弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2024年6月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・第二東京弁護士会・田瀬英敏弁護士の懲戒処分の要旨
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処分理由・弁護士費用の時間制報酬方式の不正請求
弁護士費用を時間制報酬方式は時間で決められた報酬を支払う方式、この種の内容の処分は初めてとなります。
第二東京弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士氏名 田瀬英敏
登録番号 25905
事務所 東京都渋谷区恵比寿西1-17-2シャルマンコーポ恵比寿204
田瀬英敏法律事務所
2 懲戒の種別 業務停止2月
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、2019年12月3日頃、懲戒請求者Aから残業代請求事件を受任し、着手金11万円及び諸経費1万円の支払を受けたが、具体的に着手又は処理をせず、懲戒請求者Aに対し、事件処理について何ら合理的な報告をすることもないまま、残業代請求権を時効により消滅させた。
(2)被懲戒者は、上記(1)の事件につき、懲戒請求者Aから印鑑及び残業代のデータが入力されているUSBメモリーを預かったがこれを紛失して返還しなかった。
(3)被懲戒者は、懲戒請求者Bから慰謝料請求等を受任し、弁護士費用を時間制報酬方式とし、損害保険会社の弁護士費用特約の基準に全面的に従うとして、2020年6月25日付け委任契約書を締結したところ、同年9月23日、懲戒請求者Bから電子メールに、被懲戒者の執務時間から遠からず上記基準の上限である60時間に到達すると懸念していることを明記した上で、全ての作業の停止を明確に求めていたにもかかわらず、同月24日に作業を行ったとして、これについて同月28日付け執務内容報告書に執務時間24時間を計上し、損害保険会社に弁護士報酬を請求してこれを受領した。
(4)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第35条及び第36条に、上記(2)の行為は同規程第39条及び第45条に、上記(3)の行為は同規程第5条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4処分が効力を生じた日 2024年2月21日 2024年6月1日 日本弁護士連合会