弁護士に非行の疑いがあるとして所属する弁護士会に懲戒請求を申し立てた。
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綱紀委員会で棄却
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弁護士は自己都合の「請求」で弁護士登録を取消した。
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懲戒請求者は棄却に不服で日弁連に「異議申立て」の予定だったが弁護士が辞めた。異議申立もできない
弁護士法第62条と違うではないかと質問状を弁護士会に提出
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その回答書
質問書2020年一綱第17号綱紀事件
懲戒請求者 ●●
対象弁護士 〇〇
質 問 書
令和4年9月14日 第一東京弁護士会会⾧ 会⾧ 松村眞理子 殿
第一東京弁護士会 綱紀委員会御中
頭書事件懲戒請求者●●の代理人として質問申し上げます。
頭書事件対象〇〇弁護士は,2022年6月15日に貴会綱紀委員会 及び貴会会長殿が懲戒委員会の事案の審査を求めない決定を下しましたが,懲戒請求者は日本弁護士連合会に異議申し立てをする予定であります。
ところが,日本弁護士連合会の弁護士検索をいたしましたところ,同弁護士 は検索できず,登録抹消されているもようです。
弁護士法には
(登録換等の請求の制限)
第六十二条 懲戒の手続に付された弁護士は、その手続が結了するまで登 録換又は登録取消の請求をすることができない。 とあり,懲戒請求中は登録の抹消ができないはずですが,なぜ〇〇弁護士は登録抹消できたのでしょうか。
対象弁護士〇〇の登録抹消年月日及び,抹消が可能であるとする理由を回答お願いいたします。
回答書2022年(令和4年)10月19日
懲戒請求者●●樣 代理人弁護士××様
第一東京弁護士会
ご 回 答
冠 省
貴職の令和4年9月16日付「質問書」(以下「本件質問書」といいます) について、次のとおり回答致します。
弁護士法62条は、本件質問書でご指摘のとおりの規定となっておりますが、 そこでいう「手続が結了」とは、懲戒処分が行われない場合には、対象弁護士 に対してその旨の通知がなされたときに手続が結了するものと解されております。
これを2020年一綱第17号綱紀事件(以下「本件」といいます)につい てみると、令和4年4月15日綱紀委員会において「対象弁護士につき、懲戒 委員会に事案の審査を求めないことを相当とする。」との議決がなされ、同年 6月15日付で当会会長がその旨決定し、その通知は同年7月15日に対象弁 護士に送達され、これにより、懲戒手続は結了しました。
その後、対象弁護士から当会宛に退会届、及び登録取消請求書が提出され、 2022年7月29日付けで弁護士登録が取り消されているので、本件懲戒手続結了後に登録の抹消がなされた、ということになります。
以上のとおりの回答致します。
以 上
第一東京弁護士会会長の回答は所属弁護士会の綱紀委員会で棄却(懲戒しない)との議決がなされ、対象弁護士に通知されれば、懲戒の手続が結了となり、対象弁護士からの登録取消の申請を受けたとあります。
懲戒の実務に詳しくない会長に質問したのが間違い。
懲戒の結了とは
第一の見解をとれば、対象弁護士が弁護士会から処分又は不処分の通知を受けた後、異議の申出により日弁連の綱紀委員会に付議されるまでの間及び原弁護士会の綱紀委員会の「懲戒委員会に事案の審査を求めないことを相当とする議決に対する異議の申出に対して日弁連が原弁護士会の処分を取り消して対象弁護士等に通知をした後、原弁護士会の懲戒委員会に付議されるまでの間は法62条1項の規約を受けないこととなる。
第三の見解は、この点を重視し、この間にいわゆる「懲戒逃れ」をする余地を残すことは望ましくなく、「結了」とは「確定」を意味すると解釈するのである。しかしながら、原弁護士会が処分の告知をしている場合には、少なくとも右処分の効力は発生しており、懲戒処分を全く逃れてしまうわけではなく、第一の見解を採った場合の「懲戒逃れ」の可能性はさほど大きいものではない。更には弁護士会が不処分の決定をした場合には、対象弁護士は綱紀委員会の手続に付されてから不処分の通知を受けるまでの間身分の制約を加えられていたのであるから、それ以上に当該弁護士に身分に制約を加えることは妥当ではない。
