弁護士自治を考える会
弁護士の懲戒処分を公開しています。処分内容別に書庫を設けています。この書庫は弁護士報酬について処分を受けた処分要旨を公開します
主な処分理由
① 報酬の説明がない。依頼者との合意がない。
② 過大な報酬
③ 預り金から報酬を差し引く
1 懲戒処分例 2013年まで https://jlfmt.com/2017/08/15/31412/
懲 戒 処 分 の 公 告 2017年6月号 香川
 懲戒を受けた弁護士氏名  西山司朗15089 戒 告
処分の理由の要旨
被懲戒者は201371日、被懲戒者、懲戒請求者及び日本司法支援センターの三者間で代理援助契約を締結し、同日頃、懲戒請求者の代理人として、懲戒請求者の夫Aに対する離婚訴訟を提起した。また被懲戒者は20145月頃、懲戒請求者に対し、上記離婚訴訟に関連してAを被告とする保険契約上の地位確認、預金債権及び国債の帰属確認訴訟など別訴を提起する必要があり、その着手金として170万円が必要である旨提案したが、懲戒請求者は上記提案に回答しなかった。被懲戒者は上記離婚訴訟につき懲戒請求者が同年625日に被懲戒者の解任を申し出て、上記センターがこれを承認し、その後、被懲戒者の解任が決定したところ、上記離婚訴訟について上記センターによる報酬決定がなく、また上記別訴について委任契約締結に至っていない以上、懲戒請求者が報酬支払義務を負うものではなく、したがって法律的な根拠を欠くことは明らかであり、法律専門家である被懲戒者であればそのことを容易に知り得たにもかかわらず、同年1212日懲戒請求者を被告として、不当な解任によって弁護士報酬を失ったなどとして、200万円及び遅延損害金の支払を求める損害賠償請求訴訟を提起した。4処分が効力を生じた年月日 201732日 201761日 日本弁護士連合会
懲 戒 処 分 の 公 告 2017年7月号

 処分を受けた弁護士氏名 山崎省吾18776事務所 戒 告

処分の理由の要旨(1)被懲戒者は懲戒請求者から交通事故の自動車損害賠償責任保険の保険金請求に関する事件を受任後、2013920日加害者に対する損害賠償請求訴訟事件を受任したが、上記訴訟事件について委任契約書を作成せず、委任に際し、懲戒請求者に対して上記訴訟事件に関する訴訟の見通し、着手金の算定根拠、報酬について十分な説明をしなかった。(2)被懲戒者は上記訴訟事件の成功報酬として懲戒請求者から100万円を受領しながら、このうち65万円について受領時に領収書を発行せず、懲戒請求者を巻き込み所得から除外した税務処理を行った。4処分が効力を生じた年月日2017330日 

懲 戒 処 分 の 公 告  第二東京 2017年4月号
 処分を受けた弁護士氏名 小山三代治13385  業務停止3月
 処分の理由の要旨 被懲戒者は、2011年10月下旬頃、連帯保証債権を請求債権として株式会社A銀行により所有不動産の持分に仮差押えを受けた懲戒請求者から、A銀行との示談交渉事件を受任したが、その際、弁護士報酬及び費用について適切な説明をせず、また、委任契約書を作成しなかった。
被懲戒者は、上記受任後の同月27日、懲戒請求者から被懲戒者の預り金口座に金250万円の送金を受け、預り金として受領したが、同日、被懲戒者の個人名義の口座に移し替え、その後同日から同年11月7日までの間に、その大半を生活費等に流用した。その後、上記示談交渉が訴訟になり、被懲戒者は、2013年9月頃、懲戒請求者から、A銀行が懲戒請求者を被告として提起した訴訟事件を受任したが、その際、弁護士報酬及び費用について適切な説明をせず、また、委任契約書を作成しなかった。被懲戒者は、2014年11月26日に上記訴訟の判決が言い渡されたにもかかわらず、懲戒請求者に対し、敗訴判決を受領した場合に起こり得る事態、判決書を受領しない理由等について全く説明しないまま、敗訴判決の判決書を受領しなかった。
被懲戒者は、上記訴訟が終了したにもかかわらず、懲戒請求者に対し上記預り金を遅滞なく返還しなかった。
処分が効力を生じた年月日 2016127201741日 日本弁護士連合会

 

