贈収賄事件の弁護活動で懲戒処分の弁護士 日弁連に審査請求

おととし、富士川町で発覚した贈収賄事件では、町役場の捜索などが行われ、逮捕・起訴された前町長と、賄賂を贈った会社の元社長の有罪判決が確定しました。
検察は事件の裁判で、前町長が逮捕前に、元社長の弁護を担当していた弁護士から連絡を受け、賄賂として受け取った現金の一部を捨てたと指摘していました。
山梨県弁護士会は調査の結果、この弁護士が「手元にまとまった金は置かないほうがよい」などと前町長に伝えていたことが分かったとして、ことし7月に戒告の懲戒処分にしました。
弁護士は、この処分を不服として9日までに日弁連・日本弁護士連合会に審査請求を行ったことが関係者への取材で分かりました。
日弁連は請求を受けて県弁護士会の処分の妥当性を調べることにしています。
弁護士が所属する事務所はNHKの取材に対し、「こうした行為に関与してしまったことは反省しているが、故意ではないのに懲戒処分が出されたことには疑問を感じていて、日弁連に判断を仰ぎたい」としています。

以上NHK山梨https://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/20231110/1040021852.html

弁護士自治を考える会

NHKの報道には、山梨県弁護士会の誰なのか、記載されていません。山梨で弁護士が処分を受けるのは年間1件あるかないか、今年7月の処分ならこの人しかいません。

懲 戒 処 分 の 公 告

弁護士法第64条第63項の規定により下記のとおり公告します。

          記

1 処分をした弁護士会   山梨県弁護士会    
2 処分を受けた弁護士氏名 近藤徹

登録番号 44313         
事務所 山梨県甲府市相生1-3-11 

ひまわり法律事務所        
             
3 処分の内容 戒告        
4 処分の効力が生じた日 令和5年7月19日
  令和5年7 月21 日     日本弁護士連合会

詳細は日弁連広報誌「自由と正義」12月号まではお待ちください。官報公告から日弁連広報誌「自由と正義」に処分要旨が掲載されるのは、だいたい官報公告から4か月後になります。
なお『ひまわり法律事務所』と『ひまわり基金法律事務所』は違います。基金は弁護士会が設立した法律事務所『ひまわり法律事務所』は全国に同じ名前がありますがチェーン店ではありません。弁護士が好きな、明るい方に顔を向ける、暗い方には顔を向けない弁護士の好きな花から取っています。
山梨日日新聞 8月4日付 
富士川町発注の官製談合・贈収賄事件で有罪判決を受けた志村元町長が贈賄金の一部を破棄するなど証拠隠滅したことに関連し、山梨県弁護士会が50代男性弁護士を戒告の処分にしたことが3日関係者への取材でわかった。
NHK 県弁護士会 富士川町贈収賄事件の弁護士に戒告の懲戒処分 

おととし、富士川町で発覚した贈収賄事件で有罪判決が確定した前町長が逮捕前に現金を捨てた行動に関わったとして、県弁護士会は所属する弁護士を戒告の懲戒処分にしました。
弁護士の事務所は「故意ではなく、処分に戸惑いを感じる」とコメントしています。

おととし、富士川町で発覚した町の公共事業をめぐる贈収賄事件では、前町長と、賄賂を贈った設計事務所の元社長の有罪判決が確定しています。
検察は、去年3月に開かれた事件の裁判で、前町長は逮捕前に、元社長の弁護を担当していた弁護士から連絡を受けて賄賂として受け取った現金の一部を捨てたと指摘していました。
弁護士が所属する県弁護士会による調査でこの弁護士が「手元にまとまった金は置かないほうがよい」などと前町長に伝えていたことが分かり、先月、戒告の懲戒処分にしました。
県弁護士会の花輪仁士会長は「遺憾であり、県民からの信頼回復に努めたい」としています。
懲戒処分を受けた弁護士の事務所は、「結果として証拠隠滅に関与することになり、非常に反省している。一方で、故意ではなく、依頼者が無実を主張したことから対応したもので、処分に疑問や戸惑いを感じる」とコメントしています。

弁護士が所属弁護士会から懲戒処分を受けて日弁連に審査請求(再審査)の申立てするのは、ほぼ全員です。

これは他の依頼者などに対し私が受けた処分は不当であるから日弁連に再審査を求めており処分が決定したわけではないと言い訳するためです。ほぼ全員が審査請求を出します。時間稼ぎです。

審査請求で業務停止から戒告や戒告が処分取消になることもあります、棄却になれば、官報と自由と正義に公告として掲載されます。 

2023年10月号 自由と正義

採決の公告(棄却)

第一東京弁護士会が2022年12月7日に告知した同会所属弁護士 渡邊征二郎 会員(登録番号16786)に対する懲戒処分(業務停止1年)について同人から行政不服審査法の規定による審査請求があり、本会は2023年8月22日弁護士法第59条の規定により、懲戒委員会の議決に基づいて、本件審査請求を棄却する旨採決し、この採決は2023年8月26日に効力を生じたので、懲戒処分の公告及び公表に関する規程第3条第2号の規定により公告する。

2023年10月1日 日本弁護士連合会

処分を受けて審査請求が認められる確率は1%から2%です。 さあ、どうなるでしょうか?

「書庫」審査請求と異議申立、処分取消と処分変更例 2023年11月更新