尋問で名誉毀損判決に「不服」県内弁護士が上告

　民事訴訟の証人尋問で名誉を傷つけられたとして、甲府市の女性が、山梨県弁護士会所属の小笠原忠彦弁護士（６５）に３００万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁（中西茂裁判長）は１８日、請求を棄却した１審・甲府地裁判決を変更し、１００万円の支払いを命じた。

判決によると、女性は２０１６年、同地裁で開かれた労働裁判に被告の会社側証人として出廷。原告側代理人の小笠原弁護士は女性に「前の仕事で３０００万円横領し、辞めたのではないか」などと質問した。
女性は「犯罪者であるかのような質問をされ、名誉を毀損（きそん）された」として提訴。１審は「質問に違法性があるとはいえない」と判断したが、高裁判決は「横領の証拠はなく、質問の必要性も疑問だ」として、正当な訴訟活動と認めなかった。
小笠原弁護士は取材に「尋問が自由にできなくなるような判決だ。上告を検討する」と話した。