https://www.gyotei6m.com/common/pdf/press_20210913.pdf (全54頁)
所属弁護士会から懲戒処分を受けた弁護士(被懲戒者)は処分は不当であると感じた場合は日弁連懲戒委員会に審査請求を申し立てることができます。毎年100件ほどの処分が所属の弁護士会から下されますが日弁連の審査請求で処分取消・処分変更になる確率は1%から2%です。
(懲戒請求者が所属弁護士会が処分しないのは不当である異議申立は日弁連綱紀委員会・所属弁護士会の処分は不当に軽いという異議は日弁連懲戒委員会)
処分取消 戒告から日弁連で処分取消になるのは1年に2件ほど
処分変更 退会命令から業務停止に変更は2年に1度(会費滞納で滞納金を支払った場合等)業務停止3月から2月に変更は年に1件ほど、最大は業務停止6月から戒告に変更された1件・処分が不当に軽い(異議申立が認められる戒告から業務停止に変更)は2年に1件程度
審査請求で業務停止から処分取消になったケースは過去1件のみ(第二東京弁護士会)
会請求 今回の処分は東京弁護士会が懲戒請求者となった会請求と呼ばれるものです。この処分が取り消されたことはありません。会請求が変更になったものは弁護士会費滞納で処分となり滞納分を支払って業務停止に変更となった以外にありません。
審査請求の審査は本来、公開されていません。審査請求人(べリーベスト酒井将弁護士他)が公開審査を望んだ。2021年8月10日日弁連クレオ講堂で懲戒委員会の審査が開かれたというのは過去にないと思います。審査請求人はそれだけ東弁の下した処分がいかに不当であるかと公開で述べたかっただと思います。調査期日調書(議事録)の公開が審査請求人からネットで過去に公開されたこともありません。
審査請求の結果は官報に公告として掲載されます。処分取消・変更になれば日弁連広報誌「自由と正義」に処分取消・変更の要旨が掲載されます。
審査請求で処分変更・処分取消を求めるは2つの方法しかありません。(過去の処分変更要旨から推測)
① 反省の弁を述べ謝罪し二度と処分されないように致しますと述べる土下座型。戒告が取消になるケースもありましたが業務停止月数が処分取消までにはなりません。謝罪は懲戒請求者に向けてではなく綱紀委員会に対して委員に迷惑を掛けたというもの。懲戒請求者への被害を弁済した場合も変更になる場合もありました。
② 徹底抗戦、所属弁護士会の下した処分は不当であるという手法。あくまでも処分取消を求める、謝罪は行わない。
懲戒請求を申し立てられた対象弁護士の多くは代理人を就任させて答弁書を提出します。自分が弁護士であるにもかかわらず弁護士を立てます。一番多いのは同期の弁護士です。代理人を立てたかどうかがわかるのは懲戒請求者に送られてくる答弁書・議決書しかわかりません。きちっと対象弁護士本人が答弁してくる場合もあれば『懲戒委員会に審査を付さないことを求める』と1行だけの場合もあります。たとえ1行程度でも弁護士会綱紀委員会は懲戒請求書の懲戒事由で判断します。懲戒請求者に1回目の答弁書を開示して2回目以降を開示しない弁護士会もあります。
懲戒の代理人の例
大渕愛子弁護士(東京)業務停止1月
綱紀委員会までは同期のNO1,NO2の優秀な弁護士、綱紀委員会で懲戒相当の議決が出てからは同じ芸能事務所の橋下徹弁護士(大阪)に変更、橋下徹弁護士の答弁書で良かったのか?結局、業務停止1月は変更なし
樋口明巳弁護士(第二東京)二弁懲戒委員会で棄却
平成24年審審査期日6月22日 二弁綱紀委員会(棄却)までは同期の樫尾わかな弁護士、二弁綱紀で棄却となり日弁連で懲戒請求者の異議が認められ第二東京弁護士会懲戒委員会に戻された、ここで、派閥(全友会)の実力者の3人の弁護士が出てきました。
神田安積弁護士(2021年二弁会長・日弁連副会長)吉成昌之弁護士(平成19年二弁会長・日弁連副会長)黒田純吉弁護士(1995年二弁副会長、1996年日弁連常務理事)と同期の今泉亜希子弁護士(東京)を代理人に就任させ懲戒委員長を樫尾わかな弁護士の事務所のボス弁笠井治弁護士(二弁・東京リベルテ法律事務所)に変更させた。
