弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2022年 月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・神奈川県弁護士会・大﨑克之弁護士の懲戒処分の要旨

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処分理由・離婚調停事件の杜撰な事件処理

2回目の処分 1回目 業務停止2年 判決文偽造事件放置 

今回の処分後、弁護士登録の取消を行いました

懲 戒 処 分 の 公 告

神奈川弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 大﨑克之

登録番号 36213

事務所 川崎市川崎区駅前本町3-1 NMF川崎東口ビル4階

川崎パートナーズ法律事務所 

2 懲戒の種別 業務停止6月

3 処分の理由の要旨 

被懲戒者は、懲戒請求者から2021年5月11日、離婚調停事件を受任したところ、懲戒請求者に足し、同年7月8日に懲戒請求者にとって初回となる調停期日が開催されるに当たり、調停の当事者本人が調停期日に出頭することの適否についての説明を行わず、同年9月8日の調停期日が開催されるにあたっては、書面を取り交わすだけなので、懲戒請求者は出頭する必要がないと説明し、懲戒請求者が2回の調停期日に出頭しない状況にした

また、被懲戒者は2022年1月25日開催予定の調停期日に先立つ同月21日に、懲戒請求者と打ちあわせを予定していたが、懲戒請求者に対し、新型コロナウイルスの濃厚接触者になったなどとメールを送信して打合せを中止し、その日のうちに日程調整の連絡をせず、同月25日の調停期日は3月25日に延期になった、

さらに、被懲戒者は、同年12月22日の調停期日当日に、懲戒請求者に対し、新型コロナウイルスに感染したため調停に出席できない旨の連絡をメールでしたが、懲戒請求者が被懲戒者にどうすればよいかなどのメールを送信しても何ら返信せず、同月23日以降、懲戒請求者が複数回連絡しても、連絡が取れない状態になった。

被懲戒者の上記行為は、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2025年3月11日 2025年7月1日 日本弁護士連合会

当会会員に対する懲戒処分についての会長談話 2025年3月11日付

本日、当会は、2025年1月15日付け懲戒委員会の議決に基づき、当会の大﨑克之会員に対し、業務停止6月の懲戒処分を行い、その効力が生じました。

同会員は、受任した家事調停事件について、期日の出頭の要否などについて依頼者に必要な事項を説明せず、依頼者からの具体的な指示等についての急を要する質問に対しても、回答をしませんでした。また、同会員は、同依頼者から申し立てられた紛議調停手続に連絡なく欠席した上、当会からの、綱紀懲戒手続に関する弁明や事情聴取のための呼び出しの求めに対しても、全く応じませんでした。

以上のような同会員の行為は、「弁護士は、必要に応じ、依頼者に対して、事件の経過及び事件の帰趨に影響を及ぼす事項を報告し、依頼者と協議しながら事件の処理を進めなければならない。」と定める弁護士職務基本規程に違反するとともに、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当するものです。

同会員は、受任した事件4件について長期間にわたり放置し、それを糊塗するために判決書の一部を偽装するなどしたとして、2023年10月16日に業務停止2年の処分を受けており、今回の懲戒処分は、前回処分以前の行為とはいえ、重ねてこのような処分を受けたことは誠に遺憾です。

当会としては、弁護士及び弁護士会に対する信頼回復に努めるとともに、弁護士の職務の適正の確保に向けて 全力で取り組んでいく所存です。

2025年3月11日  神奈川県弁護士会 会長岩田武司

懲 戒 処 分 の 公 告 2024年2月号

神奈川県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 大崎克之 登録番号 36213

事務所 川崎市駅前本町3-1 NMF川崎東口ビル4階 川崎パートナーズ法律事務所 

2 懲戒の種別 業務停止2年

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、2019年頃、懲戒請求者Aの亡母Bの相続財産に関する調査及び回収を受任したが、特段の事情がないにもかかわらず、事件処理を放置した上、2021年頃、懲戒請求者Aに対し、架空の訴訟事件における書面を交付して、あたかも事件処理をしているかのよう装った。 

また、被懲戒者は2019年6月下旬頃、懲戒請求者AがBから相続したマンションの管理会社Cからの滞納管理費の支払い請求につき、懲戒請求者Aからその対応を受任したが、弁護士報酬に関する事項を含む委任契約書を作成せず約2年1か月間放置した。

さらに、被懲戒者は2021年8月、C社から滞納管理費の支払いを求める訴訟の提起を受けた懲戒請求者Aに対し、真実に反してあたかも相続放棄の申述が可能であると説明し、同年10月下旬頃、相続放棄申述書の草案を交付した上、上記訴訟の受訴裁判所及び懲戒請求者Aとの間で音信不通の状態となり、上記訴訟の追行を怠った。

(2)被懲戒者は、2019年10月22日、懲戒請求者Dから、同人の元妻を相手方とする親権喪失の審判及び面会交流の調停の各申立てを受任したが、2021年2月19日頃、懲戒請求者Dとの委任契約が終了するまでの間、特段の事情がないにもかかわらず、上記各申立てを放置した上、懲戒請求者Dに対し、上記各申立てを前提とする虚偽の報告をし、その後懲戒請求者Dからの連絡にも応じない不誠実な対応をした。

(3)被懲戒者は、2021年9月、Eから建物明渡請求事件を受任し、着手金の支払いを受けたが、弁護士報酬に関する事項を含む委任契約書を作成せず、事件処理を放置し2022年4月から同年5月頃にかけて上記事件の進捗状況を問い合わせしたEに対し、第1審で勝訴した被告が控訴したとする虚偽の報告を行った。

また被懲戒者は同年6月頃、上記事件の判決書写しの第1頁を偽装してその写真を送り、その画像を送信した。

(4)被懲戒者は2022年6月30日、懲戒請求者Fから離婚訴訟の提訴を受任したが、その後。実際には訴状を提出していないにもかかわらず、懲戒請求者Fに対し、訴状を提出していないにもかかわらず、懲戒請求者Fに対し、訴状を提出した旨及び裁判期日が指定された旨説明し、また、架空の事件番号を告げ、虚偽の報告をした。

(5)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第5条、第30条第1項、第35条、第36条及び第76条に上記(2)の行為は付同規程第5条、第35条、第30条第1項、第35条、第36条及び第76条に上記(3)の行為は同規程第5条、第30条第1項及び第36条に上記(4)の行為は同規程第5条及び第36条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2023年10月16日 2024年2月1日 日本弁護士連合会