【棄却された懲戒の議決書】被調査人弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所代表と所属弁護士 「離婚に応じることが面会交流拡充の条件」令和6年東綱50~52号

弁護士法人ソレイユ法律事務所の所属の西田佳香弁護士が「離婚に応じることが面会交流拡充の条件」と懲戒請求者(元父親)に述べたことは「子の福祉の観点から適切ではない」と東弁から指摘された、依頼人が弁護士を裏切ったというレアケース 

懲戒請求の理由(要旨)

本件は依頼人である妻Aが懲戒請求者である夫と直接連絡を取り合い、子の面会も被調査人西田佳香弁護士に知らせず何度も実施していた。

妻Aは被調査人が懲戒請求者(夫)へ離婚協議再開を打診するメールの送信を希望し、その内容について、夫と打ち合わせをした。しかし被調査人から懲戒請求者(夫)に送られてきたメールは「離婚に応じることが面会拡充の条件」と打ち合わせと全く異なるメールが来たことから、被調査人は子の福祉を悪用し依頼人の意思に反した交渉を行っていたとして懲戒請求を申し立てた。

また、妻Aと妻Aの母親とのLINEのやりとりが監護権者指定の申立て時に証拠として提出された。しかし証拠提出されたLINE履歴のTEXTとスクリーンショットの内容が相反していた内容についても処分を求める理由に追加された。

時系列(懲戒請求者主張)

① 2020年10月 妻Aの不覚⇒懲戒請求者(父親)が子ども(長男B)を連れて家をでた。

② 2021年6月  監護権は妻A、不貞行為は関係せず、⇒子ども(長男B)を妻Aに引き渡す

③ 2021年8月  即時抗告を取下げ、自弁解任、被調査人と協議離婚を開始するが一時中断となる

④ 2021年10月 妻Aと父親はLINEや電話で直接連絡を取り合うようになり被調査人に内緒で当事者間で日程調整を実施し長男Bと何度も会った。

⑤ 2021年11月 妻Aより財産面の協議だけ被調査人と実施して確定してほしい。最終的に面会で折り合わないことにして被調査人との協議は破談させて成功報酬を発生させないようにしたい。財産面の条件はそのままでADRで離婚をさせようと提案を受ける

⑥2021年12月 当事者間は離婚に合意していることも面会交流が既に拡充されていることも知らない西田弁護士より「離婚に応じることが面会交流拡充の条件」という妻Aと父親で打ち合わせた内容と全く異なる内容のメールが届く

⑦ 2022年1月  相手弁(被調査人ソレイユ法律事務所)に知らせず「りむすび」のADRを開始

⑧ 2022年2月 被調査人ら知らせず週1回一泊二日の面会交流を約束した公正証書を作成し離婚に応じた。

⑨ 2022年7月 妻A(元妻)と長男Bが不倫相手と同居開始

⑩ 2022年12月 妻A(元妻)が不倫相手と再婚、長男Bを養子縁組とした。

⑪ 2023年3月 話し合いの上、月5泊、夏休み冬休みは5泊か4泊の長期宿泊、保育園は昼迎え。養育費はゼロになるが、協力金として5万円振り込むということで合意。
⑫ 2023年11月 元妻が⑨の約束の保育園昼迎えを、協議なく習い事などで不可能にし、埋め合わせの方法で揉めていると、突如として、別の弁護士を立てて、面会交流禁止を申し立てる。
⑬ 2024年3月以降、面会はない。

懲戒請求申立日2024年2月13日 

現状は元妻Aの代理人もかわり調停中審判中だとして子どもと会えていませ

偽造されたLINEという文言が出てきますがこれは監護者指定の申立時に妻Aと妻Aの母とのLINEでのやりとりの中で「夫に殺されるかもしれないから逃げた」としたLINEスクリーンショットを偽造した件である。   妻Aより「金銭面の話し合いだけソレイユの弁護士にやらせて、最終的には面会の条件で折り合わないことにして破談させる」という提案があった。
議 決 書 

懲戒請求者  「離婚に応じることが、面会交流を拡充の条件」とメールを受け取った父親

(和6年東綱第50号) 

被調査人  T100-0005  東京千代田区丸の内2-2-1岸本ビルヂング4階 

弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 

被調查人  西田佳香 (登録番号54336) 

