日弁連「死刑廃止決議」無効訴え退ける 京都地裁

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産経 https://www.sankei.com/article/20210826-XAHK3MB4D5PTNLR2DOZVWXR5GI/

弁護士自治を考える会
死刑反対は日本の弁護士の創意であるかのように言われています。日弁連は死刑執行があるたびに死刑反対の会長声明を出します。弁護士になるため弁護士として業務を行うためには日弁連に登録しなければなりません。強制加入です。会員の思想信条、自由な意見、自由な心情は言えません。弁護士であれば、死刑に反対しているこということになります。日弁連総会でも私は死刑は必要であるという意見を言う弁護士がようやく出てまいりました。死刑は必要であるという声の方が多いのではないでしょうか、犯罪容疑者から事件の依頼を受けるためには死刑求刑を無期懲役、無罪にしたことが優秀な弁護士であるという認識かもしれませんが、世間の常識とは違うということを日弁連執行部は知らねばなりません。そして会員弁護士の自由な見解、自由な発想を日弁連は会員に保証すべきです。
日弁連定期総会2019 質疑応答

2020年の日弁連総会は7月30日日弁連ビル「クレオ」で開催される予定です。新型コロナ感染第二波の影響と事務総長が陽性となりましたので開催されるかは微妙ですが、日弁連HPで昨年の定期総会に於いて会員からの質問が公開されています。一部ですが掲載します。

会長退職金問題

(質問)来年度の予算に関し、会長については退職金が予定されている。退職金だけでなく賞与も出ると認識している。これは常勤だからという説明を聞いたことがあるが、今、副会長もほぼ常勤に近いと聞いている。しかし、非常勤という形式上のことで退職金は出ない、賞与も出ない。これは業務量を考えると、副会長がかわいそうではないか。副会長にも賞与や退職金を導入する考えはあるか。」

(回答)副会長の報酬の点については、副会長の報酬だけでなく、総次長その他弁護士嘱託の先生方も非常にたくさんいるため、それらも含めて検討することになると思う。御意見として承る。」

会長給与 月額100万円 賞与6か月分 年2回 副会長 月額50万円

会長は年間2400万円の給与、副会長は所属の弁護士会の会長を兼ねている場合もあり所属弁護士会から給与が出ている場合があります。(官報公告では報酬ではなく給与)

死刑廃止実現予算問題

質問(第一東京) 「死刑廃止実現本部の予算2,800万円についてお聞きしたい。死刑制度の存否について、会員の中に顕著な意見の対立があるにもかかわらず強制加入団体である日弁連が死刑廃止実現のために行動することは、加入を強いられている。死刑存置論者からの会費を使って死刑廃止活動を行うことに他ならない。そのようなお金の使い方をしてほしくない。執行部には、死刑存置の意見の会員がいることを踏まえた予算措置を講じるよう強く求める。

質問(東京) 「日弁連は、全国の弁護士会に死刑廃止について、弁護士会の総会決議をするように求めているが、死刑廃止の決議を実施した弁護士会はいくつで、どの弁護士会か。否決をした弁護士会も聞いているが、京都と埼玉、その他にあるか。現時点において、弁護士会でそのような総会決議があまりされていない理由について日弁連でどのように考えているか。
死刑存廃について、実現本部としてはもはや死刑廃止を目指すという結論しかあり得ないということか。全国キャラバンで議論を深めた上で、その結果死刑制度は存続するとか、あるいは世論に委ねるべきだとか、そういった選択肢は採り得るのか。私の近しい会員から言われたことであるが、知人や親族と顔を合わせるたびに日弁連が死刑廃止を掲げていることについておかしいのではないかと問われて、その方は死刑制度が必要だと思っているのに対応に苦慮しているということであった。そのような会員は少なくないと思うと言っていた。自分の信念と一致をしている方はそれでも良いのかもしれないが、自身の信念と一致しない会員がいるということについて、執行部はどのような考えか。

質問(東京) 「死刑廃止実現本部が設置されているということは、日弁連として廃止に向けて取り組むということかと思うが、その廃止に向けて取り組むという意思決定をいつどのような形で行ったのか。もし人権大会の決議に基づくものということであれば、人権大会の決議が、その後の執行部の執行方針を拘束する重みのあるものなのか。この総会の決議と同じような重みのあるものなのか。死刑については会員の中でも存置・廃止いろいろな意見があるかと思う。団体の予算を付けて、団体として行動する以上、会員の多数の賛成がなければそういった行動はすべきではないと思うが、死刑の存廃について今後会員の意思を確認する予定はあるか。