懲 戒 処 分 の 公 告  第二東京 2017年4月号

懲戒を受けた弁護士氏名 三崎恒夫 19422 業務停止1

処分の理由 被懲戒者は2013年5月ごろから、債務整理及び過払金事件について株式会社Aが行う受任、消費者金融業者との交渉、和解契約の締結、過払金の受領等の非弁活動又はその疑いが濃厚な行為に自己の名義を使用させ、また、同月頃から2014年3月頃の間、依頼者から要望がなされない限り、依頼者との面談を行わず、事件の処理方針、報酬や実費の取決め、清算方法等について依頼者に説明を行わず、和解の可否、内容等について依頼者に意思を確認せず、依頼者から開示請求がなされない限り、依頼者に対し、和解契約締結の事実、その内容を説明せず消費者金融業者から返金された過払金を依頼者に返金しないまま、A社の利得とすることを黙認した。 処分の効力を生じた年月日 2016年12月7日 201741日 日本弁護士連合会

 

懲 戒 処 分 の 公 告  東京 2017年2月号

分を受けた弁護士 氏 名 杉山博亮 登録番号 23069事務所 華鼎国際法律事務所 処分の内容 業務停止1

処分の理由の要旨 被懲戒者は2012820日頃、窃盗等の容疑により長野県内で逮捕された懲戒請求者A懲戒請求者B及びCの弁護人に就任したが懲戒請求者Aらから刑事事件を受任するに当たり委任契約書を作成せず、また上記各刑事事件においては、弁護士報酬のみならず、東京から長野へ出向くことから日当が問題となり、実費として交通費、宿泊費、記録謄写代、通訳費用等が考えられるにもかかわらず、これらについて適切な説明をしなかった。
被懲戒者は上記各刑事事件において、その請求する弁護士報酬等の計算及び依頼者からの徴収等の計算及び依頼者からの徴収等の金銭処理が極めて杜撰であった。被懲戒者は上記各刑事事件において事案の難易、時間及び労力その他の事情に照らし、適正かつ妥当な弁護士報酬とは言い難いにもかからず、懲戒請求者Aら一人当たり着手金として105万円を請求し充当し、また弁護士報酬及び費用として総額5083938円を受領した。
処分の効力を生じた年月日 20161018 
懲 戒 処 分 の 公 告 香川 2016年12月

懲戒を受けた弁護士氏名生田 暉雄 登録番号 22848 業務停止8

処分の理由
(1)被懲戒者はAの公正証書遺言の遺言執行者でありながら、正当な理由なく、A遺言執行者被懲戒者名義の口座から、20111228日に100万円を2012126日に100万円をそれぞれ引出し自己の財産と混同させた上、清算しなかた。
(2)被懲戒者は201251日付けで有限会社Bから立会調査協力金等として20万円の請求を受けたところ、その請求内容の妥当性に疑義があるにもかかわらず、更に謝礼、協力費名目で45円を上乗せした65万円を同月28日に上記口座からB社に対し支払、相続財産を不当に散逸させた。
(3)被懲戒者は上記遺言に遺言執行報酬に関する定めがないにもかかわらず、家庭裁判所の報酬付与審判申立てを行うこともなく、また相続人全員との間において報酬に関する合意をしないまま、独自の報酬基準により2012531日に上記口座から遺言執行名目で495万円を引出し違法に取得した。
(4)被懲戒者は預り金の保管状況を記録することなく2012531日に上記口座から406000円を引出し使途不明金を発生させた。
(5)被懲戒者はAの相続人Cに対し遺言執行に関する費用ではないため相続財産から支払うことができないにもかかわらず、Aの墓石、永代供養料として201261日に上記口座から500万円を支払い相続財産を不当に散逸させた。
(6)被懲戒者はAの遺産の受遺者である懲戒請求者に対し正当な理由なく201274100万円を支払い相続財産を不当に散逸させた。
(7)被懲戒者はおよそ認容される余地がない請求であり、また懲戒請求者の被懲戒者に対する懲戒申立てが不法行為であるとの遺言執行とは全く無関係の主張を含むにもかかわらず2013319日付けで懲戒請求者を被告として懲戒請求者を牽制するための嫌がらせ的目的で遺贈金返還等請求訴訟を提起した。また被懲戒者は上記口座から同月6日に上記訴訟に係る弁護士報酬として87万円を引出し同日、上記訴訟の印紙代に使用する目的で8万円を引出し同年531日に上記訴訟の旅費日当として10万円を引出し取得し、相続財産を不当に散逸させた。4処分の効力を生じた年月日 2016年8月16201612月1日日本弁護士連合会 
懲 戒 処 分 の 公 告  東京 2016年11月号

