東弁会報リブラhttps://www.toben.or.jp/message/libra/
東京弁護士会の会報リブラに公表された弁護士懲戒処分の要旨、業務停止以上の処分を受けたときに公表されます。この後日弁連広報誌「自由と正義」にも処分要旨が掲載されます。2021年10 月号は3件の処分が公表されました。
寺内從道弁護士の懲戒処分の公表

報道がありました

弁護士2人に業務停止処分=東京   2021/08/17 読売新聞
 東京弁護士会は16日、同会所属の高田康章弁護士(42)を業務停止8か月、寺内従道弁護士(80)を同1か月の懲戒処分にしたと発表した。いずれも11日付。

 発表によると、高田弁護士は2018年5月〜19年3月、弁護士資格を有しない法人と提携し、自身が依頼者から得た報酬約3000万円のうち、少なくとも約1854万円を同法人に支払うなどした。

また、寺内弁護士は13年8〜10月、不動産の所有権を巡る訴訟の依頼者に対し、事前に合意していた報酬の増額を繰り返し求めたり、「救いようのない支離滅裂な人間だ」などと非難するメールを送ったりしたとしている。

同会の調査に対し、両弁護士はいずれも「懲戒処分には当たらない」などと主張しているという。

懲 戒 処 分 の 公 表

本会は下記会員に対して、弁護士法第57条に定める懲戒処分をしたので、お知らせします。

      記

被 懲 戒 者      寺内 從道(登録番号18045)

登録上の事務所      東京都新宿区四谷三栄町2-14-326

             弁護士法人西和総合法律事務所

懲戒の種類        業務停止1月

効力の生じた日      2021年8月11日

懲戒理由の要旨

1,被懲戒者は、2013年8月8日、懲戒請求者から受任した所有権移転登記手続請求事件の成功報酬につき書面を作成して合意したが、その増額を求める特別の事情があったとはみとめられないにもかかわらず、不合理な説明を前提に、同年10月15日以降、懲戒請求者に対して繰り返しその増額を求めた。

2、被懲戒者は、同年10月23日頃、依頼者である懲戒請求者に対し、特別の事情がないにもかかわらず、50万円の借用を申し入れた。

3、被懲戒者は、同年10月18日以降、懲戒請求者に対し、「貴君は救いようのない支離滅裂な人間である」等の内容が含まれる電子メールを送信した。

4,被懲戒者は、懲戒請求者から被懲戒者に預けている全ての原本の返還を求められたが、少なくとも所有権移転登記手続請求事件については判決が確定して委任事件が終了しているにもかかわらず、正当な理由なく同事件に関する原本の返還を拒否した。

被懲戒者の上記行為は、弁護士職務基本規程第25条に違反し上記3の行為は同第6条に違反し、上記4の行為は同第45条に違反し上記1から4の各行為はいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

2021年8月16日 東京弁護士会会長 矢吹公敏