法的根拠の無い追加報酬金を依頼主に請求したなどととして、埼玉弁護士会は、所属する弁護士を業務停止1か月の懲戒処分にしたと11日、発表しました。 懲戒処分を受けたのは、所沢市に事務所を置く、坂下毅弁護士68)です。
埼玉弁護士会によりますと、坂下弁護士は遺言が無効だと確認する民事裁判の成功報酬として、依頼主から462万円の支払いを受けたにもかかわらず、法律上の根拠が無いのに、追加報酬500万円を請求し受け取ったということです。 また、同じ依頼主から任された別の損害賠償請求事件で、相手方から支払いを受けた損害賠償金およそ64万円なども、返していませんでした。 その後、依頼主が追加報酬などを返すよう求め、弁護士会が依頼主との間に入り、トラブルを解決する制度により、坂下弁護士が返還しましたが、依頼主が2019年12月に懲戒請求していました。 埼玉弁護士会は、一連の行為が弁護士としての品位を失うべき非行に該当するとして、坂下弁護士を業務停止1か月の懲戒処分としました。 9月6日から効力が生じるとしています。
坂下弁護士は、2009年3月にも戒告の懲戒処分を受けていました。
埼玉弁護士会 68歳男性弁護士を業務停止1か月 – Yahoo!ニュース
埼玉弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士氏名 坂下毅 登録番号 21451 事務所 所沢市御幸町1 スカイライズタワー25階
坂下毅法律事務所
2 懲戒の種別 戒告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は2005年6月9日家庭裁判所から亡Aの自筆証書遺言の遺言執行者に選任された被懲戒者は2006年3月27日ごろには遺言執行を終了し亡Aの預金口座から回収した預貯金から執行手続きの経費を支出した残金1089万6353円を保管していた被懲戒者は上記遺言書において遺言執行者の費用が定められていなかったにも関わらず家庭裁判所に遺言執行者の報酬付与審判申立をすることなく、亡Aの相続付書面にて上記金1089万6353円全額を被懲戒者の報酬及び被懲戒者が税理士に対して支払うべき報酬の合計額とする旨一方的に通知し、かつ懲戒請求者から遺言執行者の報酬付与審判申立を行うことや上記金員の返還を求められたがこれらに応じなかった。
被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当するが、懲戒請求者らとの間で訴訟上の和解が成立して解決金の支払いもされていること等を斟酌し戒告を選択する
処分の効力の生じた日 2009年3月25日 2009年6月1日 日本弁護士連合会