【判例掲載情報】 最高裁判所第一小法廷決定(令和7年12月18日)

令和7年(マ)490 裁判所書記官忌避申立て事件却下決定に対する即時抗告事件

71218第一決定 

主 文

本件抗告を却下する。 

抗告費用別紙記載負担する。 

理 由 

記録及び裁判所顕著事実よれ本件経緯とおりである。

(1) 抗告別紙記載(以下本件弁護士という)手続代理人福岡家庭裁判所小倉支部申し立て婚姻費用分担調停(裁判所令和6(家イ) 144434) において裁判所書記官に対する忌避立てこれに対し裁判所令和71121上記立てについて手続遅滞のみ目的いること明らかであり適法ものあるなどこれ却下する決定 (以下 決定という)をし

決定本件弁護士告知。 

(2) 本件弁護士同月25福岡弁護士により業務停止6懲戒(以下本件懲戒処分という)受け本件懲戒処分効力生じこのこと遅くとも同月26裁判所知るところなっ。 

(3) 本件弁護士同月28抗告代理人として決定に対する不服立てする同月26付け書面(以下本件書面という)裁判所出しこれにより抗告本件抗告を。 

(4) 本件弁護士同月27以降弁護士として裁判所提出裁判求め書面相当多数上るまた本件書面抗告住所として本件弁護士法律事務所所在地記載抗告本人本件弁護士に対する委任添付なく本件抗告理由記載本件事案即し実質記載乏しい。 

2(1)弁護士法第57条1項2号に定める業務の停止の懲戒について、その告知を受け弁護士その告知によって直ちに当該期間弁護士として一切職務行うことできないことなりこの禁止違背とき重ね懲戒受ける ことあるばかりなく禁止違背なさ職務行為また違法であ ること免れないいうべきあるそうある以上当該弁護士業務停止代理人として家事事件手続行為すること許さないもちろんであってもし裁判所上記よう懲戒の事実知っとき裁判所当該弁護 に対し手続関与禁止これ手続から排除なけれならない (最高 昭和40() 62042927法廷判決2171 955参照) 本抗告護士懲戒処分違反即時あっ裁判所本件懲戒処分を知っものあるそうする本件弁護士本件抗告手続から排除なけれなら本件抗告代理人なる資格一時停止適法ものなる

(2) そして弁護士1条は1において弁護士は、 基本人権擁護社会正義実現すること使命する定め2において弁護士前項使基づき誠実その職務行わなけれならない定めいる弁護士懲戒制度上記よう弁護士及び弁護士法人使命職務うし弁護士及び弁護士法人に対する信頼維持向上せるため定められものあっ高度公益有するからその趣旨貫徹れるべきものある

また日本護士連合において懲戒弁護士業務停止期間における業務規制つい 弁護士及び日本弁護士連合採るべき措置に関する基準定められ (平成4117理事議決) その弁護士懲戒処分告知当た懲戒弁護士に対し業務停止期間1超える場合直ちに依頼委任契約解除するとともに委任契約解除受任事件について解除直ちにその係属する裁判所に対し辞任手続執らなけれならないこと説明その遵守説示なければならない定められいる以上よう弁護士の業務停止の期間中における業務規制等について、国民の弁護士に対する信頼及び各弁護士会の懲戒制度の実効性を確保する改善措置が図られているところである。
本件懲戒処分は、本件弁護士に対して、6か月間、弁護士の業務に従事をしてはならない旨を命ずるものであり、本件懲戒処分の効力が生じている限り、これに従うことが強く求められるというべきである。そうであるにもかかわらず、上記の経緯等によれば、本件抗告は、本件弁護士が、本件懲戒処分を受けながら、これに違反する意図をもって当裁判所に本件書面を提出することによりされたものということができる。また、本件弁護士が本件懲戒処分の効力が生じた後に提出した裁判を求める旨の書面は相当多数に上り、本件書面はそのうちの一つとして提出されたものであるし、本件弁護士は上記基準によって遵守が求められている措置を講じ
ていないことがうかがわれ、懲戒処分の違反の程度は重大である、さらに、本件書面には抗告人本人の本件弁護士に対する委任状が添
ていないことがうかがわれ、懲戒処分の違反の程度は重大である。
抗告理由に関して本件事案に即した実質的な記載が乏しいこともあって、本件抗告が抗告人の意思を反映したものであることをうかがわせる事情は見当たらない。これらの事情を併せ考慮すると、本件抗告について抗告人本人の追認により有効となると解することは、弁護士法が懲戒制度を設けた上記趣旨を没却するに等しいから、そのように解することはできず、本件抗告は、その不備を補正することができないというべきである。
したがって、本件抗告は、補正を命ずることなく、不適法として却下すべきである。
よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 安浪亮介 裁判官 岡 正晶 裁判官 堺 徹 裁判官宮川美津子 裁判官 中村 愼)