また、第二の見解は懲戒手続が結了するとは法が定める全ての手続が終了するときと解するのが素直であること、通知について規定する法64条の7は「その懲戒の手続に関し・・・通知しなければならない」としていることを根拠とするが、この見解によれば、例えば、懲戒請求者が所在不明となり、同人に対する通知が到達しない場合には、懲戒手続は、長期間結了しないことになり、対象弁護士等の権利を不当に制限することになりかねず妥当ではない。したがって第一の見解が妥当と考えられる、
なお、第一の見解によると、弁護士会の綱紀委員会で「懲戒委員会に事案の審査を求めないことを相当とする議決」がなされ、その後、異議の申出がなされ、日弁連の綱紀委員会に付議された場合に、対象弁護士は綱紀委員会の手続に付された時点で登録換え等の制限が加えられ、不処分の通知を受けた時点でこの制約が解除されるものの、日弁連の綱紀委員会に付議された時点で再度登録換え等の制限が加えられることになるが、現行の法の解釈上はやむおえない結果であるといわざるをえないであろう。
以上引用
懲戒の結了とは、所属弁護士会の綱紀の議決(懲戒しない)があり次に日弁連綱紀委員会に異議申立てがあり日弁連綱紀委員会が異議を棄却したときとする。です。
一弁会長の回答は間違っています。
△この質問の回答は、「懲戒の審議中であろうとも、弁護士辞めるんだったら仕方ない。業務停止出しても弁護士辞めて業務しないのだから、憲法の職業選択の自由があり、懲戒の結了まで長く留め置いてその間の会費はどうしてくれると言われたら、だから懲戒審査中であろうと取消を認めるのです。」
懲戒に付されていようが、弁護士が弁護士会の登録の窓口に行き弁護士を辞めるからと申請すれば事務局は受けざるをえないのです。
実際の事務では、懲戒に付されていようがなかろうが登録取消を受けるのですから
(登録換等の請求の制限) 第六十三条『 懲戒の手続に付された弁護士は、その手続が結了するまで登録換又は登録 取消の請求をすることができない。』
は世間に向かってのポーズ。書いてあるだけ、実際の実務は違います、つまり本音と建て前は違うということ。
対象弁護士が弁護士を辞めたので懲戒は終了しますとの通知のはずが、懲戒請求者が弁護士を辞めたから懲戒審査を終了します???
第一東京は懲戒実務を知らない、素人をごまかそうとしていますが、第二東京は、ほんとにアホすぎます!。アホか!何をいうてんねん
第十七条 日本弁護士連合会は、左の場合においては、弁護士名簿の登録を取り消さな ければならない。
一 弁護士が第六条第一号及び第三号乃至第五号の一に該当するに至つたとき。
二 弁護士が第十一条の規定により登録取消の請求をしたとき。
三 弁護士について退会命令、除名又は第十三条の規定による登録取消が確定した とき。
四 弁護士が死亡したとき。
この解釈については、綱紀委員会の手続に付されたときをいうのか(非限定説)懲戒委員会の手続に付されたときをいうのか(限定説)、考え方が分かれていたが。平成11年6月9日付けで日弁連会長から各弁護士会会長宛に通知した「弁護士法第63条及び第64条の解釈について(通知)」と題する文書により、非限定説を採ることが明確にされ、平成11年9月1日以降そのように取り扱われていた。その後、平成15年の法改正により、法58条2項が「弁護士会は所属の弁護士又は弁護士法人について、懲戒の事由があると思料するとき又は前項の請求(懲戒請求があったときは懲戒の手続に付し綱紀委員会に事案の調査をさせなければならない」と規定され綱紀委員会に事案の調査をされることをもって「懲戒の手続に付された」ときであることが条文上明らかとなった。より具体的には「懲戒の手続に付された」とは弁護士会の会長が綱紀委員会に事案の調査を命じる旨の決済をしたときと解される。
「看板のピン」という落語を御存じでしょうか、丁半ばくちの壺振りの男が、表にサイコロをこぼしてみせて、「さあ丁か半か!」と・・・すると客は壺からはみでたサイコロの目を見て賭ける。客が掛けたところで、こぼれ落ちたサイコロを懐に入れる。客は「なにしやがんでい!」と文句を言う。「いやあこれは看板ですから!!」
弁護士会の対応は、この「看板のピン」弁護士法や弁護士職務基本規程は表向きショウーウインドーと言うのです。表と裏があり、法律はあっても運用は違うということです。それが許されるのが「弁護士自治」です。