弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2010年2月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・東京弁護士会・高山俊吉弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・交通事故事件、連絡がない報告書の送付が遅い

懲 戒 処 分 の 公 告

 東京弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 高山俊吉

登録番号 11560

事務所 東京都千代田区一番町15
高山法律事務所

2 懲戒の種別  戒告  

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は2007年5月12日ころ、交通事故後に死亡した夫の保険につき共済から交通事故死とは認められない事を前提に和解の提示を受けていた懲戒請求者から交通事故による死亡として保険金請求が可能となるように、その因果関係を裏付けるのに必要な調査事務を行うこと。
調査は約3ヵ月間をもって終了することを目途とすること、保険金請求事件としての受任は調査事務の処理が終了した段階で決めること等を内容とする依頼を受け調査費及び実費を受領した。被懲戒者は同年6月13日及び14日にそれぞれ異なる医師に面談し病死との医学的診断を得たにもかかわらずその経緯及び結果を懲戒請求者に報告しなかった。また被懲戒者は同年11月ころ懲戒請求者から電話により経緯の問い合わせを受けたが「難航している報告書を送る」と簡単に報告したあけで2名の医師の意見を聴取したことすら報告せず約束した報告書も送らなかった
被懲戒者はその後も懲戒請求者から被懲戒者の事務所に対する電話を何度も受けたにもかかわらず全く連絡しなかった。また被懲戒者は懲戒請求者から保険金請求の消滅時効期間満了の寸前であるのに対応が無責であること等が記載された2008年2月27日付けの手紙を受け取ってもそれに返答及び対応を一切しなかった。その結果懲戒請求者は同年3月共済との間でやむを得ず交通事故死を前提としない金額で自ら示談契約を結んだ被懲戒者の上記行為は事件処理の報告及び協議義務を定める弁護士職務基本規定第36条並びに依頼者の権利及び正当な利益を実現すべき努力義務を定める同規定第21条に違反する被懲戒者は懲戒請求者の求める損害賠償請求金額全額を支払い、弁護士費用を返還して和解し懲戒請求が取り下げられ、懲戒請求者の宏怨を得ているが弁護士業務一般に対する社会的信頼を毀損した責任は軽いものではなく弁護士法第56条第1項に定める品位を失うべき非行に該当する
4 処分の効力の生じた日 2009年10月30日 2010年2月1日  日本弁護士連合会