弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2021年2月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・千葉県弁護士会・古海健一弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・懲戒請求者を畏怖させる文言、

弁護士の処分要旨の中で一番面白いのが「戒告」です。よくこんなことができますね、さすがに弁護士ですねという知恵を与えてくれるものがあります。悪くいえばこれで戒告ですかという内容です。

被懲戒者の所属する法律事務所の代表弁護士は元千葉県弁護士会長、被懲戒者は平成26年(2014年)登録、(1)の事件は2016年、(2)は2017年、まだ3年目そこそこのキャリアです。特に(2)の事件はさすがに元弁護士会長の事務所の弁護士は違うな~ここまでやるかと感心させられました。

懲 戒 処 分 の 公 告

 千葉県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。          記

1 処分を受けた弁護士氏名 古海健一

登録番号 50134

事務所  千葉市中央区本千葉町1-1日土地千葉中央ビル9階

県民合同法律事務所 

2 懲戒の種別  戒告  

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、2016年9月20日、介護施設を運営する株式会社Aの代理人として、施設の元入居者である懲戒請求者へA社が返還する入居一時金の金額につき交渉した際、懲戒請求者の家族に対し「全額請求すると刑事告訴も辞さない」、「犯罪行為なんですよね」等と述べてA社の債務を軽減させる目的で被懲戒者の要求する懲戒請求者への返還金額の減額について懲戒請求者が応じない場合は刑事責任を追及される旨申し向けた。

(2) 被懲戒者は懲戒請求者からA社に対する入居一時金の返還請求訴訟において、2017年10月31日、A社の代理人として懲戒請求者に425万円を支払う旨の訴訟上の和解を成立させたが、その前日である同月30日、A社の従業員らの代理人として懲戒請求者に対し合計770万円を求める損害賠償請求訴訟を提起した上、A社の上記代理人として知り得たことを奇貨として、その立場において独自に得た情報を基に同年11月27日、上記の懲戒請求者の被保債権として、上記の損害賠償請求権のA社に対する和解金請求権について債権仮差押の申立てを行った。

被懲戒者の上記行為はいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2020年9月30日 2021年2月1日 日本弁護士連合会