弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2025年3月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・京都弁護士会・神長信行弁護士の懲戒処分の要旨

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処分理由・保釈保証金を返還しなかった、他

懲 戒 処 分 の 公 告

京都弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 神長信行 

登録番号 29097

事務所 京都市伏見区深草平田町54 メゾン・ド・エプーゼ214

信和法律事務所 

2 懲戒の内容 退会命令

3 処分の理由の要旨 

(1)被懲戒者は2018年11月1日、懲戒請求者Aから金融業者7社に対する過払金返還請求の委任を受けたところ、懲戒請求者Aの代理人として、懲戒請求者Aの了解を得ることなくB社との間で2021年3月2日付け合意書を締結した。

(2)被懲戒者は職務上の預り金として被懲戒者の預り金口座に2021年8月25日に入金された23万円、2022年1月7日に入金された95万8385円、同年5月13日に入金された250万円、2023年3月28日に入金された100万円を事務所経費等に私用に流用した。

(3)被懲戒者は、預り金口座として使用していた懲戒請求者名義の預り金口座につき、口座名義に預り金口座であることを明示する文字を用いず、また所属弁護士会に届け出ず、さらに預り金以外の出入金口座としても使用し、自己の金員と明確に区別しなかった。

(4)被懲戒者は上記(1)の過払金返還請求事件の委任を受け着手金を受領したものの、委任事件の報告をしたのは2020年に懲戒請求者Aから受けた電話での報告のみで、その後、更に1年以上経過した後、懲戒請求者Aから架電を求める連絡があったにもかかわらず連絡をせず、また上記(1)の合意書の締結を報告せず、上記合意書に基づく過払金の入金が被懲戒者の口座にあったことを報告しなかった。

(5)被懲戒者は、懲戒請求者Aから2022年8月8日付けの解任通知を受領し、その後受任した懲戒請求者Aの代理人弁護士から説明を求められたにもかかわらず、懲戒請求者Aに対しても上記代理人弁護士に対しても、何ら連絡を取らず報告をしなかった。

(6)被懲戒者は、上記(5)の解任通知が届き委任が終了したにもかかわらず、B社から振り込まれた過払金を懲戒請求者Aに返還しなかった。

(7)被懲戒者は、懲戒請求者Cの親族であるDの国選弁護人として保釈請求を行い、2023年3月28日、裁判所から保釈保証金のうち100万円の還付を受けたが、その出損者である懲戒請求者Cに対して還付された保釈保証金を返還しなかった。

(8)被懲戒者は、2023年5月分から同年12月分まで8か月分の所属弁護士会及び日本弁護士連合会の会費合計27万4400円を滞納した。

(9)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護職務基本規程第22条に上記(2)の行為は預り金等の取扱いに関する規程第2条、上記(3)の行為は同規程第3条第2項から第3項まで及び第4条第1項並びに弁護士職務基本規程第45条に上記(6)及び(7)の行為は同規程第22条行所属弁護士会の会則第120条第1項及び日本弁護士連合会会則第95条第1項に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2024年11月5日 2025年3月1日 日本弁護士連合会

速報】解決金75万円着服の元弁護士に有罪判決 事務所の経費補うため何度も着服、発覚恐れ書類偽造も 2025年3月27日
 民事裁判で預かった解決金を着服するなどしたとして、業務上横領と有印公文書偽造・同行使の罪に問われた元弁護士の被告の男(55)の判決公判が25日、京都地裁であり、大寄淳裁判長は懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役3年)を言い渡した。  

判決によると、被告は、医療法人に対する損害賠償請求訴訟で代理人を受任し、和解成立後の2023年5月25日、損害保険会社から預かった解決金75万円を着服。発覚を免れようと同年9月〜10月、大津地裁作成の和解調書に記載された解決金の支払期限を書き換えて偽造した。  大寄裁判長は判決理由で、被告は自身の法律事務所の経費などを補うために依頼者からの着服を繰り返していたと指摘。「依頼者が弁護士から示された公文書の内容を通常疑うことはない。司法一般に対する信頼を損なう犯行だ」と非難した。  

京都弁護士会は昨年11月、被告を退会命令の懲戒処分とした。

★【速報】解決金75万円着服の元弁護士に有罪判決事務所の経費補うため何度も着服、発覚恐れ書類偽造も3月25日京都新聞 神長信行元弁護士

★弁護士が預り金4件近く着服か懲戒処分11月8日NHK京都 あれ神長信行弁護士は処分が先ですか、退会命令を受け登録取消した? 2024年11月8日

★民事裁判解決金着服や和解調書偽造疑い元弁護士逮捕 京都地検 11月7日NHK神長信行弁護士

★「解決金75万円」支払われず発覚 和解調書の日付など書き換えた疑い 京都弁護士会が弁護士を刑事告発10月2日関テレ神長信行弁護士(京都)