処分を受けた弁護士氏名 池谷友沖 登録番号 31206事務所 山田・一宮法律事務所  処分の内容 退会命令

処分の理由の要旨
被懲戒者は少額訴訟による損害賠償請求事件の被告であるAから訴訟対応を受任し通常訴訟への移行の申述を行ったが、答弁書及び準備書面の提出をせず、通常訴訟移行後の2014129日に開催された口頭弁論期日にも出頭しなかった。そのため原告の請求を全面的に認容する判決がなされたが、被懲戒者はAに対し、原告被告双方とも敗訴の判決がなされたとの虚偽の説明を行い、上記判決が201516日頃に確定するまで判決内容を報告しなかった。その上で被懲戒者はAに対し同年219日付け内容証明郵便及び同年311日付け内容証明郵便により上記事件に対する着手金29337円及び成功報酬48895円を請求した。被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規定第22条第1項、第24条、第36条及び第44条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。非行事実が重大であること、被懲戒者の弁明も法律家として理解困難なものが多いなどを考慮し退会命令を選択する。4 処分が効力を生じた年月日 201677日  2016111日   日本弁護士連合会

 

懲 戒 処 分 の 公 告  東京 2007年3月号
 処分を受けた弁護士 飯田秀人 登録番号11582事務所 飯田法律事務所 処分の内容  業務停止1月
処分の理由の要旨 被懲戒者は20021025日、懲戒請求者A及びBより、自己破産の申立てを受任し2004127日までに弁護士費用として合計61万円を受領していた。しかしながら被懲戒者は委任契約締結には立ち会ったものの、その後の手続をほとんど事務員に委ね、申立手続が進行していないことについて十分な確認もせず、また自ら積極的に依頼者と連絡を取り、破産手続を進めようともしないまま、同年826日、A及びBに対し辞任を通知した。これに対してA及びBが再受任の要請をしたにもかかわらず、対応も事務員任せにし、辞任の理由についても明確な説明をしなかった。その後の弁護士費用の清算にあたっても、成功報酬として預かっていた5万円のみ返還するとの回答を事務員に委ねるなど誠意ある対応をしないまま経過し、A及びBが懲戒の申立てをなし、別の弁護士を代理人として返還を求めた後の同年108日、30万円を、同年11531万円を各返金した。4処分の効力が生じた日  2006128 
懲 戒 処 分 の 公 告  長崎 2016年7月号

処分を受けた弁護士氏名 清川 光秋 登録番号 16956 業務停止1

処分の理由の要旨 被懲戒者は亡Aの相続人の一人である懲戒請求者から、遺産分割に係る交渉及び相続放棄の申述期間延長の申立てを受任したが被懲戒者が懲戒請求者に対して着手金の説明をする際に準拠した旧日弁連報酬等基準規定では、被懲戒者が遺産分割に係る交渉事件の着手金として受け取ることができるのは約42万円程度であり、これに相続放棄の申述期間延長申立の分を若干上乗せすることができるだけであるにもかかわらず、20131212日付け委任契約書において着手金を500万円と取り決めた、被懲戒者が2010年に2度の懲戒処分を受けていることも考慮し、業務停止1月を選択する。 処分の効力を生じた年月日 2016年3月19日

懲 戒 処 分 の 公 告 第二東京 2016年2月号

処分を受けた弁護士氏名 蓮見和也  25314     弁護士法人E-ジャスティス法律事務所  戒告

処分の内容の要旨 被懲戒者は、2011年ごろ、株式会社A社からA社の支配権争いに関する事件を受任し、B株式会社がA社に対して有する債権をC株式会社に譲渡させた上でC社がA社に請求する方法等を提案した。その後、上記方法による債権譲渡が行われたが、被懲戒者は、2011年11月1日までC社らを代理し、A社に対し、上記債権に基づく支払を請求した。また、被懲戒者は、A社から上記事件を受任する際に、弁護士報酬、事件の見通しについて適切な説明をせず、委任契約書も作成しなかった。さらに被懲戒者は、Dが自己の事務職員でないにもかかわらず、被懲戒者の法律事務所の債権回収事業部営業推進部長という名刺を複数作成するのを黙認し、その結果Dは、上記名刺を使用して被懲戒者の上記事件処理に関与し、A社から525万円の報酬を受領した。
懲 戒 処 分 の 公 告 神奈川 2020年1月号

