弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2020年9月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・福井弁護士会・小前田宙弁護士の懲戒処分の要旨
処分理由・交通事故事件の怠慢な事件処理
処分要旨に書かれてある内容は非弁提携です。
(非弁護士との提携)
第十一条 弁護士は、弁護士法第七十二条から第七十四条までの規定に違反する者又はこれらの規定に違反すると疑うに足りる 相当な理由のある者から依頼者の紹介を受け、これらの者を利用し、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。
福井亜弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士
氏名 小前田宙
登録番号 42546
事務所 福井市大手3-14-10
弁護士法人ふくい総合法律事務所
2 懲戒の種別 戒告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は、交通事故案件で後遺障害認定が問題となりそうな事案について、まずは行政書士Aを紹介することとしており、Aにおいて被害者請求を行って後遺障害認定を受けた後に、被懲戒者が受任して加害者側との示談交渉や訴訟を行うこととしていたところ、2015年11月18日の懲戒請求者との交通事故事件の初回相談において本件が相当難解な事案であり、懲戒請求者がAに自賠責保険金の被害者請求手続を委任した場合、かかる手続後の加害者への損害賠償請求を被懲戒者が受任する可能性が極めて高く、その際には弁護士費用特約保険を利用して一定の報酬が確実に得られることになるという状況の下、非弁行為を行うと疑うに足りる相当な理由のあるAを同席させたうえで法律相談を行いながら懲戒請求者に対しAに上記被害者請求手続の委任をすることを促し、その後、懲戒請求者とAが被害者請求手続につき委任契約を締結した。また被懲戒者は懲戒請求者が弁護士費用特約の利用を自ら申し出ていたことから懲戒請求者の意向を丁寧に確認し自己負担が発生する手続方法の利点等の具体的内容を、懲戒請求者が十分理解できるよう説明し、費用を自己負担する手続方法で進める場合には懲戒請求者がその手続方法で進めたいと真に浴するものであるかを慎重に確認する必要があったにもかかわらず、これを行わず、それらの結果として、懲戒請求者が真に容認していなかった弁護士費用特約では担保されない行政書士費用22万9500円を自己負担することになった。
被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規程第5条、第6条、及び第11条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4処分が効力を生じた日 2020年2月5日 2020年9月1日 日本弁護士連合会