弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2011年4月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・千葉県弁護士会・羽賀宏明弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・(報道)

3年近く依頼業務放置、50歳弁護士を懲戒処分 千葉弁護士会
2011.1.25 12:59
 依頼を受けた業務を3年間近く放置したとして、千葉県弁護士会は25日、弁護士基本規定に基づき、同会松戸支部所属の羽賀宏明弁護士(50)を業務停止2カ月の懲戒処分にしたと発表した。 同会によると、羽賀弁護士は平成15年9月、依頼者の女性から着手金50万円を受け取り、債務者に対する不動産の強制競売手続を受任。17年5月には、さらに手続きに必要な160万円を受け取ったが、裁判所に執行手続きを申し立てることをせず、受任から女性が依頼を取り下げるまでの約2年10カ月間、業務をほぼ放置した。 羽賀弁護士は受け取った着手金などは全額返済したが、同会の事情聴取などに応じないという。女性の知人男性が20年11月に同会へ懲戒請求していた。羽賀弁護士は12年7月にも同種の放置行為で業務停止1カ月の懲戒処分を受けている。

 

懲 戒 処 分 の 公 告

 千葉県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。          記

1 処分を受けた弁護士氏名 羽賀宏明

登録番号 22789

事務所 千葉県松戸市

2 懲戒の種別    業務停止2

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は2003年9月11日AからBに対する不動産の強制競売手続を受任し同月12日に着手金50万円の支払いを受けたがその後債権者との面談、不動産登記簿謄本の取りつけなどをしたものの、競売申立手続には着手しなかっただけでなく2005年5月頃まで約1年8か月の間事件の進行状況等についてAに十分な説明報告をしなかった。また被懲戒者は2005年5月12日には具体的に競売手続に必要となる160万円の予納金を受領しながらその後も競売手続を執ることに何らの支障となる事象がなかったにも関わらず2006年7月にBに対する破産申立手続きに切り替えるまで約1年2カ月の間、執行分の付与を受けただけでこれを放置しその間Aから数回にわたって手続きの進捗状況等の確認を受けながら『今やっています』などと事実に反する言い訳をしていた被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規定第5条第35条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

被懲戒者には放置していた期間が長期である上事実に反する虚偽の言い訳をするなど不誠実な態度を示してしたこと、過去に同種の懲戒処分を受けてから3年しか経過していないこと等の不利な事情がありこれらを考慮して業務停止2月を選択する

4 処分の効力を生じた年月日 2011年1月19日 2011年4月1日   日本弁護士連合会 

弁護士名
羽賀宏明
登録番号
22789
所属弁護士会
千葉
法律事務所名
懲戒年度
200010
懲戒処分種別
業務停止1
処分理由の要旨
交通事故損害賠償事件放置、解雇不当事件受任着手金受領放置