証拠録画提供の弁護士処分せず 大阪弁護士会
無罪が確定した男性の取り調べの様子が録画されたDVDをNHKに提供したとして、大阪地方検察庁が懲戒処分にするよう求めていた弁護士に対し、大阪弁護士会は先月、懲戒処分にしないことを決めました。これについて、大阪地検は「刑事訴訟法で禁止された証拠の目的外使用に当たることは認定された」として、異議を申し出ないことを決めました。傷害致死事件で無罪が確定した男性の取り調べの様子が録画されたDVDをNHKに提供したとして、大阪地方検察庁は去年5月、大阪弁護士会に所属する佐田元眞己弁護士を懲戒処分にするよう弁護士会に求めました。
大阪弁護士会は先月、「証拠の目的外使用には当たるが、関係者のプライバシーや名誉は守られており、弁護士の品位を損なう行為には当たらない」などとして、佐田元弁護士を懲戒処分にしないことを決めました。
これについて、対応を検討していた大阪地検は「刑事訴訟法で禁止された証拠の目的外使用に当たる行為を行ったことは明確に認定された」として、日本弁護士連合会に異議を申し出ないことを決めました。
佐田元弁護士は「懲戒処分にならなかったことは私個人にとってはありがたいことだ。しかし、弁護士会が証拠の目的外使用だと認めてしまったのは重大な誤りで、何らかの形で誤りを正さないといけないと思っている」と話しています。
大阪弁護士会は先月、「証拠の目的外使用には当たるが、関係者のプライバシーや名誉は守られており、弁護士の品位を損なう行為には当たらない」などとして、佐田元弁護士を懲戒処分にしないことを決めました。
これについて、対応を検討していた大阪地検は「刑事訴訟法で禁止された証拠の目的外使用に当たる行為を行ったことは明確に認定された」として、日本弁護士連合会に異議を申し出ないことを決めました。
佐田元弁護士は「懲戒処分にならなかったことは私個人にとってはありがたいことだ。しかし、弁護士会が証拠の目的外使用だと認めてしまったのは重大な誤りで、何らかの形で誤りを正さないといけないと思っている」と話しています。
以上NHK
サンケイの記事
弁護士の懲戒処分専門ブログです。
刑事訴訟法で公開することを禁止されているものを公開した。この弁護士のやったことは検察の不正を正すことや裁判の公正にとって不可欠なものであるとNHKにDVDを公開した。この行為は弁護士として正義のために行ったこのであるとの弁護士側やジャーナリストの江川詔子さんが弁護士として正しい行為だと述べています。
私のブログは懲戒処分専門ですので別の観点からこの懲戒を見てみます。
大阪弁護士会綱紀委員会は検察から出された懲戒請求を棄却しました。
その内容は『「刑事訴訟法で禁止された証拠の目的外使用に当たる(行為刑事訴訟法には違反するが)処分まで至らない』 懲戒請求者の検察側は懲戒処分は取れなかったが『刑事訴訟法に違反している』認めてくれたのでここらで刀を納めた。
対象弁護士は『懲戒処分にならなかったことはいいが、「刑事訴訟法で禁止された証拠の目的外使用に当たる(行為刑事訴訟法に違反をしている)』と綱紀の議決書に書かれてしまった。
なんと日本的な解決方法だろうか。
双方一両損、双方一両得のまあまあここらへんで納めましょうという解決方法。
日本人が好きな玉虫色とかいうもの、なんだかすっきりしない
今回の懲戒をしないという決定に文句はいいませんがこの弁護士さんは正義のために公開する。刑事訴訟法には違反するかも知れないが正義のため公正な裁判のために俺はやる。懲戒処分がなんだ。懲戒処分覚悟で公開するんだ!という意気込みではなかったようです。刑事訴訟法に抵触するということは考えなかったのでしょうか?
私の元には多くの議決書が送られてきます。
その中で一番多いのが『○○法に違反する行為ではあるが処分するまでには至らない』と書いてあるのがけっこうあります。綱紀委員会で『懲戒相当』を取ってよくやったと喜んでいたが処分を決める懲戒委員会で『対象弁護士の行為は弁護士の品位を失う行為であることは認められるが処分するまでには至らない』
なんじゃそれは!どっちやねん!はっきりせいと言いたくなる。
『日弁連懲戒請求の流れ』
弁護士に出された懲戒処分は弁護士だけの綱紀委員会で審議され『懲戒相当』と判断されたら次に弁護士以外も参加した懲戒委員会で『処分ナシ』『戒告』『業務停止』『退会命令』『除名処分』の中から選ばれます。
多くの懲戒請求者はやったことのない懲戒請求書を書いて弁護士会に書面をだして呼び出しも受けて綱紀委員会で1年くらい待たされやっとこさ『懲戒相当』の議決をもらい、よかった、長く待ったかいがあったと思っていたら『懲戒委員会』でひっくり返された。ということがけっこうあります。『懲戒委員会』は懲戒請求者は出席できません。綱紀で懲戒相当となって弁護士はこれは処分になると大変だ!と対象弁護士や代理人が懲戒委員会に出頭し、頭を下げて弁明書や謝罪文(弁護士会宛)を出してなんとか処分ナシまで頑張るのです。
懲戒請求者が綱紀委員会の非公開が前提の議決書を公開したりまるで懲戒処分が決定されたと対象弁護士を犯罪者のような言い方をして対象弁護士の名誉を低下させた場合には取消になることもあります。懲戒相当と議決されても処分が決定したわけではなく綱紀の時点では推定無罪ですから『懲戒取ったゾ~』と勘違いして過激な行動をとると 『弁護士として品位を失うべき行為ではあるが処分するまでには至らない』という議決になりかねます。気をつけなければなりません。
それにしても大阪弁護士会は双方に傷がつかないようにうまいことします。
以前に橋下徹弁護士が業務停止2月の処分を受け処分の前日にマスコミに処分の情報が漏えいしたことで『大阪の弁護士は道頓堀でケツ出す』『大阪弁護士会長(当時)の知能指数は幼稚園以下、、』と下品な発言をして懲戒請求を出された件で大阪弁護士会は「橋下氏にあのような煽って発言をさせたのはマスコミだ。マスコミが悪い。橋下弁護士は悪くない」と懲戒請求を棄却しました。この時の橋下氏は今とは違い飛ぶ鳥を落とす勢いでしたから大阪弁護士会も苦労したことでしょう。今なら戒告くらいは出たと思います。
弁護士会の綱紀委員は弁護士にも懲戒請求者にも気を使っていることは理解
できますが
『○○法に違反している行為であるが処分するまでには至らない』
なんだかよく分からない。
たとえばスピード制限50キロの道を55キロくらいで走った。
そんな程度かな。違反だけど切符は切れない!