弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2009年6月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・埼玉弁護士会・関昌央弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・医師に虚偽の診断書を作成させた

懲 戒 処 分 の 公 告

 埼玉弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 関昌央

登録番号 25472

事務所 草加市谷塚町615
関昌央法律事務所
 

2 懲戒の種別  戒告  

3 処分の理由の要旨

被懲戒者はAが懲戒請求者を殴打し傷害を負わせたか否かを主要な争点とするAと懲戒請求者間の不法行為に基づく損害賠償請求本訴反訴事件におけるAの訴訟代理人であった、被懲戒者は懲戒請求者が証拠として提出したB病院C医師作成の診断書の証拠価値を争うためAの関係者に対し適当な人物を選んでB病院に受診させ「友人から首のあたりをなぐられた」と虚偽の事実を申し述べ診断書を書いてもらって来て欲しい旨依頼した、
被懲戒者の意を受けたDが2007年3月15日及び同月20日にB病院E医師の診察を受け被懲戒者の指示通りの嘘を言い、会社に提出すると偽って交付を受けた2通の診断書を受領した被懲戒者は上記訴訟にこれを証拠として提出し上記C医師作成の診断書程度のものであればいくらでも作成してくれるとその証拠価値を弾劾した、被懲戒者が医師に虚偽の事実を述べさせて誤診させ虚偽の診断書を入手した行為は証拠を収集する場合にも適正な手続きに従い不当な手段を用いてはならないという弁護士の基本倫理に抵触するものであり、正当な弁護活動の範囲を逸脱し一般市民の弁護士に対する
信用を失墜させる行為といわざるをえないのであって弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する、もっとも被懲戒者の行為は依頼人を擁護すべくもっぱらC医師作成の診断書の信用性を弾劾する目的でなされた防衛的な行為であったことが認められること、上記訴訟の第1審判決がAによる殴打の事実は認めることができないと判示し控訴審においても第1審の結論が支持されていること及び懲戒請求者がAになした刑事告訴が不起訴処分になっていることなどの諸事情を考慮し懲戒処分のうちから戒告を選択した
4 処分の効力の生じた日 2009年3月25日 2009年6月1日  日本弁護士連合会