弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2025年2月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・大阪弁護士会・薄木英一郎弁護士の懲戒処分の要旨

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処分理由・自己破産事件の不適切な事件処理

2回目の処分となりました。

前回と同じく破産事件での処分です。住所は同じですが事務所名称は変更されています。

懲 戒 処 分 の 公 告

大阪弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 薄木英一郎 

登録番号 28537

事務所 大阪市北区西天満4-6-3ヴェール中之島901

薄木総合法律事務所 

2 懲戒の種別 戒告 

3 処分の理由の要旨 

被懲戒者は、株式会社A及びその代表者であるBから自己破産申立事件の依頼を受け、懲戒請求者を含むA社及びBの債権者に対し、2019年10月4日付けで受任通知書を発送したがB所有の不動産の売却をBに委ね、同年12月24日に上記不動産が売却された後の剰余金の保全管理を行わずに散逸させ、上記受任通知書送付後にA社の売掛金等の確保及び回収を進め、A社の負担する債務の一部を弁済する一方で、破産申立てのための予納金を確保することを怠り、受任から2年3カ月余りにわたって事件の処理を放置し、破産申立てを行わないまま。申立代理人を辞任した

被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規程第5条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2024年8月 日 2025年2月1日 日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告 2018年11月号

1 処分を受けた弁護士氏名 薄木英二郎登録番号28537大阪市北区西天満4-6-3

薄木総合法律事務所 2 処分の内容戒告

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、2014年8月30日頃、約10億円の負債がある株式会社Aの代表取締役Bに対し、破産せずに事業を継続する方法として旧会社にだけ債務を残して別会社に事業譲渡する等の方式による私的整理を提案し、Bの同意を得て上記私的整理を進めたが、一部の債権者に対して受任通知を発送し、債権者からの電話対応はしていたものの、私的整理に至る経緯、方針などのまとまった情報を全ての債権者に伝える債権者集会などの場を予定せず、具体的な情報を記載していない中間報告書を一部の債権者に送付したのみで、メインバンクの株式会社C銀行から私的整理について強い懸念を示した上で具体的な質問事項が記載された書面が送られてきたにもかかわらず、これらに回答すらしない等、債権者に対する説明をほとんどしなかった。

(2)被懲戒者は、上記(1)の事件の委任契約書について1か月以上も作成することが困難な事由がなかったにもかかわらず、受任後1か月余り後に作成した。

(3)被懲戒者は、Bから、A社の関連会社でありBが代表取締役として経営する株式会社Dの債務整理の依頼を受けたが、委任契約書を作成しなかった。

(4)被懲戒者は、C銀行の申立てにより裁判所がA社に対する破産開始手続開始を決定したところ、被懲戒者が開設したA社の預り金口座に上記決定後にE社から振り込まれた入金について、A社の破産管財人に何ら連絡することなく、独断でE社らに返金した。

(5)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第5条に上記(2)及び(3)の行為は同規程第30条に、上記(4)の行為は同規程第39条及び第45条に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4 処分が効力を生じた年月日 2018年8月7日  2018年11月1日  日本弁護士連合会