日弁連綱紀委員会で『懲戒相当』となったものが二弁懲戒委員会であっさりと処分なしとなった。派閥の会員には処分させない力学が働いた。派閥のゴルフ大会で『会長!ナイスショット』とヨイショし懇親会でお酒を注いでまわる。大人の社会ですからそういうこともアリでしょう。派閥が庇って大物弁護士が代理人を引き受けてくれ懲戒委員長まで同じ仲間に変更させ、処分は絶対にさせないということでしょう。(懲戒事由・離婚裁判の相手方(夫)が『もう一度家族団らんを』と述べたところ妻の代理人樋口明巳弁護士が『家族団らん!片腹痛いわ!』と準備書面に書いたことが弁護士として品位を失うのではないかという理由)
(二弁懲戒委員会審査期日調書)
審査請求人が立てた懲戒の代理人は以下の8名です。
泉信吾弁護士 東京 12584 泉・尾込法律事務所 1970年登録23期
尾込平一郎 東京 39894 泉・尾込法律事務所 1996年東大法学部卒 2009年弁護士登録 62期
辻 洋一 東京 13834 先端法法律事務所 25期
影山知佐 東京 41056 先端法法律事務所 62期
阿部泰隆 兵庫 32480 大瀧法律事務所 57期
関葉子 東京 30032 銀座プライム法律事務所 55期
谷英樹 第二東京 36113 三宅坂豪率事務所 2007年登録 60期
丸山和也 第一東京 13673 弁護士法人丸山総合法律事務所 25期
8名の代理人弁護士の方たちは所属する弁護士会や日弁連役員の経験者は見当たりませんでした。また丸山和也弁護士以外は存じ上げませんでした。
日弁連懲戒委員会 委員名簿 2021年8月
高博一弁護士 登録番号 17380 第二東京 髙総合法律事務所
委 員
①木村豊弁護士 登録番号19411 広島 吉田・木村法律事務所
②若江健雄弁護士 登録番号17560 第一東京 熊谷・若江法律事務所
③井上圭吾弁護士 登録番号18786 大阪 アイマン総合法律事務所
④坪井昌造弁護士 登録番号24324 東京 坪井・岡部法律事務所
⑤八代ひろよ弁護士 登録番号18932 東京 坂野・八代・坂口法律事務所
⑥久保博道弁護士 登録番号16638 神奈川県 アクセス久保法律事務所
⑦川上敦子弁護士 登録番号17826 愛知県 オリンピア法律事務所
⑧細田啓介 東京高裁10刑部総括
⑨平田和一 専修大学法学部教授
⑩菊池浩 司法検察官 東京地検検事 最高検検事
⑪川崎政司 参院法制局長
⑫臼井 敏男 元朝日新聞社東京社会部長、慶應義塾大学非常勤講師。
審査請求の争点は大きく2点、べリーベスト法律事務所が司法書士事務所からの紹介を受けたことが非弁提携にあたるかどうか、
処分が出る前に東弁以外に事務所を設立したことが『懲戒逃げ』にあたるのかどうかです。
1 被懲戒者弁護士法人ベリーベスト法律事務所(以下「被懲戒法人」という)は、司法書士法人新宿事務所(以下「新宿事務所」という)から2014年12月25日から2017年3月31日までの間、簡易裁判所の事物管轄である訴額140万円を超える過払金請求事件(以下「140万円超過事件」という)の紹介を受け、新宿事務所に対して1件につき一律19万8000円(消費税込)になっている。また期間内に新宿事務所から被懲戒法人に紹介がなされた案件数は月に300件を超え、全期間の合計で7000件ないし8000件に達し、反復継続して大量の140万円超過過払事件が紹介された。
2 被懲戒者酒井将(以下「被懲戒者酒井」という)は被懲戒法人の代表社員として新宿事務所との間で業務委託契約を締結すること及び140万円超過過払事件の紹介を受けたときは、1件につき19万8000円を新宿事務所に支払うことを決定し、現に支払っていた。
3 被懲戒法人が新宿事務所から140万円超過過払事件の紹介を受け、新宿事務所に対して1件につき19万8000円の紹介料を支払う行為は、弁護士職務基本規程(以下「基本規定」及び弁護士法(以下「法」という)第27条(非弁護士との提携の禁止)法第30条の21(弁護士の義務等の規定の準用)に違反し法第56条第1項の品位を打足なうべき非行にあたる。
また、被懲戒者酒井及び被懲戒者浅野は、被懲戒法人の代表社員として、被懲戒法人の上記行為について決定をしたものであり、これは法第56条第1項の品位を失うべき非行に当たる。
4 被懲戒法人らは、19万8000円は、事件紹介や周旋の対価ではなく、新宿事務所から引き継ぐ成果物の対価及び訴状等裁判所作成支援業務の対価であり、新宿事務所にすれば、司法書士が合法的になし得る実体のある業務の合理的な対価であると主張する。
しかしながら、① 被懲戒法人が新宿事務所に業務委託をし。その成果物の引継がなされたとは認められない。この成果物は新宿事務所が受任したことにより自己の業務に基づき作成されたものであること
