東弁会報リブラ  https://www.toben.or.jp/message/libra/
東京弁護士会の会報リブラに公表された弁護士懲戒処分の要旨、業務停止以上の処分を受けたときに公表されます。この後日弁連広報誌「自由と正義」にも処分要旨が掲載されます。
2022年4月号は1件の処分が公表されました。
報道がありました。読売新聞3月9日 
報酬 過大請求で 弁護士業務停止=東京
 東京弁護士会は8日、同会所属の藤ヶ崎隆久弁護士(55)を2月28日付で業務停止2か月の懲戒処分にしたと発表した。

 同会によると、藤ヶ崎弁護士は男性から離婚事件を受任し、2018年2月、妻側に支払う離婚解決金の頭金として330万円を預かった。その後、離婚の合意を成立させられなかったが、男性に対し、委任契約で定めた額を上回る報酬を請求した上、「報酬と相殺する」と主張し、預かった330万円を3年以上にわたり返還しなかった。 同会の調査に対し、藤ヶ崎弁護士は「請求した報酬額は妥当だった」などと主張しているという。読売都内版3月9日付

懲 戒 処 分 の 公 表

本会は下記会員に対して、弁護士法第57条に定める懲戒処分をしたので、お知らせします。

      記 
被懲戒者     藤ヶ崎隆久 (登録番号23569)
登録上の事務所  東京都中央区日本橋小網町8-2エクサムビル2階
          藤ヶ崎法律事務所 
懲戒の種類    業務停止2月 
効力の生じた日  2022年2月28日 
懲戒理由の要旨 
被懲戒者は平成28年12月6日、懲戒請求者から同人の配偶者を相手方とする離婚及び婚姻費用事件を受任し、平成30年2月28日に懲戒請求者から離婚解決金の頭金としれ330万円を預かったが、その後離婚の合意が成立できず平成31年2月12日懲戒請求者から解任されたところ
1、解任後に被懲戒者が申立てた紛議調停手続において、追加報酬として、委任契約に定める報酬を上回る金員を請求し、
2、請求した報酬額についても、事件相手方が請求していない金額を経済的利益として報酬額を算出し、その経済的利益も恣意的かつ多額であり、結果として過大な報酬額であり、
3、解任後の懲戒請求者からの預り金返還請求に対し、上記追加報酬と相殺する旨主張して速やかな返還に応ぜず、
4、預り金を預かり後直ちに預り金口座から引き出して保管していたが、離婚の合意が直ちに成立せず預り金の使用が必要なくなった後も引き続き3年以上現金で保管していた。
被懲戒者の上記1及び2の行為は、弁護士職務基本規程第29条及び第30条に違反し、上記3の行為は基本規程第45条に違反し上記4の行為は預り金等の取扱いに関する会規第4条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。 
2022年3月8日 東京弁護士会会長 矢吹公敏