(令和6年東綱第51号) 

調查人  弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 

早瀨智洋 (登録番号42728) 

(令和6年東綱第52号) 

調查人  弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 

中里妃沙子 (登録番号 24055

委員4部会は頭書事案について調査終了ので審議の上以下とおり議決する。 

主  

調査につきいずれ懲戒委員事案審査求めないこと相当する。 

第1 事案の概要 

事実及び理由 

調査依頼ある懲戒請求相手方として申し立て引渡し審判申立事件において偽造改竄証拠提出としてまた面会交流について交渉事件において懲戒請求離婚応ずること面会 交流拡充の条件するという不当主張依頼意向反し行っ懲戒請求事案ある 

第2 前提事実 

1 懲戒請求と妻A(以下「妻Aという) 平成28221婚姻夫婦あり両者平成29410長男B (「長男Bという) 出生。 

2 懲戒請求、 妻A及び長男B川崎所在懲戒請求名義マンション (自宅マンションという)において同居自宅マンション近く、 妻A両親居住いる妻A実家ある。 

懲戒請求実家、 兵庫県ある。 

3 令和210月✕、 妻A懲戒請求に対し離婚すること申し入れ。 同月〇以降懲戒請求懲戒請求手助けするため自宅マンション訪れ滞在同日、 妻Aは長男B置い自宅マンション。 

同月12、 妻A、妻A及び懲戒請求懲戒請求者と妻A問題について話し合っ。 

同月17懲戒請求懲戒請求とともに、 長男B懲戒請求連れ帰っ。 

4 令和210月✕、 妻A調査に対し離婚交渉事件及び引渡し審判申立事件について委任。 

同年115、妻A調査手続代理人として引渡し申立事件 (〇〇家庭裁判所2() 13✕✕) (以下本件審判申立事件」 

という)監護指定申立事件 (神戸家庭裁判所2() 135✕4)(本件審判申立事件併せ以下本件審判申立事件という)立て。 

5 令和33月✕本件審判申立事件期日において調査、 妻Aと妻ALINEトーク履歴 (以下本件トーク履歴という)25号証及び 33号証(いずれ本件審判申立事件証拠番号) として提出(152。 なお以下25号証本件トーク本件トーク履歴133号証本件トーク履歴本件トーク 履歴2という)。 

懲戒請求本件トーク履歴2偽造改竄疑い同年421付け 相手方主張書面 (3) (本件審判申立事件における懲戒請求の主張書面)にて、 本件トーク履歴2スクリーンショット提出求め(3)。 

同月28期日において調査本件トーク履歴2スクリー ショット(以下本件白黒スクリーンショットという) 45号証」 (本件審判申立事件証拠番号)として提出(5)。 

懲戒請求同年57付け相手方主張書面において本件白黒スクリ ーンショット不鮮明かつ一部のみあっため対象期間カラー印刷提出するよう求め(6)。 

その後期日において調査対象期間についてカラー印刷スクリーンショット(以下「本件カラースクリーンショットという)46号証(本件審判申立事件証拠番号)として提出(7) (本件白黒スクリーンショット本件カラースクリーンショット併せ以下「本件スクリーンショットという)。 

6 令和3611本件審判申立事件について未成年監護を妻A定める懲戒請求、妻Aに対し 未成年引き渡せ審判(3)。 

同月25まで懲戒請求上記審判について即時抗告申し立て同月28懲戒請求、 妻Aに対し、 長男B引き渡し。 

同年7月✕懲戒請求、長男B直接面会交流行っ。 

同年8月✕付け 連絡題する書面調査懲戒請求代理人弁護士送付その令和37月✕面会交流において懲戒請求極めて不適切言動により直接交流が長男B精神負担いること明らかなっ漫然と直接交流継続すること、長男B反する

妻A当面11あたり4時間直接交流行うこと提案7月✕直接交流結果受け上記提案撤回する。 

今後直接交流実施について7月✕直接交流明らかなっに関する改善方法とともに懲戒請求から提案があれ検討する。間接交流について懲戒請求) 提案どおりZOOM 交流を実施いく」 述べ(9)。 

同年8月✕懲戒請求即時抗告取り下げ(4)。 

7  令和3927調査西田佳香 (以下調査西田という)懲戒請求に対しEメール送信懲戒請求9面会交流いる面会交流実施条件合意できない段階実施日程だけ決めることできない連絡(10)。 

