弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2021年10月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・福島県弁護士会・岩崎優二弁護士の懲戒処分の要旨
処分理由・強引な事件処理対応。
当時の法務大臣森雅子弁護士の事務所に在籍する弁護士の強引な事件処理。こういう弁護士会として出しずらい処分は年度末3月31日にこそっと出されます。
週刊文春2020年5月20日 ネット配信
森雅子法相(55)と同じ法律事務所に所属している岩崎優二弁護士が、昨年10月に懲戒処分を求める請求を起こされていたことが、「週刊文春」の取材で分かった。岩崎氏は森氏の公設秘書を2年務め、現在は福島県いわき市にある「桜が丘法律事務所」に所属。この事務所に在籍する弁護士は岩崎氏と森氏の二人だけで、森氏は2019年4月の所得等報告書によれば、約182万の顧問料を得ている。
今回の懲戒請求のトラブルの発端となったのは、2013年に起きた水上バイクの衝突事故。運転していた女性A氏に対して、重傷を負った同乗者の男性B氏が民事訴訟を起こし、17年に5000万円強の損害賠償請求が認められた。岩崎氏はB氏の代理人を務めていた。 しかし、A氏が自己破産するなどして思うように損害賠償金が回収できなかったB氏は、A氏の車を追尾したり進路を塞いだり、A氏の自宅と同じ敷地内に建つ義父母宅に頻繁に訪問。 それに対して、A氏夫妻と義父母は連名の書面で岩崎弁護士に自制を促した。だが、昨年9月19日にB氏と岩崎氏は義父母宅を訪問し、持参したビデオカメラを家の中に向けながら、「迷惑だから来ないでください」と拒絶する義父母に執拗に対処を求めたという。
9月26日には岩崎氏は単身で義父母宅を訪問。当日のやりとりはボイスレコーダーなどで記録されている。岩崎氏は「法的手段を執るための調査をしている」と説明。A氏の財産や勤務先を繰り返し尋ね、協力が得られないとわかると、A氏の小学生と保育園児の2人の子供に向かって「お母さん、どこにお勤めなのかな」と呼びかけた。この件でA氏の子供たちは怯えてしまい、インターホンが鳴ると耳を塞ぎ、登下校中も声をかけられるのではないかという不安から親族が学校の送り迎えをせざるを得ないという。 この時の言動が決定打となり、福島県の迷惑行為等防止条例違反などの疑いがあるとして、昨年10月14日、懲戒処分を求める請求が起こされた。 被害者救済に詳しい加藤博太郎弁護士が指摘する。 「被害者が法的責任のない加害者の親族の元に取り立てに行くことは違法です。まして弁護士が関与しているとなれば懲戒処分に問われかねません。弁護士は粘り強く法的に対処し、被害者が直接相手方に接触しようとするなら全力で止めるべき」
一連の経緯を岩崎弁護士に聞いた。
――A氏の親族を執拗に訪問し懲戒請求を受けている。 「私が面会を求めたのは損害賠償の義務を負うA氏。自宅の住所に伺ったら同居する義父母が『不在だ』と答えたことが3回あったという程度の話です」
――A氏の子供に声を掛けて怖がらせたことは? 「それも事実と違う。怖がらせるような声を掛けたことはない」 ――懲戒請求は誤解に基づくもの? 「そうですね。(B氏は)大怪我を負われて、多額の請求権があるにもかかわらず、払って貰えない状態が何年も続いています」
父親への借金の取り立てで怯えた経験が弁護士や政治家を志した原点とホームページに記していた森法相。たった一人の“相棒”弁護士の懲戒請求について「聞いておりません」としたうえで、A氏とのトラブルについても「事案の内容を存じ上げません」、「昨年10月31日で顧問を辞任しております」と書面で回答した。 5月21日(木)発売の「週刊文春」では、岩崎弁護士の“取り立て”の実態、森雅子法相が弁護士や政治家を志した“原点”などについて詳報する。
引用 文春オンラインhttps://news.yahoo.co.jp/articles/63c45800f542e3812d1c7ffcda07b91bd59151a6
岩崎優二弁護士 登録番号 39645 福島県弁護士会 桜ヶ丘法律事務所
森雅子弁護士 登録番号 24172 福島県弁護士会 桜ヶ丘法律事務所
福島県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士氏名 岩崎優二
登録番号 39645
事務所 福島県いわき市平谷川瀬3-6-1 久善ビル22
桜が丘法律事務所
2 懲戒の種別 戒告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は、AのBに対する債権回収に際し、AらがB宅のみならずBの親族である懲戒請求者宅を度々訪れていたこと及び懲戒請求者らが訪問を拒絶していることを知っていたにもかかわらず、Aらが、懲戒誚求者ら宅を度々訪れていたことを制止しないばかりか、Aらと共に懲戒請求者ら宅を訪問した。また、被懲戒者は、Aらが、懲戒請求者らに対し、カメラで撮影してその画像をネットやメディアなどに公表する旨書面で通知したことに対し、懲戒請求者らから、書面で、Aらがカメラで撮影してその画像をネットやメディアなどに公表することを即刻中止するよう指導することを求められていたにもかかわらず、2019年9月19日に、Aらと共に懲戒請求者ら宅を訪れた際、A又はCがビデオカメラで撮影するのを制止しなかったばかりか同月26日には、懲戒請求者らが来てもらいたくないと思っていることを知りながら、書面持参名下に、1人で懲戒請求者宅への訪問を強行した上、Aらの上記通知内容を容認する発言をし、また、小さな子どもである懲戒請求者の孫らに対して、Bの勤務先を問いかける趣旨の発言をした。
被懲戒者の上記行為は、弁護士職務基本規程第5条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4処分が効力を生じた日 2021年3月31日 2021年10月1日 日本弁護士連合会