弁護士自治を考える会
弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2012年5月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・東京弁護士会・福吉 實弁護士の懲戒処分の要旨
処分理由・認知症を患っている人の預金から高額な報酬を取った
懲 戒 処 分 の 公 告
東京弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。 記
1 処分を受けた弁護士氏名 福吉 實
登録番号 13629
事務所 東京都新宿区四谷 福吉法律事務所
2 懲戒の種別 業務停止2月
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は2005年1月認知症と診断されていた87歳のAから、同人が取締役に就任していた有限会社Bの預金が無断で引き出されているとして調査の依頼を受けた、Aは判断能力が正常であった頃、弁護士及び税理士と相談して、所有する不動産をAを中心にAの親族であるCらにより設立されたB社に移転する等の相続対策をしていた。被懲戒者は預金の引き出しに関して十分に事実を調査すべきであったにもjかかわずこれを怠り、また、上記相続対策を破棄することがAの利益及び合理的意思に合致しないおそれがあったにもかかわらずこれを確認しないまま、Cらに対するAの不信感に乗じて、上記相続対策を破棄する方向に誘導し、2005年3月31日AにCらとの間で上記相続対策を破壊する内容の合意書を締結させた、
(2)被懲戒者は上記合意書を締結させたことにつき、実際には存在しないAとCらとの間の経営権の争いがあったものとしてB社が所有する不動産の評価額を経済的利益とし、Aから合計2100万円の高額な着手金及び報酬金を受領した
(3)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規定第21条、第22条及び第37条第2項に、上記(2)の行為は同規定第24条に違反しいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する
4 処分の効力を生じた年月日 2012年2月14日2012年5年1日 日本弁護士連合会