48歳弁護士を業務停止6か月”の懲戒処分 福岡県弁護士会「基本的な義務に違反」 弁護士は「不当な処分」と主張

弁護の依頼人に事件の見通しや弁護士費用などについて適切に説明しなかったなどとして、福岡県弁護士会は25日、弁護士を業務停止の懲戒処分にしました。一方、この弁護士は「不当な処分だ」と主張。 会見開始の直前に会見場を訪れ同席を求める場面もありました。 RKB 西尾健佑記者 「福岡県弁護士会の上田会長らが法律事務所に入り込みます」

業務停止6か月の懲戒処分をうけたのは、福岡弁護士会に所属する後藤景子弁護士(48)です。 福岡県弁護士会によりますと、後藤弁護士は離婚訴訟の弁護の依頼をされた際に依頼人に事件の見通しや弁護士費用などについて適切に説明しなかったほか、弁護士費用を受領しても2年以上にわたり訴訟提起しなかったなどとされています。 福岡県弁護士会 上田英友会長 「弁護士職務基本規定が定める基本的な義務に違反したというものであります。本件によって弁護士、また弁護士会に対する信頼が毀損されたと感じておりまして、非常に遺憾だと考えているところでございます」 この会見の開始直前、後藤弁護士が突然訪れ「意見を述べたい」などと主張しました。

後藤景子弁護士 「同席の会見を求めます。会長のお隣で私の意見を述べたいと思っております」

弁護士会側 「同席は認められませんので終わったとに記者の方の取材に応じていただければと思います」

後藤景子 弁護士 「許されるんですか?強行しておきながらですよ手続きを」 その後後藤弁護士による会見が開かれ、「女性弁護士の数が少なく、多くの離婚訴訟を抱え、対応に追われていた」として不当な処分であると主張しました。

後藤景子 弁護士 「わたしは答弁書を提出できておりません、それから自らを弁護するための証拠も提出できておりません。これらの手続きについて事前に費用も含めた説明はしております。『Aの十分な理解と了解を得た形が認められない』というところは虚偽です。

これはショートメールのやり取りが残っておりますので」

後藤弁護士は去年3月にも民事訴訟で、裁判所から命じられた訴状の補正をせずに被告側に送ったなどとして、業務停止2か月の懲戒処分を受けていました。

後藤弁護士は近く懲戒処分の内容は不服として、審査請求を日本弁護士連合会に訴えるということです。

引用RKBhttps://news.yahoo.co.jp/articles/b65cf5f766f263eea1967298f3840012e02b0008#:~:text=

懲 戒 処 分 の 公 告 2024年7月号

福岡県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

         記

1 処分を受けた弁護士氏名 後藤景子 登録番号 30734

事務所 北九州市小倉北区原町2-1-6 リーガラス103

女性総合法律事務所ラレーヌビクトリア 

2 懲戒の種別 業務停止2月

3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、2020年4月27日、Aの代理人として、Aを原告、懲戒請求者B及びC市を被告として、損害賠償請求訴訟を提起したところ、その訴状において、上記訴状と直接関係ない第三者らの実名が記載されていることがプライバシー上問題があるとして裁判所から訴状の訂正を求められていたにもかかわらず、同年8月20日付けにて、補正前の訴状の写しを懲戒請求者B及び同人らの勤務先であるC市に対し、送付した。

(2)被懲戒者は、2021年7月19日、C市の市政記者室に対し、上記(1)の事件において提出した訴状訂正申立書の内容におおむね沿う内容が記載され、懲戒請求者Bの名誉を毀損する事実を適示した告訴状の写しを添付した書面を添付した。

(3)被懲戒者は、依頼者であるDが懲戒請求者Eとの離婚を強く求めているにもかかわらず、2020年3月19日に夫婦関係調整調停が不成立となってから1年以上訴訟を提起せず、2021年4月1日、懲戒請求者Eから提起された離婚訴訟においても、期日間の準備を十分に行わず、期日を空転させ、準備書面の提出期限も守らず、準備書面を提出しない状況を続け、また理由がないことが明白な裁判官の忌避申立てをするなどした。

さらに、被懲戒者は、Dと懲戒請求者Eとの間の面会交流申立事件において、Dの代理人であったところ、2022年7月20日の電話会議システムを利用した調停手続期日において、調停委員から期限を指定して主張書面を提出するよう求められたのに対し、誰に申立てなのかも明らかにしないまま、忌避する旨だけ言い放ち、一方的に電話を切断し、同年7月25日付け忌避申立書にて、調停委員会から主張書面を提出するよう求められたことに対して裁判官の忌避申立てを行った。

(4)被懲戒者の上記(3)の行為は弁護士職務基本規程第76条に違反し、上記各行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2024年3月19日 2024年7月1日 日本弁護士連合会

東京弁護士会の業務停止中の被懲戒弁護士の遵守事項(指示書)これから処分をうける方は必見、20のお約束