処分を受けた弁護士氏名 安富真人 28320 事務所  戒告

処分の理由の要旨(1)被懲戒者は、懲戒請求者からその母A及び弟Bを相手方とする遺産分割交渉事件を受任し2015年3月17日に委任契約書を作成したものの、その後にその事件の展開から派生して生じた別事件である遺産分割調停及び審判事件並びに遺産分割審判に基づく不動産競売申立事件についても受任したにもかかわらず、それらの委任契約書を作成しなかった、また被懲戒者は、懲戒請求者からAを成年後見人とする成年後見開始申立事件を受任し、同年11月2日に委任契約書を作成したものの、その後にその事件の展開から派生した別事件であるAB間の任意後見契約の無効確認訴訟事件及びその任意後見監督人専任申立事件についても受任したにもかかわらず、それらの委任契約書を作成しなかった。

(2)被懲戒者は、上記(1)の無効確認訴訟事件及び任意後見監督人選任申立事件について、懲戒請求者において上記(1)の成年後見開始申立事件とは別に弁護士費用が発生する事件であるとの認識を持てるような適切な説明を尽くさず、また上記(1)の各委任契約書では日当3万円との記載があるにもかかわらず、その額が10万円となることについて適切な説明義務を尽くさなかった。

(3)被懲戒者は上記の事件につき、2017年2月27日に懲戒請求者から解任された後の同年3月2日に、それまでの事件遂行に際して頻繁なメールのやり取りをしていたにもかかわらず、懲戒請求者に対し、解任に至る経緯及び懲戒請求者の報酬支払の有無の確認を行わないで、適切な説明が尽くされていない過大な弁護士費用131万7600円の一部金108万円を請求債権として、懲戒請求者の不動産持ち分に対し仮差押え命令の申立てを行った。4処分が効力を生じた日 2019年10月2日 2020年1月1日 日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告 第二東京 2014年4月号

処分を受けた弁護士氏名 山崎 康雄 登録番号 14214  業務停止3月

処分の理由の要旨(1)被懲戒者は懲戒請求者の祖母Aから依頼を受けて2009年5月26日B株式会社の株式の大半を含む総額50億円の遺産について6分の5を懲戒請求者に相続させること、被懲戒者を遺言執行者として指定すること、被懲戒者に遺産分割方法の指定を委託すること等を内容とする公正証書遺言を作成した。被懲戒者は2009年6月26日に懲戒請求者から遺言作成費用としては著しく高額な3150万円の支払を受け、また費用の内容について十分な説明をしなかった。(2)被懲戒者はAの相続が開始した後、2013年3月頃に懲戒請求者に対して遺言執行者及び遺産分割方法の指定を委託された者としての立場を不当に利用して懲戒請求者が代表を務めるB社に被懲戒者の子及び知人を雇用するよう強要し子については不相当に高額な年収で雇用させた。 4 処分の効力を生じた年月日 2013年10月31日2014年1月1日   日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告 東京 2010年9月号

 処分を受けた弁護士氏名 小室貴司 登録番号 9185 業務停止4月  (2013月11日業務停止2月に変更)

処分の理由の要旨 被懲戒者は2004年1月9日AからAが地主から借りていた借地及び地上のA所有の建物に関して建物の入居者を退去させたうえで対価を得て借地権を処分するという趣旨の依頼を受けた、その後被懲戒者は2005年5月16日Aの弟Bを代理してAに対する成年後見人開始の審判の申し立てを行い、同年6月27日成年後見人開始の審判がなされ、Bが成年後見人に被懲戒者が成年後見監督人にそれぞれ選任された審判に先立ち被懲戒者は2005年5月18日Aを代理してC株式会社との間で借地権の売買契約を締結し自ら手付金800万円を受領した。同年7月28日に売買残代金の決済が行われたが被懲戒者は借地権の売買代金4417万円から既払の手付金、地主への譲渡承諾料、仲介手数料、登記費用等を差し引いた残金を受領した決済後被懲戒者は受領した金員のうち1500万円をBに渡したものの適正妥当な弁護士報酬を提示する義務を怠って不適正かつ過大な報酬を提示し適切な説明に基づく合意のないまま既に受領していた手付金と合わせて合計1401万2000円をを報酬として受領した、また被懲戒者は借地権の売買代金から支払われた所経費、被懲戒者の報酬について適切な説明をせず2005年11月30日にBの妻から領収書の交付を求められた際にも、売買の所経費のうち一部の領収書を交付せず自らの弁護士報酬については実際の取得金額が1401万2000円であるのに額面500万円の領収書しか渡さなかった、さらに2006年11月10日にはB及び被懲戒者の辞任が許可され懲戒請求者をAの新たな成年後見人とする旨の審判がなされたが被懲戒者はAの成年後見人となった懲戒請求者から報酬が過大であるとして返還を求められた際にも合理的な説明をしないまま返還を拒絶し続けた。4 処分の効力を生じた年月日 2010年5月11日

