弁護士自治を考える会

日弁連広報誌[自由と正義]2008年9月号に公告として掲載された弁護士懲戒処分の詳細

氏名 鈴木 顕蔵 登録番号15064
愛知県弁護士会所属
名古屋市東区白壁1
鈴木顕蔵法律事務所
懲戒の種別   退会命令

処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は懲戒請求者の夫で中国籍であるAの刑事事件における弁護人に選任されAの拘留中Aの営むB社の実務全般を執り行っていた懲戒請求者からB社の税務について相談された。被懲戒者は懲戒請求者に対し税務当局からの差押さえを免れるための助言をし1998年9月14日懲戒請求者とともに銀行へ行き、懲戒請求者にB社の預金合計計4億6000万円を被懲戒者の指定する銀行口座へ振り込ませ税務当局からの差押さえを免れる目的で財産を隠匿する行為に関わった
(2)被懲戒者は懲戒請求者より上記4億6000万円の返還を求められ1999年10月以降合計3億7019万3746円を返還したが9000万円弱が未返済となっており、廃止前の弁護士倫理第40条に違反する
(3)被懲戒者はAの在留特別資格許可を得るため素性、肩書き等も明確でなく不透明な工作活動を行うものを懲戒請求者に紹介し1998年3月頃工作資金として2300万円を懲戒請求者から預かった。被懲戒者のかかる行為は弁護士の業務から逸脱している疑いが強く廃止前の弁護士倫理第12条にも抵触する
(4)懲戒請求者が弁護士会の紛議調停委員会へ申し立てたところ、被懲戒者は同委員会からの要請に対し正当な理由なく答弁書を提出せず、また正当な理由なく期日の出頭手続きにも協力せずその結果調停を不調に終わらせた被懲戒者のかかる行為は弁護士会会則第82条等及び廃止前の弁護士倫理第42条に違反する
(5)被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する
4処分の効力の生じた日2008年6月9日2008年9月1日 日本弁護士連合会