塀の中からの懲戒請求 ③ 服役囚からの手紙（２）
強盗傷害事件を起こして刑務所にいる服役囚が弁護士の懲戒請求を出しています。
自分の裁判（裁判員裁判）の国選弁護人の弁護が怠慢であった。
自分の思いを法廷で言ってくれなかったという内容です。
接見に対する不満、なぜ事件を起こしたか真実を語って欲しかったというものです。
甘えるな！お前は犯罪者じゃないか。罪を償うために刑務所にいるのではないか
なにが懲戒請求だ！
そういうコメントも頂きました。その通りです。刑務所の中は罪を償うためのものです。
また刑事事件の国選弁護人が懲戒処分になるわけもございません。あの光市母子殺害事件で
弁護団の弁護活動が批判されましたが懲戒処分はありません。
私もそのくらいは分かっています。
服役囚から手紙が来ました
9月のはじめでした。国選弁護人の所属弁護士会に懲戒請求を出して棄却され、その後
日弁連に異議申し立てを出しました。その異議申立が棄却されたという手紙でした。
この後の相談でした。
綱紀審査会に審査請求をしたいけれど、会長、あなたはどう思いますかという内容
服役囚へ私の返事
綱紀審査会に審査請求を出しても審査開始の可能性は1％。
そして所属弁護士会に差し戻しされ懲戒処分になる可能性は0,1％あるかないか
日弁連が国選弁護人の怠慢な弁護活動で懲戒処分を出すとは思えない
国選弁護人の弁護活動が不満なら解任すればいいと言われるだけでしょう
弁護士懲戒請求とは個人の不満を解決するためのものではありません。
弁護士に非行や法律行為に不満があれば弁護士会が弁護士に懲戒するという制度で
個人の被害救済をするためのものではないのです。
それより、このまま懲戒請求を続けていたら、あなたが受けた判決に不満があるとか
あなたが起こした犯罪の罰を認めていない。罪と向き合っていないのではないかと思われます。
それでも懲戒処分を取りに行きますか？もうひとつ。この件が刑務所や検察に知れることになった時、反省していないとされ仮釈放の時期が遅くなるのではないか
それでも綱紀審査会に最後の最後の審査願いを出すのですか
あなたは仮釈放の時期が遅れてもいいという覚悟はありますか。リスクは承知の上のことですか
お父さんは早く出所を願っているのではないのですか？
そんな手紙を服役囚と彼のお父さんに送りました。
そして、その返事が9月29日届きました。
以下次回
