訴額140万円を超える過払金請求事件(以下「140万円超過事件」という)の紹介を受け、新宿事務所に対して1件につき一律19万8000円(消費税込)になっている。また期間内に新宿事務所から被懲戒法人に紹介がなされた案件数は月に300件を超え、全期間の合計で7000件ないし8000件に達し、反復継続して大量の140万円超過過払事件が紹介された。2 被懲戒者酒井将(以下「被懲戒者酒井」という)は被懲戒法人の代表社員として新宿事務所との間で業務委託契約を締結すること及び140万円超過過払事件の紹介を受けたときは、1件につき19万8000円を新宿事務所に支払うことを決定し、現に支払っていた。3 被懲戒法人が新宿事務所から140万円超過過払事件の紹介を受け、新宿事務所に対して1件につき19万8000円の紹介料を支払う行為は、弁護士職務基本規程(以下「基本規定」及び弁護士法(以下「法」という)第27条(非弁護士との提携の禁止)法第30条の21(弁護士の義務等の規定の準用)に違反し法第56条第1項の品位を打足なうべき非行にあたる。また、被懲戒者酒井及び被懲戒者浅野は、被懲戒法人の代表社員として、被懲戒法人の上記行為について決定をしたものであり、これは法第56条第1項の品位を失うべき非行に当たる。4 被懲戒法人らは、19万8000円は、事件紹介や周旋の対価ではなく、新宿事務所から引き継ぐ成果物の対価及び訴状等裁判所作成支援業務の対価であり、新宿事務所にすれば、司法書士が合法的になし得る実体のある業務の合理的な対価であると主張する。しかしながら、① 被懲戒法人が新宿事務所に業務委託をし。その成果物の引継がなされたとは認められない。この成果物は新宿事務所が受任したことにより自己の業務に基づき作成されたものであること② 従って、新宿事務所と依頼者との間でこの対価が発生しておりその間で清算が行われるべきであり、当該依頼者に無断で被懲戒法人が新宿事務所に対して対価なるものを支払うべき筋合いではない。かくして、被懲戒法人が依頼者から弁護士報酬を受け取ってない段階で、新宿事務所に対して一定の金員の支払をすることは事件の紹介に対する対価であるか、仮に他の趣旨が併存しているとしても少なくとも事件紹介の対価が含まれていることは否定できないこと③ 弁護士への事件紹介は無償であることが原則とされ、弁護士が事件屋から事件を受任することが禁止されている現行懲戒制度の下では、第三者が事件及び依頼者を対価の支払を伴う取引の対象とすることは禁止されているのであって、本件でも19万8000円が成果物の譲渡の要素のみから含まれているとみるべきこと④ 新宿事務所と依頼者の間では、成果物に係る業務については無償であることが委任契約書に明記されているので、依頼者は新宿事務所に19万8000円を支払う義務があるとは認識しておらず、また新宿事務所も被懲戒法人も依頼者に対して、被懲戒法人から新宿事務所に19万8000円の支払がなされていることを説明し、同意を得ていた事実はなく、依頼者の知らないところで金銭授受が行われていたこと、⑤ 本件スキームは市民の権利救済という美名の下で、結果として事件紹介業をビジネスとして成立させてしまう危険性があり、弁護士がこれに加担する結果を招くことになって、許されないものであること、⑥ 裁判書類作成業務の委託についてもその必要性の疑義があり合理性が認められないこと⑦ 被懲戒法人が主張する対価の相当性についても疑念があること⑧ 被懲戒法人は、いわゆるワンストップ・サービスを提供したものとして、基本規程第12条の報酬分配規制の例外としての「正当な理由がある場合」に該当して許容されると主張するが、正当な理由による報酬の分配とは到底認められないこと、⑨ 依頼者の金銭負担が増えていないとは必ずしも評価されず、⑩ ガイドライン等が制定されていないことと本件取引の成立は何ら関係なく、明らかに基本規程第13条第1項に違反するものであること等の事実からすれば、被懲戒法人らの主張には理由がない。また、法第27条違反についても新宿事務所は、法72条後段の構成要件である①周旋行為を②業として、③報酬を得る目的で行っている。ただ、認定司法書士を法第72条にいう非弁護士として断定してよいか議論があるところではあるが、法第72条但し書きの反対解釈として認定司法書士の周旋については、非弁護士と言わざるを得ない。被懲戒法人らは、新宿事務所から案件の紹介を受けることにより訴訟提起をして(紹介案件の70%から80%の割合)貸金業者から平均360万円程度の回収を行い、平均して96万円の弁護士報酬を取得した。このうち20%に相当する金員を新宿事務所に支払っている。本件の被懲戒法人らの行為は紹介先が140万円超過払事件につき代理権を有しない司法書士からの紹介案件であることを考慮しても、その規模においてこれまでの非弁提携案件と比較して非行性が強いものである。結果的には90万円強の弁護士報酬を獲得するために、紹介料を支払い、事件の買取りをしていたと評価することができ、強い非難を受けることはやむを得ないところである。懲戒請求後、被懲戒法人の業務活動を事実上停止させ第二東京弁護士会に新たに弁護士法人を設立して支店(従事務所)を移動して活動するなど、「懲戒逃れ」と見られてもやむを得ない行動もしている。その一方で、被懲戒法人らの業務そのものは、前件訴訟提起を原則に、依頼者の利益のために極大回収を目指してしたこと、依頼者に紹介料を全額転嫁しているとまでは認められないこと、司法書士が受任できない140万円超過払事件の依頼者を放置できないと考えた動機にも斟酌できるものがあること、依頼者から被懲戒法人らの業務についてのクレームが本会に多数寄せられているまでとは言えないこと等、被懲戒法人らに有利な事情も認められる。以上の事情を総合的に考慮して上記懲戒の種類とした。2020年3月12日 東京弁護士会会長 篠塚 力