懲 戒 処 分 の 公 告 大阪 2014年11月
処分を受けた弁護士氏名 岡本久次  登録番号 15195 事務所いずみ法律事務所 戒 告
処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は2010年初めころ、懲戒請求者が経営する株式会社Aから、破産者株式会社Bに対する財団債権の回収等の事件を受任した。
被懲戒者は同年3月頃、懲戒請求者と婚約したが、同年8月1日婚約破棄の意思表示を行った。その後被懲戒者は同年11月2日付けで上記受任事件を解任され、また同年12月22日、懲戒請求者から婚約不履行の損害賠償請求訴訟を提起された。被懲戒者は上記訴訟に対抗して、訴訟係属中の2011年11月2日、A社に対し、具体的な事実の裏付けもないのに、受任時に勝訴判決等を停止条件とする停止条件付報酬請求権を取得したが、上記解任行為により条件成就が妨害されたとして、不当に報酬等227万4357円の支払を求める報酬等請求訴訟を提起した。
(2)被懲戒者は破産者B社の破産管財人であったC弁護士に対し、A社の破産者B社に対する財団債権届け出額が実際の財団債権残額より過大であるとしか考えられず、これが事実であれば、依頼者であったA社の行為は看過することのできない悪質な詐欺事件であると考えらえるため、刑事告発する予定であると考えられるため、刑事告発する予定であるなどと記載した2012年8月4日付け照会書を送付した。
(3)被懲戒者は2012年8月22日懲戒請求者及びA社を被告として、A社による破産者B社の破産管財人に対する財団債権届け出行為等が詐欺行為であると主張して、被懲戒者が代理人としてこの詐欺行為に費やした労力相当分の着手金及び報酬並びに慰謝料の支払いを求める慰謝料請求訴訟を提起し、その訴訟において同年6月18日に取り下げた上記報酬等請求訴訟及び既に確定した上記婚約不履行の損害賠償請求訴訟を蒸し返す訴訟行為を行った。
(4)被懲戒者は、上記慰謝料等請求訴訟において、被害立証とは無関係かつ不必要であって、懲戒請求者の名誉感情を著しく毀損する内容の主張を記載した準備書面を提出し、2012年10月31日の口頭弁論期日でこれを陳述した。4 処分が効力を生じた日2014年7月8日2014年11月11日 日本弁護士連合会
懲 戒 処 分 の 公 告 兵庫 2015年1月号

処分を受けた弁護士氏名 佐藤 偵 登録番号11694事務所 佐藤法律事務所2処分の内容戒告

処分の理由の要旨 被懲戒者は2006年4月頃、他の弁護士と共に懲戒請求者から損害賠償請求訴訟を受任するに当たり、1億5000万円から3億5000万円までの金額での和解による解決を見込みなが懲戒請求者に対して判決による解決を解決は無理であるにもかかわらず和解が不調に終わった場合の対応など想定される訴訟進行上の問題点について適切な説明を行わず事件処理の見込みは7割から8割と思料する旨記載した弁護士報酬見積もり書を交付した。4 処分の効力を生じた年月日 2014年10月7日 2015年1月1日 日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告 群馬 2012年10月号

 処分を受けた弁護士氏名 松本淳 登録番号21242  松本淳法律事務所2 懲戒の種別  業務停止8月

処分の理由の要旨(1)  被懲戒者は2003年7月頃から2007年8月頃にかけて依頼者5名からA株式会社を相手とする債務整理事件を受任した。しかし被懲戒者はこれらの債務整理事件が継続しているにもかかわらず、これらの依頼者の同意を得ずに2008年4月25日A社との間で委任契約を締結しA社の会社再建または債務整理事件を受任した。(2)   被懲戒者は上記委任契約においてA社から受任した経済的利益を合理的な根拠なく55億円と見積もる等してその着手金を1億1369万円と定め同年5月9日から同年8月22日までの間に着手金として合計4195万7760円を取得した。4 処分の効力を生じた年月日 2012年7月23日 2012年10月1日   日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告 福岡 2021年10月号

