弁護士自治を考える会
弁護士の懲戒処分を公開しています。20137月号 自由と正義に掲載された弁護士懲戒処分の要旨
第二東京弁護士会の菊田幸一弁護士の懲戒処分の要旨
 
新聞でも大きく報道されました。有名な弁護士の成年後見人の不正事件です。
これで業務停止2月です
なお、菊田弁護士は司法試験免除の弁護士です
処分内容は読みやすいものですので少し長いですがお読みください
 (327日の新聞報道)
菊田幸一弁護士を懲戒処分=死刑廃止論の刑法学者
 第2東京弁護士会は26日、成年被後見人の預かり金をずさんに管理したなどとして、同会所属の菊田幸一弁護士(78)を業務停止2カ月の懲戒処分にしたと発表した。菊田弁護士は明大名誉教授の刑法学者で、死刑廃止論者として著名。
 同弁護士会によると、菊田弁護士が2004年から成年後見人を務めていた死刑囚の実父が、07年2月に死亡。後見人業務の終了に伴う精算時、家裁への報告額と実際の金額に200万円の食い違いが生じたことに気付かなかったなど、預かり金の管理や経費支出に不適切な点があった。
 弁護士会の調査に、菊田弁護士は「現金で管理していたので分からなかった」などと話しているという。(2013/03/26-17:49
 菊田幸一弁護士
 ウイキ
二弁らしい人権派弁護士
弁護士法第5条
大学で法律学を研究する大学院の置かれているものの法律学を研究する学部、専攻科若しくは大学院における法律学の教授若しは准教授の職に在つた期間が通算して5年以上になること。
懲 戒 処 分 の 公 告

第二東京弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下の通り通知を受けたので懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する

1 懲戒を受けた弁護士
氏 名          菊田 幸一
登録番号         31228
事務所       東京都千代田区神田小川町
          菊田法律事務所    
2 処分の内容     業務停止2月
3 処分の理由
(1)  被懲戒者は懲戒請求者の依頼を受け懲戒請求者の父Aについて成年後見開始の審判を申立て20041018Aの成年後見人に選任され200723日にAが死亡したことにより成年後見人の義務を終えたが2005310日にAの預金口座から200万円を引き下ろしたことを失念し、実際のAの残財産と200万円の齟齬がある成年後見業務終了時の会計報告書を家庭裁判所に提出した。
(2)  被懲戒者はAの後見について2005年度会計報告書において2005831日に懲戒請求者への貸与としてAの財産から2万円を支出したと記載したが同年中に懲戒請求者から返還を受けたにもかかわらず返済の事実をAの財産に計上せず2013217日まで清算しなかった
(3)  被懲戒者は成年後見人として4回にわたりAの入院先に行きAの財産から出張費、日当等として合計148336円を支出したがそのうち48336円は、支出の必要性、相当性及び根拠が不明な支出だった。
(4)  被懲戒者は20076月末、受領の根拠が不明であるにもかかわらずAの財産から3万円を受領した。
(5)  被懲戒者はAの財産からAの葬儀及び納骨の準備のため2回にわたる日当交通費等として合計264520円を支出したが、そのうち212410円は支出の必要性、相当性及び根拠が不明な支出だった。また被懲戒者はこの不正支出について懲戒請求者には相続分相当額を損害賠償として支払ったが、その他のAの相続人には損害賠償をしなかった。
(6)  被懲戒者はAの永代経代としてAの財産から預かった40万円についてAの納骨先がその受領を拒絶してから1年を経過した後も懲戒請求者の相続分20万円を懲戒請求者に返還しなかった。
(7)  被懲戒者は懲戒請求者が2007年及び2008年に被懲戒者の成年後見業務を問いただすために起こした2件の訴訟において準備書面に懲戒請求者を侮辱する記載をした。
(8)  被懲戒者は懲戒請求者から受任した懲戒請求者のBに対する貸金請求控訴事件において和解について委任を受けていなかったにもかかわらず懲戒請求者に無断で和解を成立させたこと及び懲戒請求者との間で合意がなかったにもかかわらず上記和解によってBから回収した9万円から弁護料として4万円を取得したことについて2008425日慰謝料5万円の支払及び取得した4万円の返還を命じる判決を言い渡され同判決が確定していたにもかかわらず2011424日まで支払及び返還をしなかった。
(9)被懲戒者の上記行為はいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分の効力を生じた年月日 2013326日 20137月1日   日本弁護士連合会