⑥ 4月号 懲戒処分月数王者が業務停止3月を受け更新 東京

笠井浩二弁護士 処分歴

①2008年4月   業務停止1年6月 (当初業務停止2年)

②2009年11月  業務停止1年6月  (当初は業務停止2年)

③2011年8月   業務停止2年   

④2013年11月  業務停止6月   (当初は退会命令)

⑤2014年10月  業務停止10月  

⑥2018年10月  戒告      

⑦2021年4月  業務停止3月   

処分件数 7件  業務停止月数 79か月  

① 2008年4月 東京都港区西新橋1弁護士ビル  笠井角田法律事務所  

② 2009年11月東京都港区西新橋1弁護士ビル  笠井角田法律事務所  

③ 2011年8月 東京都千代田区外神田      笠井法律事務所   

④ 2013年11月 東京都新宿区西新宿4           笠井法律事務所    

⑤ 2014年10月 東京都板橋区南町           笠井法律事務所   

⑥  2018年6月 東京都新宿区2-9-23SVAX新宿9階 御苑法律事務所   

(引越し王佐々木寛元弁護士の8回目の引っ越し先)

 ⑦ 2018年7月 東京都新宿区大京町4-4-101-2    街の灯法律事務所

⑧ 東京都千代田区神田小川町3-28-9 三東ビル7階B   街の灯法律事務所

2021年4月29日

⑨ 東京都港区虎ノ門2-5-18-201 FirstA虎ノ門      街の灯法律事務所

懲 戒 処 分 の 公 告 2021年4月号

1処分を受けた弁護士 氏名 笠 井 浩 二  登録番号17636 事務所 東京都港区虎ノ門2-5-18-201 First-A虎ノ門 街の灯法律事務所  

2処分の内容  業務停止3月 

3 処分の理由の要旨  

被懲戒者は2016年9月頃、懲戒請求者からA及びBを相手方債権者とする各債務整理事件を受任したところ、Aを相手方債権者とする債務整理事件については2017年7月11日付け辞任通知をAに送付し、その翌日頃、Cを介して上記辞任通知を発送した旨の事実を懲戒請求者に伝えたものの、Bを相手方債権者とする債務整理事件については辞任を通知せず、委任関係が終了していないにもかかわらず、被懲戒者の下で勤務していた事務職員Dが懲戒請求者から不動産売買代金の一部として受領した588万5000円についての返還に関し、同年9月頃Dから懲戒請求者を相手方とする交渉事件を受任し、懲戒請求者との間で複数回、書面のやり取りによる交渉をした。4 処分が効力を生じた年月日 2020年11月13日 