処分を受けた弁護士氏名 東 武志 登録番号 14112  業務停止1年6月 

処分の理由の要旨(1)被懲戒者は、2015年3月24日、懲戒請求者の父であるAから事件を受任するに当たり、委任契約書を作成しなかった(2)被懲戒者は、上記(1)の事件に関し、懲戒誚求者及びAに対し、当初B弁護士と共同受任するかのように対応しながら、その後B弁護士が共同受任を固辞した結果、被懲戒者が一人で受任し、職務を遂行することなったことを懲戒請求者らに報告しなかった。(3)被懲戒者は、2019年2月頃、Cから交通事故の示談交渉事件を受任するに当たり連絡を取る窓口となっていたCの子であるDに対して、弁護士報酬についての適切な説明をせず、委任契約書の作成もしなかった。(4)被懲戒者は、上記(3)の事件に関し、2019年4月18日、相手方保険会社から被懲戒者の預り金口座に振り込まれた示談金700万円を全額出金した後、弁護士報酬と清算することなく流用した上、同年7月12日、Dから苦情申入れを受けた所属弁護士会の市民窓口等対応室担当者からの事情聴取に対し、示談金が入金された後、弁護士報酬を差し引いてDに渡した等と虚偽の説明を行った。(5)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士の報酬に関する規程第5条第2項及び弁護士職務基本規程第30条第1項に、上記(2)の行為は同規程第29条第1項に、上記(3)の行為は弁護士の報酬に関する規程第5条第1項及び第2項並びに弁護士職務基本規程第29条第1項及び第30条第1項に、上記(4)の行為は預り金等の取扱いに関する規程第2条、弁護士職務基本規程第45条、所属弁護士会の業務上の預り金等の取扱いに関する規程第2条等に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。4 処分が効力を生じた日 2021年4月26日2021年10月1日 日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告 静岡 2022年4月号

処分を受けた弁護士氏名 伊東哲夫 17970 戒告 

処分の理由の要旨 被懲戒者は、懲戒請求者らから事件を受任するに当たり報酬額につき懲戒請求者と直接のやり取りを通した説明及び被懲戒者の法律事務所の弁護士報酬によらない報酬額を定めるに至った理由の説明をせず、また委任契約を作成しなかった。4処分が効力を生じた日 2021年10月25日 2022年4月1日 

懲 戒 処 分 の 公 告 兵庫 2021年5月号

 処分を受けた弁護士氏名 筧宗憲 17854 戒告  

処分の理由の要旨 被懲戒者は、同人が代表弁護士である弁護士法人Aとの間で、2013年11月26日に締結された離婚訴訟の委任の契約書では報酬金について懲戒請求者の得た経済的利益の15パーセントとするとされ、経済的利益の額はA弁護士法人の弁護士報酬基準に定める方法によって算出するとされていたものの、委任契約の際に、事件を担当するB弁護士が、報酬金について70万円から80万円で多くても100万円を超えることはないとの説明を行い、A弁護士法人側から上記報酬基準によって経済的利益を算出するとの説明がなされた事実もなく、またA弁護士法人の弁護法人の弁護士報酬基準が提示された事実も認められず、報酬金額については70万円から80万円程度あるいは、後の判決で相当とされた84万円程度が適正かつ妥当であったにもかかわらず、上記離婚訴訟について和解が成立し、その和解に係る離婚訴訟、離婚反訴事件及び損害賠償請求事件の3件を対象として、上記弁護士報酬基準に基づいて報酬金217万7000円を請求した。

また被懲戒者は2016年11月30日に懲戒請求者から電話で、上記報酬金の請求書について、上記B弁護士の説明と異なることを指摘され確認を求められたのにこれを行わず、契約書どおりにするしかないと言って、紛議調停を申し立てる意向を示しB弁護士への確認を経ない段階で上記の電話の1回だけの交渉で同年12月1日に所属弁護士会に紛議調停を申立てその第2回期日において、報酬金を174万円とする解決案を提示し、懲戒請求者がこれを持ち帰って検討するとしていたにもかかわらず、次回期日を待つことなく2017年2月23日に一方的に紛議調停の取り下げ書を提出し、同年3月3日付けで報酬金347万3000円に増額した報酬請求訴訟を提起し、その後、委任契約当事者がA弁護士法人であることを指摘されA弁護士法人を原告として同年4月17日報酬金額412万1000円にさらに増額した報酬請求訴訟を提起した。4処分が効力を生じた日 2020年12月16日 2021年5月1日 日本弁護士連合会