8 その後、妻A調査直接懲戒請求連絡取り合い、妻A調査離婚条件を詰める作業から解任あとむすび離婚協議作っもらうことについて相談(甲11)。 

9 令和312月✕調査西田懲戒請求に対し懲戒請求からの面会交流拡充要求に対する応答Eメール送信(12)。 

10 令和42中旬、妻A調査解任。 

第3 懲戒請求事由の要旨 

1 懲戒請求事由 1 

調査本件審判申立事件において偽造改竄本件トーク(本件トーク履歴1含む)及び本件スクリーンショット証拠として提出。 

.偽造 改竄証拠提出すること弁護士職務基本規程14及び75違反弁護士561規定する非行ある。 

2 懲戒請求事由 2 

懲戒請求本件審判申立事件かかる審判審理手続において書面調査提出証拠 (本件トーク履歴及び本件スクリーンショット偽造改竄箇所明確指摘ところ調査偽造改竄づい関わら審理終結まで16日数ありながら偽造・ 改竄証拠取下げなかっ。 かかる行為弁護士職務基本規程74及び75違反非行ある。 

3 懲戒請求事由 3 

調査、妻A代理人として離婚に関し懲戒請求交渉した懲戒請求と長男B面会福祉称し不当制限依頼ある妻A意思に反する内容ある離婚応ずること面会交流拡充せるため条件ある旨不当主張。 

調査依頼意思疎通怠り福祉悪用その意向反し交渉懲戒請求に対し行っかかる行為弁護士職務基本規程5規程22及び規程36違反する行為あり非行であ。 

第4 被調査人らの答弁及び反論の要旨 

1 懲戒請求事由1について 

(1) 妻A証拠 (本件トーク履歴及び本件スクリーンショット)偽造改竄事実調査偽造改竄事実いずれない。 

調査依頼より受領本件スクリーンショット何ら加えることなく証拠番号のみ付して、そのまま裁判所懲戒請求提出。 

調査本件スクリーンショット提出する必要提出時期つい依頼十分相談ものの偽造改竄について相談こと。 

提出までいかなる段階において証拠偽造改竄関与事実。 

(2) 裁判所、妻Aに対し偽造改竄に関するなる説明証拠追加求めることなく審理終結そして令和3611監護を妻A定めるとともに懲戒請求に対し、妻Aに長男B引き渡すこと命 じる審判下したが 審判書きにおいて、 妻Aによる証拠偽造改竄について言及ない。 

懲戒請求上記審判不服あるとして〇〇高等裁判所即時抗告立て同年8月✕自らこれ取り下げ (4)審判確定。 

以上からすれ本件審判申立事件において依頼が提出証拠(トーク履歴及び本件スクリーンショット)偽造改竄問題裁判手続において実質決着済みある。 

2 懲戒請求事由2について 

前項とおりある。 

3 懲戒請求事由3について 

(1)懲戒請求令和37月✕、長男B面会交流福祉観点照らし不適切言動及んそのため、妻Aかかる状況する必要ある考えやむなく114時間という直接交流施提撤回。 

妻A以後懲戒請求と長男B直接交流一切遮断するつもりなど なく適切条件下直接交流再開すること念頭おいのであこのこと、妻A懲戒請求改善求めそれでも面会交流実施 条件について合意形成できない場合には面会交流調停利用するという 意向調査を通じて懲戒請求に対し示しことから明らかであなお、妻AZOOM 交流を継続する意志懲戒請求に対し伝えいる(9)。 

上記同年7月✕直接交流から2同年9月✕、 妻A懲戒請求に対し面会交流実施条件を明確提示うえ11あたり4時間直接交流再開調査を通じて打診(10). したがって調査懲戒請求と長男B面会交流不当制限ことない。 

