弁護士自治を考える会
弁護士の懲戒処分を公開しています
2013年1月号 自由と正義に掲載された弁護士懲戒処分の要旨
第二東京弁護士会 川口誠弁護士の懲戒処分の要旨
処分理由・欠席裁判をさせた。
懲 戒 処 分 の 公 告
第二東京弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下の通り通知を受けたので懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 懲戒を受けた弁護士氏名 川口 誠
登録番号 25911
事務所 東京都港区虎ノ門 風の森法律事務所
2 処分の内容 業務停止3月
3 処分の理由
被懲戒者は2006年3月3日、顧問をしているA株式会社からA社が取得する土地に設定された借地権に基づき建物を共有しているB及びCに対する建物収去土地明渡しの交渉及び法的手続きを受任し、同日、Bらの兄である懲戒請求者に対しBらがA社の従業員が訪ねていっても対応してくれず困っているので相談に乗ってほしいと依頼した。被懲戒者は同年5月2日、Bらを被告として2か月分の賃料不払いを理由に建物収去土地明渡請求訴訟を提起したが、Bらが訴状を受け取らず出頭しなかったため同月7月3日に欠席判決がなされた、被懲戒者は同年10月20日に建物収去明渡しの強制執行を申立て同年11月28日、上記強制執行は終了した。これにより1億円程度の立ち退き料の負担を覚悟していたA社が多大な利益を得た反面、Bらは1億円近い不利益を被った。
被懲戒者は2006年5月16日頃までにB及びCについて通常の会話が成り立たないなどの事情から統合失調症の疑いを抱きBらが訴訟能力を有してしないのではないかとの疑いを認識できたにもかかわらず、被懲戒者が協力者と考えていた懲戒請求者に対し上記訴訟提起に当たってBらの賃料不払いを通知せず上記訴訟提起後も期日の日時、判決の内容を通知せず、また上記訴訟においてBらのため特別代理人を選任しなかったほか、懲戒請求者が成年後見人となって任意売却を進めるというスキームを提案し同月下旬頃、成年後見人選任の準備のために身分証明等の入手用の委任状を懲戒請求者に作成さえたにもかかわらず同年10月31日付けで上記身分証明書等を郵送するまでそれらを入手したことすら連絡しなかったなどBらに対する配慮を欠いた
被懲戒者の上記一連の行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分の効力を生じた年月日 2012年10月4日 2013年1月1日 日本弁護士連合会