⑦ 5月号 あなた私に指図するつもり、なら金を払いなさい 佐賀

弁護士様に向かって偉そうに指図するな、、私の仕事に注文をつけるなら年間30万円出せ!ということで戒告、

懲 戒 処 分 の 公 告 2021年5月号

1 処分を受けた弁護士

氏 名    芳中美知子  職務上の氏名 甲木美知子 登録番号 34064 事務所 かつき美知子法律事務所 

2 懲戒の種別  戒 告  

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は、2019年6月11日Aから、懲戒請求者とその子らとの面会交流の調整に関する事件等を受任し、Aの代理人として懲戒請求者と面会交流の日時、場所等の調整を行っていたところ、懲戒請求者が被懲戒者に対して、調整のやり方、考え方をよく理解していただきたい等記載したFAX文書を送信してきたことから、懲戒請求者に対して、懲戒請求者の予定を事前に聞いて面会交流の日程の調整を行えというのであれば、年間契約料として30万円を支払うよう求める旨記載し、振込先として被懲戒者を名義人とする預り口口座を指定した通知書を送付した。4処分が効力を生じた日 2020年11月11日 

⑧ 5月号 約束が違う、変化する報酬  兵庫

離婚事件の報酬に関して

70万円~80万円 当初、100万円超えることはないと弁護士説明

       ↓

217万7000円請求!をした!。

       ↓

174万円にしてもいいよ。217万だけど174万でもいい(弁護士から紛議調停申立)

       ↓

347万3000円にする。すぐ返事しないから裁判にする。金額は347万円にしたよ。

       ↓

412万1000円にする。もうちょっと増額しておこう

       ↓

判決 84万円 !!

懲 戒 処 分 の 公 告 2021年5月号

1 処分を受けた弁護士氏名 筧宗憲 登録番号 17854 事務所 兵庫県丹波篠山市大沢2-10-1 弁護士法人筧法律事務所篠山事務所 

2 懲戒の種別  戒告  

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は、同人が代表弁護士である弁護士法人Aとの間で、2013年11月26日に締結された離婚訴訟の委任の契約書では報酬金について懲戒請求者の得た経済的利益の15パーセントとするとされ、経済的利益の額はA弁護士法人の弁護士報酬基準に定める方法によって算出するとされていたものの、委任契約の際に、事件を担当するB弁護士が、報酬金について70万円から80万円で多くても100万円を超えることはないとの説明を行い、A弁護士法人側から上記報酬基準によって経済的利益を算出するとの説明がなされた事実もなく、またA弁護士法人の弁護法人の弁護士報酬基準が提示された事実も認められず、報酬金額については70万円から80万円程度あるいは、後の判決で相当とされた84万円程度が適正かつ妥当であったにもかかわらず、上記離婚訴訟について和解が成立し、その和解に係る離婚訴訟、離婚反訴事件及び損害賠償請求事件の3件を対象として、上記弁護士報酬基準に基づいて報酬金217万7000円を請求した。

また被懲戒者は2016年11月30日に懲戒請求者から電話で、上記報酬金の請求書について、上記B弁護士の説明と異なることを指摘され確認を求められたのにこれを行わず、契約書どおりにするしかないと言って、紛議調停を申し立てる意向を示しB弁護士への確認を経ない段階で上記の電話の1回だけの交渉で同年12月1日に所属弁護士会に紛議調停を申立てその第2回期日において、報酬金を174万円とする解決案を提示し、懲戒請求者がこれを持ち帰って検討するとしていたにもかかわらず、次回期日を待つことなく2017年2月23日に一方的に紛議調停の取り下げ書を提出し、同年3月3日付けで報酬金347万3000円に増額した報酬請求訴訟を提起し、その後、委任契約当事者がA弁護士法人であることを指摘されA弁護士法人を原告として同年4月17日報酬金額412万1000円にさらに増額した報酬請求訴訟を提起した。4処分が効力を生じた日 2020年12月16日 

⑨ 6月号 別れた二人が「自由と正義」で再開 第二東京

猪野雅彦弁護士と中山雅雄弁護士の処分要旨、となりに並んでます。なぜ日弁連はこのお二方をならべたのでしょうか?