なお調査、 妻Aによるこれら一連判断、 妻A十分相談打ち合わせうえ代理人として、 妻A意向として懲戒請求伝え。 

(2) 被調査人らが離婚を面会交流拡充の条件にしたことはない。 

懲戒請求面会交流拡充要求に対し、 妻A懲戒請求離婚応じないうち面会交流拡充応じない調査主張して。 

これに対し調査面会交流権利あり自身離婚実現せるために長男B面会交流権利犠牲するよう主張控えるべき依頼窘め(6)。 

妻A離婚自身親権ならない限りまた懲戒請求に長男B連れ去られるない面会交流拡充連れ去り危険を増大せるないという不安払拭でき。 

そこで調査背景ある、 妻A不安心情懲戒請求えるため「妻Aとして面会交流充実せるあれ大前提て長男Bくん安心面会交流送り出せる環境作り出すこと具体懲戒請求者〇離婚応じいただくこと必須ある考えおります記載Eメール懲戒請求送っ(12)

このよう調査当該記載あくまでも依頼本人考えあること明確示しまた面会交流拡充離婚前提あるする妻A本人強い意向あり調査かかる妻A意向事前十分聴取請求伝え。 

(3) 調査、 妻Aメール電話、面談緊密に連絡とりあいその意向把握努めあり(21ない3) 妻A意思疎通怠っ事実ない。 

第5 証拠の標目 

別紙証拠目録記載とおり。 

第6 当委員会第4部会の認定した事実及び判断 

1 前提事実証拠により認められる。 

2懲戒請求事由1について 

本件審判申立事件証拠提出本件トーク履歴及び本件スクリーンョット偽造改竄証拠あるという事実及び調査偽造改竄関与したという事実いずれ事実について認める足りる証拠ない。 

したがって懲戒請求事由1認められない。 

3懲戒請求事由2について 

懲戒請求事由について前項とおりあるから調査本件トーク履歴及び本件スクリーンショット偽造 改竄ものあること認識認めることでき証拠として提出本件トーク履歴及び 本件スクリーンショット調査取下げなかっとして何ら非行あたらない。 

したがって懲戒請求事由2認められない。 

4 懲戒請求事由3 

(1)調査懲戒請求と長男B面会交流不当制限という事実認める足りる証拠ない。 

むしろ証拠よれ調査懲戒請求に対し令和38月✕付け書面にて懲戒請求同年72✕に長男B面会交流福祉観点から不適切言動及んこと理由それまで懲戒請求に対して提示114時間という直接交流実施提案回しいるものの併せ懲戒請求改善求めそれでも面会交流実施条件について合意形成できない場合面会交流調停利用するいう意向示しこと (9)同年7月✕直接交流から2同年9月✕調査西田懲戒請求に対し面会交流実施条件明確提示うえ11あたり4時間直接交流再開打 こと(10) 認められ したがって調査福祉踏まえの面会交流応じよたといえる。 

(2) 証拠よれ令和3128調査西田懲戒請求に対し「妻Aとして面会交流充実させるあれ大前提として長男B安心面会交流送り出せる環境作り出すこと具体は、懲戒請求者〇離婚応じいただくこと必須ある考えおりますEメールにて述べこと(12) 本件審判申立事件審判懲戒請求面会交流拡充求めくるようなっこと (9)懲戒請求離婚応じないうち面会交流拡充応じない主張する妻Aに対し調査西田面会交流権利あり自身離婚実現せるために長男B面会交流権利犠牲するよう主張控えるべきある述べ 窘めこと (6) 認められる。 

確か上記312月✕Eメールにてそれ、 妻A意向伝えだけあるとして調査西田懲戒請求に対して離婚に応ずること面会交流拡充せるため条件ある提示いえる。 

しかし離婚応ずること面会交流拡充条件するという主張子の福祉観点から適切ない言えるかもしれないこのよう主張をすること自体違法あるいえない調査人西田このよう主張することは控えるべきある述べて妻A説得こと (6)まで調査懲戒請求に対し福祉踏まえ面会交流応ずる意向示しこと(10) から調査西田請求に対して離婚応ずること面会交流拡充せるため条件ある提示行為非行あるまでいえない。 

(3) また面会交流について調査懲戒請求に対する交渉にあたり調査が妻A意思疎通怠り、 妻A意向反し交渉行っいう事実認める足りる証拠ないむしろ調査、 妻A頻繁連絡とりあっという事実認められる (乙21ない3

(4) 以上より懲戒請求事由3認められない。 

よって主文とおり議決する。 

61115日 

東京弁護士綱紀委員4部会  会長 (記載省略

東京弁護士事務局長 望月 秀之

6綱第50~52号