② 従って、新宿事務所と依頼者との間でこの対価が発生しておりその間で清算が行われるべきであり、当該依頼者に無断で被懲戒法人が新宿事務所に対して対価なるものを支払うべき筋合いではない。かくして、被懲戒法人が依頼者から弁護士報酬を受け取ってない段階で、新宿事務所に対して一定の金員の支払をすることは事件の紹介に対する対価であるか、仮に他の趣旨が併存しているとしても少なくとも事件紹介の対価が含まれていることは否定できないこと
③ 弁護士への事件紹介は無償であることが原則とされ、弁護士が事件屋から事件を受任することが禁止されている現行懲戒制度の下では、第三者が事件及び依頼者を対価の支払を伴う取引の対象とすることは禁止されているのであって、本件でも19万8000円が成果物の譲渡の要素のみから含まれているとみるべきこと
④ 新宿事務所と依頼者の間では、成果物に係る業務については無償であることが委任契約書に明記されているので、依頼者は新宿事務所に19万8000円を支払う義務があるとは認識しておらず、また新宿事務所も被懲戒法人も依頼者に対して、被懲戒法人から新宿事務所に19万8000円の支払がなされていることを説明し、同意を得ていた事実はなく、依頼者の知らないところで金銭授受が行われていたこと、
⑤ 本件スキームは市民の権利救済という美名の下で、結果として事件紹介業をビジネスとして成立させてしまう危険性があり、弁護士がこれに加担する結果を招くことになって、許されないものであること、
⑥ 裁判書類作成業務の委託についてもその必要性の疑義があり合理性が認められないこと
⑦ 被懲戒法人が主張する対価の相当性についても疑念があること
⑧ 被懲戒法人は、いわゆるワンストップ・サービスを提供したものとして、基本規程第12条の報酬分配規制の例外としての「正当な理由がある場合」に該当して許容されると主張するが、正当な理由による報酬の分配とは到底認められないこと、
⑨ 依頼者の金銭負担が増えていないとは必ずしも評価されず、
⑩ ガイドライン等が制定されていないことと本件取引の成立は何ら関係なく、明らかに基本規程第13条第1項に違反するものであること等の事実からすれば、被懲戒法人らの主張には理由がない。
また、法第27条違反についても新宿事務所は、法72条後段の構成要件である①周旋行為を②業として、③報酬を得る目的で行っている。
ただ、認定司法書士を法第72条にいう非弁護士として断定してよいか議論があるところではあるが、法第72条但し書きの反対解釈として認定司法書士の周旋については、非弁護士と言わざるを得ない。
被懲戒法人らは、新宿事務所から案件の紹介を受けることにより訴訟提起をして(紹介案件の70%から80%の割合)貸金業者から平均360万円程度の回収を行い、平均して96万円の弁護士報酬を取得した。このうち20%に相当する金員を新宿事務所に支払っている。
本件の被懲戒法人らの行為は紹介先が140万円超過払事件につき代理権を有しない司法書士からの紹介案件であることを考慮しても、その規模においてこれまでの非弁提携案件と比較して非行性が強いものである。結果的には90万円強の弁護士報酬を獲得するために、紹介料を支払い、事件の買取りをしていたと評価することができ、強い非難を受けることはやむを得ないところである。
懲戒請求後、被懲戒法人の業務活動を事実上停止させ第二東京弁護士会に新たに弁護士法人を設立して支店(従事務所)を移動して活動するなど、「懲戒逃れ」と見られてもやむを得ない行動もしている。
その一方で、被懲戒法人らの業務そのものは、前件訴訟提起を原則に、依頼者の利益のために極大回収を目指してしたこと、依頼者に紹介料を全額転嫁しているとまでは認められないこと、司法書士が受任できない140万円超過払事件の依頼者を放置できないと考えた動機にも斟酌できるものがあること、依頼者から被懲戒法人らの業務についてのクレームが本会に多数寄せられているまでとは言えないこと等、被懲戒法人らに有利な事情も認められる。
以上の事情を総合的に考慮して上記懲戒の種類とした。
2020年3月12日 東京弁護士会会長 篠塚 力
弁護士職務基本規定
(非弁護士との提携)
第十一条 弁護士は、弁護士法第七十二条から第七十四条までの規定に違反する者又はこれらの規定に違反すると疑うに足りる 相当な理由のある者から依頼者の紹介を受け、これらの者を利用し、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。