猪野雅彦弁護士の登録番号は28946、中山雅雄弁護士の登録番号は28947です。同期の一番違いです。元々新橋のキムラヤ大塚ビルにあったのは猪野雅彦弁護士の雅法律事務所でした。猪野先生は4回の処分がありますが3回はこの新橋1キムラヤ大塚ビル8階です。お名前に「雅」が付く同期の仲良し中山雅雄弁護士を迎えて二人事務所の時もございました。もうありませんが雅法律事務所ホームページの画像

残念ですが、事情があって猪野雅彦弁護士は自身が創立した雅法律事務所を離れ新たにワールド・レップ法律事務所を立ち上げ、すぐに閉鎖し現在はRING法律事務所になっています。中山雅雄弁護士は猪野先生が去られて一人で裕綜合法律事務所を立ち上げます、それでは寂しいと猪野雅彦弁護士の大親友の懲戒処分8回(現役2位)のレジェンド第一東京弁護士会の横内叔郎弁護士(16690)を同じフロアーにお招きしています。同じ室内に裕綜合法律事務所(二弁)横内法律事務所(一弁)がシェアしているのです。しかし猪野先生と中山先生の仲良し二人が離れ離れになったのです、この度「自由と正義」6月号に仲良く並んで処分要旨が掲載されました。なんという運命なのでしょうか!しかも同じ詐欺行為を助長する行為、事務所は別々になっても依頼人は同じだったのです。

懲 戒 処 分 の 公 告 2021年6月号

1 処分を受けた弁護士氏名 猪野雅彦 登録番号 28946 事務所 RING法律事務所

2 懲戒の種別  業務停止2月  

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は、ウェブサイト運営者Aの訴訟代理人として、Bに対しウェブサイトの利用代金を請求する訴訟を提起するに当たり、懲戒請求者がBの代理人としてAに通知していた内容等から、上記訴訟の提起がAの詐欺的取引を助長することに当たる可能性を認識すべき状況にあったのだから、Aに対して資料を徴求する等して事実関係を検討した上で、Bの主張に反証できる可能性が相当程度存在すると判断できなければ訴訟提起の受任には消極的であるべきであったにもかかわらず、十分な調査を行わないまま、2016年11月21日、Bに対し訴訟を提起してAの違法行為を助長した。4 処分が効力を生じた年月日 2020年10月30日 

懲 戒 処 分 の 公 告 2021年6月号

1 処分を受けた弁護士氏名 中山雅雄 登録番号 28947事務所 東京都港区新橋1-18-19 キムラヤ大塚ビル8階 裕綜合法律事務所 

2 懲戒の種別  戒告  

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は、A弁護士が2016年11月21日にウェブサイト運営者Bの訴訟代理人として、Cに対して提起したウェブサイトの利用代金を請求する訴訟の第一審判決において、Bによる請求が詐欺的取引に基づくものであることが示されていたのだから、Bの請求が違法行為でないことを確認する義務を負い、その請求が詐欺的取引ではないかとの懸念を払拭するような調査結果を得ていなかったのに、Bの代理人として、上記訴訟の控訴審を追行し、また、控訴棄却判決に対して上告してBの違法行為を助長した。処分が効力を生じた日2020年11月2日 

⑩ 第二東京弁護士会に謀反の企てか!?3人の侍が立ち上がった!? 第二東京

日弁連広報誌「自由と正義」5月号・6月号に弁護士会の倫理研修に参加しなかったという理由での処分要旨が3名の続けて掲載されました。この種の理由での処分は過去に1件もありませんでした、しかも3名とも第二東京弁護士会。

舟木亮一弁護士 登録番号22709 戒告 処分日 2021年1月23日

前田倫宏弁護士 登録番号25925 戒告 処分日 2021年1月27日 

山川明憲弁護士 登録番号25728 戒告 処分日 2021年2月6日

決して偶然ではありません。3人の弁護士が志を一つにして研修なんかクソくらえ!と研修に参加しなかったのです。3人は絶対確信犯です。(処分要旨は3名ほぼ同じ内容)

処分の理由の要旨

被懲戒者は、所属弁護士会において2012年4月1日から1年以内に実施される倫理研修を履修すべき義務があったにもかかわらず履修せず、翌年度以降の所属弁護士会の倫理研修も履修しなかった上、所属弁護士会の倫理委員会から研修に参加しない理由書や弁明書の提出を求められてもこれを提出せず、また所属弁護士会の会長から2017年3月30日付け勧告書にて2017年度の倫理研修の履修を勧告され、さらに2018年6月4日付け通知書にて同年7月5日実施の倫理研修の履修を、同年12月6日付け通知書にて2019年1月21日実施の倫理研修の履修を命じられたが、いずれも履修しなかった。被懲戒者の上記行為は倫理研修規程第3条第1項及び所属弁護士会の会則第19条の3第1項に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。