質問(東京) 「議案に反対の立場から意見を述べる。私は、犯罪被害者支援の業務の中で、愛する妻や子どもたちを何の理由もなく残虐に殺されて、歯を食いしばりながら涙する遺族と何度も対面してきた。遺族を目の前をしたときに、何をどのように話していいのか、いつも言葉が見当たらない。附属池田小学校の事件では何人も逃げ惑う小学生が理不尽に次々と8人も刺殺され、多数の負傷者も出た。直近でも、小学生を狙った凄惨な事件が起きるなど、何人もの犠牲者が出る事件が起きている。お子さんを殺された遺族は、何としても加害者を死刑にしてくださいと懇願するように言う。それは当然の気持ちだと思うし、被害者参加弁護士として極刑を求めている。
ところが、そのような遺族から、あなたが所属する団体は死刑制度の廃止を目指しているのか、死刑制度廃止を目指す団体の会員なのかと聞かれたら、それはそうだと答えざるを得ない。私は心の底から死刑制度の廃止を掲げる組織の一員になりたくない。私の思いと大きくかけ離れたことに何千万円ものお金を使う組織に会費を納めるのは本当に心が痛い。
ただ、弁護士を続ける以上、日弁連の会員を辞めることはできない。日弁連は2017年に決算額で1,892万円、昨年度は2,575万円、既に4,467万円も支出している。今回更に2,800万円であるから、合計で7,267万円もこの活動に使おうとしている。
昨年38弁護士会で全国キャラバンを行ったという回答があった。各弁護士会の決議がされない理由についても聞いた。それは日弁連の働き掛けが少ないからだというようなこともあった。通常は、弁護士の意見がまとまっているから大会で決議をするのではないか。いまだに弁護士向けにそのような啓蒙活動をしている、働き掛けているということ自体が、弁護士全体の意見ではないということを示しているのではないか。私は、どうしても2,800万円を計上するという予算には反対をせざるを得ない。今一度、考え直していただきたい。以上のとおり、執行部の原案に反対する。これに伴い、今から述べる修正動議を提出する

(回答)齋藤副会長

今回の死刑制度廃止に向けた執行部方針についてであるが、弁護士会内に死刑制度検討委員会があり、そこで福井宣言の宣言案を決め、それを正副会長会にかける。その上で理事会に諮って、理事会の承認を得て初めて人権大会の宣言案という形で出てくる。
そして、人権擁護大会で御参加いただいた皆さんがいろいろ質疑をされて最終的な決定になった。したがって、意思決定は十分なされている。今後については、再三述べているとおり、日弁連は死刑制度廃止に向けた行動をす、活動をすると福井宣言で宣言し、その後も理事会でその方向性について確認もしたのであるから、現在のところ改めて会員の意見を問うというアンケート等の実施は予定していない。

(回答)齋藤副会長

全国の弁護士会に死刑廃止の総会決議をお願いをしていることは事実である。宮崎県弁護士会、札幌弁護士会、滋賀弁護士会で死刑廃止の決議をした。否決した弁護士会が京都と埼玉の他にあるのかということについては、把握していない。反対の決議があれば理事会等で報告されるはずであるが、今のところそのような話は聞いていない。現時点で少数の弁護士会でしか決議がされていないのは、働き掛けが足りないということもあるだろう。しかし、各弁護士会の総会は、大体5月、6月、それからあるところでは臨時総会に向けて年度末にするということなので、何とか来年4月の京都コングレスの前までにはできるだけ総会決議を上げていただきたい。皆さんに御理解いただきたい。死刑存否については会員の皆様にいろいろな御意見があると思うが、日弁連は死刑廃止に向けて舵をとって動き出している。その日弁連の活動を是非御理解いただいて、各大会で十分御議論いただいた上で、どうするのかということをお考えいただきたい。死刑の存廃についてはやはり皆さんの間で議論を深めていただきたい。世論については、今年度11月頃、5年に1回、世論調査が行われているが、今年も恐らく行われるであろう。
ただ、世論に問い掛けるときの問い掛け方の問題もある。死刑を廃止すべきだ、やむを得ない。こういう聞き方であると、凶悪な犯罪者に対して死刑もやむを得ないのではないかという思いは当然抱くであろうし、「やむを得ない」と答えた方の中にも、どちらかといえば廃止すべきだという方もいるであろうから、質問の仕方を工夫していただきたい。前回の世論調査では80%が死刑に賛成だと捉えられているが、もう少し聞き方によっては変わっているのではないかとも思っている。

友達から日弁連が死刑を廃止すべきだと活動していることによって、逆にどうなっているんだと依頼者からの質問があると言われたが、それは答えようがない。いろいろなの人がいるわけであるから、反対の者から日弁連がそういうことを進めること自体に対する考えはあるかもしれないが、日弁連は死刑制度の廃止に向けて舵を切ったということである。それは日弁連の方針として掲げていることであって、個々の弁護士の内心の自由にまで踏み入ったものではない。