(報酬分配の制限)
第十二条 弁護士は、その職務に関する報酬を弁護士又は弁護士法人でない者との間で分配してはならない。ただし、 法令又は本会若しくは所属弁護士会の定める会則に別段の定めがある場合その他正当な理由がある場合は、この限りでない。
弁護士法
(非弁護士との提携の禁止)
第二十七条 弁護士は、第七十二条乃至第七十四条の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない
(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律に別段
の定めがある場合は、この限りでない。
審査請求人(代理人)がどのような反論をされたか審査期日調書をお読みください。
これは素人の推測ですが、二弁の弁護士のように、日ごろから派閥や弁護士会の会務に精を出し、会の主催するゴルフ大会、勉強会の後の懇親会に参加して役員にヨイショのひとつもしていれば業務停止6月はなかった??、日頃代理人業務をしている弁護士であればおわかりでしょう。法律論一本で処分取消まで取れるかどうかです。
【高委員長】よろしいですか委員長の高です。 出席者のお名前をお願いします。
【酒井】 審査請求人の酒井です。手続きが始まる前に1分だけ時間をいただけますか
【高委員長】まず全員のお名前を、まず出席者のお名前を言ってください。
【酒井】かしこまりました。
全員の紹介があって(省く)
【高委員長】・・・どうぞ発言。
【酒井】一言申し上げたいことがございます。
我々は昨年、東弁によって汚名を着せられました。今日は、人生をかける覚悟で、その汚名を晴らしにやってまいりました。東弁は我々に対する予断と偏見をもって審議に臨み、明らかな事実認定の誤り、明らかな法解釈の誤り、多数の手続違法を犯して正義に反する決議をしました。この日弁連の手続においても同じことが繰り返される危険があると考えております。主査の先生一人が事件記録を読み、多数決で結論を決めるのではなく、一人一人の委員の先生方が事件記録をしっかり読み込んで、良心に従って判断いただきたい。我々の主張を黙殺するのではなく、一つ一つの論点に正面から真摯に答えていただきたい。そうすれば、東弁の議決が取り消さざる得ないことは明らかです。我々の名誉回復のためだけでなく、日弁連の名誉のためにも、正しく、堂々たる審査を求めます。
以上です。発言を許可してくださり。ありがとうございます。
【高委員長】了解しました。色々主張書面をお出しになっておられますが、全委員が目を通しております。
【酒井】ありがとうございます。
【高委員長】コピーの量は大変な量になっております。入口のドア閉めてくれる?事務局
【事務局】公開なので。
【高委員長】あ、公開か。でも、もう入ってこられないのね
【事務局】はい
これで審査が始まりました。高委員長、かなりムッとしているのではないかと感じました。
>【酒井】一言申し上げたいことがございます。
きっとこの後は、普通の弁護士であれば、たとえば、こういう風に続くと思ったはず。
本日は私どものためにこのような弁明の機会を与えていただきまして心より感謝申し上げます、
審査請求の審査期日は非公開が原則でありながら、私どもの我儘な要求を認めていだだきまして、高委員長はじめ委員の皆さま、事務局の皆さま、コロナの大変な時期に開催していただき、改めて感謝を申し上げます。ありがとうございます。
これから始めるべきではないの!!
それを1分時間くれといい、はじめから東弁の審査手続がどうのこうの、日弁連の審査もちゃんとやってください。しっかり記録や主張書面を読み込んでください。とは失礼すぎませんか。委員の方は先輩弁護士の方がたです。東弁の下した業務停止6月はめちゃくちゃだと代理人は述べていますが、想像ですが東弁の綱紀委員会、懲戒委員会でもこういう失礼な態度や答弁、反論をしたのなら業務停止6月も仕方ないのではと思います。
これが弁護士自治の懲戒制度です。
そんな弁護士会にいるのですから嫌ならとっとと第一東京にでも行けばと言われますね。庇って欲しければ、それなりの態度を示さなければいけないのではないでしょうか
私たちは部外者ですが、失礼ながら言わせていただければ、こいつ偉そうに常識が無いなと思いました。(あくまでも個人の感じ方です。)
期日調書とても面白いので続きます
審査請求と異議申立