記者のつぶやき
続 「判決書(判決文)の公開」 (補足記事)
先週末 「判決書(判決文)の公開」 を 記者のつぶやき 記事として配信しました。
記事 【記者のつぶやき】 「判決書(判決文)の公開」
この記事文頭に・・
『当会ブログには,日々質問が寄せられています。
その中でも直近で「判決文の公開について」、数件続いて質問等ご意見も寄せられておりましたので,一般論として配信したいと思います。
「判決文(判決書)の公開は問題ないのか」「なぜ、判決文(判決書)は公開して良いのか」などについて,質問内容は要約されます。』
と示しておりましたが、質問内容の要約でもう1点「ウッカリ」忘れておりました。
「一部マスキングされた判決書(判決文)を、マスキング箇所に “加筆” し 公開」
がございました。
ご質問ご意見頂いておりました数名の方からご指摘いただきました。申し訳ございません。
これも一般論、記者のつぶやき として、「記者をアップ」・・いえいえ「記事をアップ」します。
「一部マスキングされた判決書(判決文)を、マスキング箇所に “加筆” し 公開」
これはそもそも、何故
「 “加筆” する必要が “何故” あるのか」
「マスキング付した判決書を開示した出元(提供者)は、“加筆” と “公開” に賛同か」
が先ず、問題要素として存在すると思います。
裁判はそもそも公開されているのだから 「判決書を公開しても構わない」 の趣旨ならば、そもそも、その判決書に 「加筆は不要」 でしょうし、他方、判決書(判決文)をそもそも渡した人物が 「判決書を渡した(開示)目的と全く異なる違う意図で利用(公開)」 されていた場合、これを認知した時点で 「適正な処置・是正」 する行為が、必要ではないでしょうか。
もっとも、判決書を渡した(開示)した当事者が 「公開利用される実態を認知」 してもなお、この公開利用されている主旨に “賛同” ならば 「適正な処置・是正」 はしないでしょう。
この場合 「共同責務」 が発生する可能性が充分にあると思います。
判決書の中でマスキングされた箇所を「加筆」して公開する行為自体、「裁判は公開」とは、「違う目的に利用」が、高く疑われます。
しかも「初めて会う人物」 に対し、控訴中や上告中にも関わらず原審判決書を渡す(開示)することは、「(開示する)正当な理由」 は成立するとは思えません。
民事訴訟を経験した皆さん、判決書を今まで知らない人物 「初めて会った人物」 に「判決書(判決文)」を渡す(開示)すること自体、「一般的に無い」ことと思いますが、「裁判は公開」と主観や自論で捉えることなく、一方では非常に リスク を伴うこともあろうかとも思いますのでご留意を。
我々一般市民と比べて、相応法曹に詳しいが然りの職責人物による「判決書の公開」では、公開する責務は大きく異なると思います。
もっとも、守秘義務を課せられる職責であれば 「公開・非公開」 問わず、「正当な理由」「目的に際した必要な範囲に限定」 なる認識が自然でしょうけれども。
いずれにせよ 「民事訴訟は、善・悪を判断するものではない」 です。
「確定していない判決書(控訴や上告など係争中)の公開発信」 は責務が伴い、加えて「第三者による加筆の有無」 などのような経緯が存在すれば、
「引用発信(リツィート)も前後の状況を踏まえた上では、拡散などの目的、実態、この経緯(帰趨)からは、責任を問われる可能性がある」
のではないでしょうか。
(記者 札幌 S.S)