写真は元会員による預かり金の使途不明について説明する県弁護士会の今井慶貴会長(右)と、山田晶久副会長=13日、新潟市中央区の県弁護士会館
県弁護士会元副会長1億1千万円着服か、昨年死去依頼者口座から
「ギャンブル依存症だった」とパソコンに
新潟県弁護士会は13日、2024年度の副会長だった二宮淳悟弁護士=24年11月に死去=が依頼者から管理を委託されていた現金(預かり金)約1億1千万円が、使途不明になっていると発表した。二宮氏が生前に着服したとみられる。弁済の見通しは立っていない。同会は「弁護士の社会的信頼を大きく損ない、極めて遺憾だ」としている。
同会によると、二宮氏は22年12月から24年11月にかけて、遺産分配や返済などの業務で管理していた依頼者の口座から200回にわたり自らの口座への送金や現金の引き出しを繰り返していた。口座管理はいずれも個人として請け負っていた。
「二宮氏の死後まもなく所属事務所の机から個人と法人五者の名前や金額のほか「全部費消」などと書かれた文書が見つかった。パソコンからは「ギャンブル依存症だった、弁護士のお金も競馬や競輪に使ってしまった」との記述も見つかったという。所属事務所から報告を受け、県弁護士会が調査していた。
被害救済のため、新潟家庭裁判所が1月に相続財産清算人を選任し、手続が進められているが、現時点で十分な弁済の見通しはないという、
今井慶貴会長は13日の記者会見で、再発防止に向けて会員の倫理向上と、預り金に関する不祥事防止策を再検討する方針を示した。二宮氏の死亡に関する状況は明らかにしなかった。二宮氏は10年12月に県弁護士会に登録、東京電力福島第一原発事故で福島県から本県に避難した住民らが国と東電に慰謝料などを求めた訴訟で原告側弁護団の事務長を務めていた。
以上 5月14日新潟日報朝刊
登録取消情報
2024年11月25日 二宮淳梧弁護士 登録番号42541 新潟県 死亡
新潟合同法律事務所