日弁連広報誌『自由と正義』2026年4月号 

特集 総合法律支援法本格施工20年と日弁連の司法アクセス拡充の取組 

持続可能な総合支援体制の確保 東京弁護士会会員 寺町東子 

① はじめに ② 事件の長期化。複雑化 ③ 中核を担う契約弁護士の現状 ④ 改革の必要性

全文公開することはできません。自由と正義は1冊でも購入可能です。日弁連企画部広報課「自由と正義」担当宛お問い合わせください。03‐3580‐9841 1冊1050円
② 事件の長期化・複雑化
・・・民事の第一審通常訴訟の審理期間は、6か月以内の割合が56,6%から、49,6%に減少するとともに、1年を要した割合が23,6%から29,3%へ増加した、その要因としては、比較的争点の少ない過払金請求事件が減少し、建築や医療など専門性が高い事件や、事実関係が複雑で立証を要する事件などの比率が増えていることが挙げられる。
次に、主に離婚が争われる婚姻関係事件(調停・審判9の審理期間は、3か月以内の割合が47,6%から26,8%へと減少、6か月超1年以内の割合が15,2%から29,4%へと2倍に増加、1年超の割合が2,3%から12,8%へと5,5倍増加した。
また、離婚に伴う子の監護に関する事件の審理期間が3か月以内の割合が47,8%から22,3%へと半分以下に6か月超1年以内の割合が17,2%から31,1%へと約2倍に、1年超の割合が4,9%から19,0%と4倍に創価している。
(自由と正義2026年4月号より)
家事事件の長期化の要因としては
①「法は家庭に入らず」という伝統的な考え方から、家庭内における暴力や虐待に対して積極的に法が関与する考え方に転換し、DV防止法(2001年)や児童虐待防止法(2000年)が定められ、離婚原因あ親権者を定める前提として事実の争いが激しくなったこと② 家事事件手続法の施行により当事者主義的な手続運営がなされるようになっていること
③ 2012年に施行された改正民法において、離婚に際し離婚後の子の監護に関して「父または母と子の面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担」を定めるよう明記され、これらをめぐる紛争が増加したこと
④ 双方あるいは一方当事者に代理人が付いている事件の割合が2006年には26,3%だったのに対し、2024年には65,2%に上昇しており、裁判外交渉では解決できなかった紛争性の高い事件が裁判所に持ち込まれるようになったことなどが挙げられよう。
特に、子どもをめぐる争いでは、子どもの最善の利益を図り、子どもの意見表明権にも配慮しながら事件の解決を探るには、依頼者や子どもとの丁寧なコミュニケーションが求められる。調停が係属しているにもかかわらず裁判所のマンパワー不足から裁判所外で代理人同士が面会交流の施行を仲介せざるを得ない事案もある。

また、DVや虐待のある事案では、依頼者や子どもが鬱やPTSDなどの精神疾患に罹患している事案も少なくないことから、医療者との連携が必要となったり、依頼者との主張立証や方針決定に関するやりとりが迅速に進まなかったりすることもままある。

(自由と正義4月号より)

Screenshot

以上 自由と正義4月号より 

寺町東子弁護士  登録番号23479 東京きぼう法律事務所 東京弁護士会2025年度日弁連副会長