弁護士自治を考える会
普段は弁護士の懲戒処分を公開していますが、成年後見人の横領事件がなくなりません。士業の処分がありましたら公開します
月刊司法書士 2025年1月号に公表された、司法書士の懲戒処分

日司懲戒処分公表及び開示に関する規則基づき懲戒処分事例についてとおり公表 する。 

懲戒処分書 

事務所  神戸中央元町通丁目710元町関西ビル3

司法書士 蔭山 倫理 

上記に対しのとおり処分する。

主 文 

令和61012日から1業務停止する。 

理 由 

第1 事案の概要 

本件司法書士蔭山倫理(以下処分という)補助あっA処分成年後見人として選任B及びC(以下B併せ本件後見人という)財産管理業務担当ところA本件後見人名義口座から合計2,3448,818横領として処分自身による兵庫司法書士(以下兵庫という) 報告 基づき兵庫調査司法書士60基づく報告という事案ある

第2 認定事実 

以下事実兵庫調査報告及び神戸地方法務局における調査結果その他記録認められる。 

1 処分平成元年1128司法書士なる資格取得平成2510付け番号兵庫をもって兵庫入会司法書士業務従事いるものありまで懲戒処分ない。 

2 処分平成2612家庭裁判所審判によりB成年後見人選任令和元年11家庭裁判所審判によりC成年後見人選任ところ当時A本件後見人日常生活における金銭出金送金通帳記載金銭出納記載財産管理業務補助担当。 

3 A少なくとも平成296から令和44までB名義口座から現金繰り返し出金合計1,5800821自己用途使用するため着服横領。 

4  A令和37から令和44までC名義口座から現金繰り返し出金合計1917,705自己用途使用するため着服し横領。 

5  A上記3及び4に際し家庭裁判所定期報告領収添付求められない 10以下金額本件後見人名義口座から出金本件後見人生活物品 購入及びリフォーム費用ため出金として通帳記入金銭出納収入記録記載なかっまたA偽造領収写し添付本件後見人ためよう装っ。 

処分Aに対して家庭裁判所提出する定期報告について事前必ず処分確認受けるよう一定指導A 信頼ことからA作成報告確認怠っまた事務所金庫保管いる本件後見人の通帳本件被後見人自宅保管いる金銭出納原本残高突合怠っA横領いる事実気付かなかっ。 

6 A令和45処分に対し本件後見人口座から金銭横領こと自白同月警察出頭。 

7 処分令和46AC名義口座から横領金額同額C名義振り込ん。 

8 処分者令和47AB名義口座から横領金額同額B名義振り込ん。 

9 被処分上記5とおりAに対する監督義務怠りA上記3及び4横領行為 すること可能その結果本件後見人1,7718,526という損害発生ものある。 

3 処分の量定 

1 処分成年後見人として本件後見人財産適切管理する義務負っいるとともにAに対する監督責任負っにもかかわらずこれ怠りA本件見人口座から金銭横領こと許しというものあり処分行為司法書士2(職責)23(会則遵守義務)兵庫会則87(品位保持)会則982 (預り取扱い)会則106(会則遵守義務)会則109(補助者等使用責任) 違反する。 

2 処分違反行為について司法書士及び司法書士法人に対する懲戒処分考え方 (基準)別表番号18補助監督責任該当懲戒処分量定として戒告又は 1以内業務停止相当いる。 

3  処分家庭裁判所提出する定期報告について事前必ず処分確認けるよう補助指導するなど一定監督行っこと認められるA作成定期報告について事前確認不十分あったり一部事後確認なったりおり十分監督責任果たしいい難いまた処分A 信頼おり事務保管本件後見人通帳残高本件後見人自宅保管いる出納原本残高突合しなかっ

結果としてA横領気付くことできB について平成296から令和44までCについて令和37から令和4 4までA横領許すことなっおり横領被害長期間及ん被害 金額1,7718,526多額あるA作成支払実態ない領収写し添付といった手口巧妙踏まえ処分管理責任懈怠程度小さくない

4 処分事務所設置いる金庫において本件後見人預金通帳財産 保管金庫暗証番号処分又は経理担当管理しA勝手出金できないうにし主張するA金庫暗証番号把握おり自由金庫解錠横領に及んあるから処分主張その処分量定左右ない

5 他方処分A横領発覚速やか本件後見人に対して横領全額弁済いること本件について自ら兵庫報告兵庫調査協力ある処分にとって酌むべき情状あるいえる。 

6 よって、これら一切事情考慮司法書士472規定により処分とおり処分する。 

令和6年1011法務大臣 牧原 秀樹