弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2009年5月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・金沢弁護士会・山口民雄弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・事件放置・虚偽報告等多数

 

懲 戒 処 分 の 公 告

 福岡県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 山口民雄

登録番号 24461

事務所 小松市串町
2 懲戒の種別  業務停止2年

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は2004年3月頃依頼者であるAに対し、建物明け渡しの債務名義が存在せず強制執行が不能であるにもかかわらず、執行可能であるとの虚偽の説明をして委任契約を締結し建物明渡しの手続き費用として金80万円が必要であるとの虚偽の説明をしてこれを受領した、また、被懲戒者はAからの上記事件についての問い合わせに対し弁護士法による照会手続きを行っていないにも関わらずこれをおこなった結果、相手方の資産が見つかったとの虚偽の報告をし建物明渡執行事件が進まない理由を担当執行官の都合で遅れているなどと虚偽の説明をした。さらに被懲戒者はAからの要求があるにも関わらず再三にわたり打ち合わせ日を変更して事件処理の報告・説明を怠り受任事件を遅滞なく処理する義務を怠った
(2)被懲戒者はBの借入につき連帯保証人をしていたCからBに対する立替えた金員の求償金取立についての委任D協会に対する連帯保証債務の履行に関する交渉の委任を受けたが2006年6月頃、求償金取立事件についてBより進行状況を尋ねられ「裁判所に債権取立の手続きを取ったが公証人らが着服した」「東京の裁判所に移管されて手続きが遅れている」等の虚偽の報告をした。そしてかかる虚偽説明についてB,よりその証拠があるはずだと言われた被懲戒者は、同月頃に内閣府行政情報処理センター作成名義の文書2通をそれぞれ偽造してBに送付した
(3)被懲戒者の上記の行為のうち(1)の各行為は弁護士職務基本規定第29条第1項及び第3項、第35条並びに第36条にそれぞれ違反するばかりか同規定第5条第6条等に違反し(2)の各行為は同規定第29条第1項及び第3項に違反するばかりか公文書偽造及び同行使にあたることが明らかであって同規定第5条同6条等に違反する
被懲戒者のこれらの行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当するところ被懲戒者の行為には悪質な違反行為を含むこと被懲戒者には過去に懲戒処分歴があるなど事情があるが、被懲戒者は不当な利益を得る意図はなくBのD協会に対する保証債務履行の交渉においてはBのために900万円を立替えて解決していること
Bに対して詫び状を送りその立替金900万円の求償権を放棄していることなど等の事情を考慮し業務停止2年とするのが相当である
(4)処分の効力の生じた日   2009年1月27日2009年5月1日  日本弁護士連合会